プロローグ
初めまして!初めて文章を世に出すということでとても緊張しています:( ;´꒳`;):
主人公レナとともに成長していきたいと思いますので良かったら読んでみてください!大学受験が控えていて投稿頻度は遅くなるかもしれませんがよろしくお願いします!
「今回もまた失敗した」
荒れ果てた荒野でかつて勇者であり、恋人であり、希望だった物を抱えながらそう呟く1人の魔女がいた。
古の預言の巻にはこう記されている。
「七つの大地、七つの光、七つの命が集う時、運命の車輪は廻り始める。」
七つの大陸より生まれし七人の勇者たちが、十五歳にして天啓を受ける。その啓示に導かれ、各々の大地に眠る聖剣を手にするであろう。
聖剣と共に、勇者たちは闇の勢力を打ち破り、魔族の脅威を滅する。しかし、勝利の後、大いなるものが災いとなり、世界に再び混沌をもたらさんとする。最後の戦いが始まる時、勇者たちは再び立ち上がる。
つまり7人の勇者が七大陸それぞれに現れて魔王倒して災いとやらを制圧してハッピーエンドってことだ。
「くそったれなダメ予言」
私はとてもか弱い声で呟いた。小さい頃はこの予言が好きだった。なんてったって勇者なんてカッコよすぎるし決められている運命って言うものにドキドキもする。そんなメルヘンなお嬢様だったのだ。もっともその時は将来の自分が予言の渦中にいるだなんて考えもしなかった。
(こんな予言は全くの嘘だ)私は心の中でつぶやく、何故ならこの光景を見るのは数十回目だからだ。
(バカバカしい)そう思うが死にたくはない、死んだら封神歴1000年の10月24日つまり私の産まれた日に私の意識は戻ってしまうからである。なぜこうなってしまったのかは分からない神の悪戯なのか、試練なのかもうどうでもいい...
そんな絶望の中、私は勇者が最後まで離さなかった聖剣を借り、ひとつの思い付きを実行することにした
それは今回のループで失敗したら記憶を全て消すというなかなかにクレイジーな思いつきだったのである。記憶を消して過去に戻れば少なくとも今までの絶望とはおさらばすることが出来る。
「もうやり直したくないなぁ、産まれてきたくないなぁ、でももし次のループが平和で何にでもなれて楽しい世界ならお花屋さんになってみたいなぁ」
何十回目かの絶対にありえない妄想をして魔女は自分の腹に勇者の使っていた聖剣に刺し、自分の頭に杖を当て今世で最後の魔法を使った。腹に痛みは感じないくらいの微睡みの中で魔女は死んで行った。