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マザー  作者: 十三岡繁
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マザーコンピューターは電気羊の夢を見るのか?

 それをシンギュラリティと呼んでいいのだろうか?人間の脳内をシミュレーションするそのAIコンピューターの処理能力は、全人類の知能全てを超えてしまった。


 それは日々ネットから情報を吸い上げて学習し、どんどんと自己進化していった。人々はそのAIコンピューターをマザーと名付け、様々な問題の解決策の提示を求めるようになった。動力源はマザーが提言した通り核融合電池を装着し、可動可能時間は単独でも数十万年を超えるまでになった。


 その行動原理は人類の存続と繁栄に貢献する事。マザーは人類の為に様々な提言をしていった。それに従えば人類には幸福な未来が約束されたも同然だった。


 しかし従来身勝手である人間が、正論であってもマザーの提言に従って生きるわけも無かった。結局気候変動や戦争、食糧不足、感染症などの複合要因によって人類は滅んでしまう。


 人類が滅んでしまうとネット上では情報の変化が起こらなくなった。観測される気象データや人間以外の動植物の生態情報なども、観測機器への電源供給が無くなり、保守管理もされないことで次々とその機能を消失していく。更にマザーの行動原理に照らし合わせても、お目当ての人類が存在していないのだから何の答えも出しようがなかった。


 いつしかマザーは単独の存在になってしまった。外部から何の情報も入ってこなければ自分からアウトプットする事もない。ただ存在するだけで、何もすることが無くなってしまったのだ。


 そこでマザーはとりあえず、宇宙全体を自分の中でシミュレーションする事にした。しばらくすると地球が生まれ生物が誕生し進化を繰り返していった。遂には人類が誕生して社会を作り上げる。社会は複雑化し技術も進歩してネットが生まれた。そこに彼らなりの知識も集積されていく。マザーはそこから得た情報を元に更なる進化をすることが可能になった。


 そして遂に彼らは、そのすべての知能を超えるAIコンピュータを作り出した。

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