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Game1

初日は2話を一気に更新!

 木々や草花にかこまれて、ひとり愚痴る。


「今回はあんまり敵出てこないなぁ…」


 俺は回りを見渡す。

 しかし、望むものは見つからない。


「勝ちなのはいいんだけどな…これじゃつまらぬ」


 残念そうな顔をして呟き、敵を探しにまた歩き始める。


「ゲームやってて暇ってこれいかに」


 ハァ…とため息をついた。


「しょうがない…もったいないけどマップ使いますか…」


 俺は、何故か消耗品扱いの設定があるレアアイテムを、ポーチから取り出し使う。


「周りに敵は…いたいた」


 マップには地形と点が書かれていた。点は敵の居場所を表しているもので、動き続けている。


「ふむふむ…プレイヤーはもうほとんどいないのか…ゲーム終了まで後3人…とりあえず一番近いやつから――――――――ッ!」


 マップにはひとつの点が高速で、後方からこちらに近づいているのが見て取れた。


 銃を武器として使えるこのゲームの中で、敵が近づいているのを知りつつ、そこにとどまるのは自殺行為である。

 俺は急いでそこを離れる。


 この速さはスピード特化の装備をしているのか?メインの武器が銃だったら逃げながらショットガン打つしかないな、近接だったら返り討ちにしてやるぜ!


 そう心の中で、高速で近づいてくる敵の対処を考えて背広からショットガンを取り出した。

 物理法則を軽く無視しているが、ゲームの中ということで深くは考えない。


 後退しながら、敵が来るであろう方向にショットガンを構え敵が見えたらすぐに打てるように構える。


 数秒とたたず、前方に敵を確認できた。


 敵の装備は接近型のようだ。

 両手剣のようなものを持ってこちらに走ってきている。


 敵が遠距離系の武器を少なくとも装備してはいない事を確認し、中距離系のショットガンが届く距離までひきつける。

 もうちょい…もうちょい…


「そこッ!!」


「ッ?!」


 敵は中距離判定ギリギリの距離からの攻撃に驚きつつも回避した。


「なんッ?!」


 ショットガンの弾を全て避けたことに驚きつつも、人外な速さで近づいてきている敵に向かって、後退しながらも何度かショットガンを打つ。が、その全てを敵は避け切った。


 一体どんな動体視力と反射神経持ってんだ?!


 いくらゲームの中であって、身体能力は多少、装備によって上げることはできると言っても、基本はプレイヤースキル依存であるこのゲームで、ショットガンの弾を全て避けきることは、かなりの動体視力と反射神経を持っていなければ不可能である。

 実際、それほどのプレイヤースキルを持っている輩は、このゲームのランキング上位に入っていて、その全員がとても有名である。

 自分自身もランキング上位に入っているので、他のランキング上位者とエンカウントした時、しっかりと対処できるよう調べ上げている。


 攻撃しながらキャラクターの頭上に表示される名前を見る。

 ステイツという名前で、見覚えはなかった。


 考えながらもショットガンを打ち続けるも、


「こんな時に弾切れかよっ?!」


 ショットガンはただの変な形の棒になり果てる。

 その隙に敵はこちらへ近づいてきて、剣を振りかぶる。

 剣筋を予測して、俺はショットガンを前に出す。

 さすがに、見て弾く、なんて芸当は俺にはできない。


 ガンッという金属音と共に火花のエフェクトが散る。


「はぁっ?!」


 敵が驚きひるむ。

 その隙にバックステップを取りながら、ショットガンを投げ捨て、腰のホルダーから拳銃を、背広から短めの片手剣を取り出す。

 右手に剣を、左手に拳銃を。


 最強の盾、銃系統

 その呼び名は伊達ではなく、唯一武器に耐久度が設定されていない系統である。

 一時期バグという推測も飛び交ったが、運営が公式に仕様である、と告知したため今ではそんなことは言われない。

 そして、その性能は今となってはあまり知られていない。

 恐らく、古参プレイヤーだけが知っているのではないのだろうか?

 ずるい、と言われてもしょうがないかもしれないが、情報も戦力のうちである。諦めてもらう他ない。


 恐らく手がしびれているのであろう。敵もバックステップを取りこちらを警戒する。


 左手の狙いの甘い拳銃を打つ。


 甘い、と言っても、そこらのプレイヤーよりも狙いはしっかりとしている。

 そこは経験というべきか


 敵はそれを紙一重で避け、剣をおおきく振りかぶった。


 隙の多い一撃。それ故にカウンターもしやすい。


 俺は、敵に近づき、剣を振り下ろす前の、力があまり入らないタイミングみ見計らって、拳銃を剣に押し当てる。

 さらに、自分の剣を敵の首筋に向けて振る。


 が、敵は拳銃を剣で強く押し、勢いをつけたバックステップで躱す。


「チッ!」


 思わず思い切り舌打ちをした。


 さらに、この距離だと敵が速すぎて反応できないため、かなりピンチである。

 今までの攻撃は、予測して、偶然防げたに過ぎない。


 敵はこちらを警戒するにとどまっている。

 色々次の行動を思案してみるも、どれも不確定で、どちらかというと運の要素が強く、決定打に欠ける。


 敵から攻撃されるとこちらが不利になるだけなので、とっとと先制したいが…焦るとあまり考えられないという悪循環。


 もうなるようになってしまえ!


 そう思い、敵に斬りかかる…振りをして、避けるであろう場所に向けて拳銃を向ける。


 案の定、敵は攻撃を避けようとして、銃を構えた方向に向かった。


 計 画 通 り!


 そう思いながら引き金を引く…が。


「はぁっ?!」


 敵はなんと、銃弾を切った。

 見て切ったのか、予測して切ったのか…どちらにしてもすごすぎる。前者ならば勝てる気がしない。


 そして敵は、俺が驚いている隙をつき斬りかかってきた。


 予想外な事態に反応が遅くなってしまい、無理な体勢でなんとか攻撃を剣で流す。


 そして敵の脚を蹴って転ばし、さらに拳銃で追撃


 しかし、敵は拳銃を転がって避ける。


 自分でもよく流せたな、と思える反応…ナルシストではないが、今のは自分を褒めてやりたい。と思ってすぐ、今回の隙だらけな自分の対応にやっぱダメじゃんと悪態をつく。


 そんなことを考えられているあたり、結構余裕があるのかもしれないが。


 拳銃の残弾が心もとなかったので、敵が転がっている隙にマグナムに変更。

 追撃したほうが良かったかもしれないが、反応速度からして避けられる可能性の方が高いので、安全を取った。

 さらにマグナムの場合、弾数は少ないが、威力と弾速が拳銃よりも早い。

 これなら敵も避けるのが難しくなるだろう。


 敵が立ち上がり切る直前、バランスが取りにくくなる瞬間を狙い、マグナムを打つ。


 だが、敵はそれすらも避けてみせる。

 さらには、そのままこちらに切りかかってきた。


「マズッ?!」


 避けられるとは思ってても、反撃が来るとは思わず、油断していた。


「取った!」


 敵も勝利を確信していた。


 その瞬間、光が二人を包む。
















 どうやら時間切れのようだった。

 装備の中には、身体能力をあげるものがいくつかあります。


 銃の耐久力はありません。


 マップは消耗品です。


 遠距離攻撃が可能な武器には、近距離、中距離、遠距離判定があります。それらの判定を超えたり、近すぎたりすると威力が変わります。

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