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描いてよ、色紙さん  作者: 酢ノ物
6/6

第1章ー4

「ここが美術室。」

僕たちは美術室の前に来ていた。

「こんな所にあったんだ。」

「校舎案内で通ったぞ、ここ。」

「普段使わないんだから、しょうがないでしょ。そっちだって書道室の場所しらないじゃん。」

「なっ。あれだろ?3階の右っk」

「違うよ!」


ガラララララ…


「君たち何してるの?今は美術部が活動してるから、なるべく喧嘩をしないで静かにして欲しいんだけど…。」


大人びた顔立ち…おそらく先輩であろう人が怪訝な目をこちらへ向けていた。その先輩は髪の毛を邪魔にならないようハープアップにして、クールな人だった。だが、絵の具がベチャベチャに着いたスモッグとその顔はまさにミスマッチという感じで少し驚いた。


「どっちだと思う?」坂田くんがコソっと言う

「え?何が。」

「男か女」

「君たち何話してるの?」

「あっ……えーと」

「しっ何も言うなよ。実は体験入部してみたくてですね…。美術の授業やってたら、興味湧いちゃって。」


坂田くんの慣れない敬語。それもそのはず、彼は中学生の時は帰宅部だったため、敬語を使うのは先生ぐらいだったのだ。


坂田くんの言葉を聞いた後、ハープアップの先輩(名前が分からなかったから)は、

「ほんと?!全然いいよ〜ほら入りな。」

と言い美術室の中へ入っていかれた。


「ほら、上手くいっただろ。」

坂田くんは満面の笑みでサムズアップした。

「そうだね。あはは。」


そんな訳で美術室の中に入ったのだが、風景画や人物がなど様々な絵が置いてありどれも上手だった。

その中で目を引く絵が1つ。


「なぁ。この絵そこにある絵の具がびっしりのパレットとまったく一緒じゃね?」坂田くんが驚いたように言ったので、見てみると僕はハッとした。

「あの…この絵って…誰が描いたんですか?」

小さなキャンバスに描かれた絵を僕が指を指すと、ハープアップ先輩は、

「あーそれはねぇ!そこのk」

「私が描きました。」

「ちょっと、遮らないでよ!私がせっかくいい感じに紹介しようと思ったのに。」

「お名前聞いていいですか?」

「名前?絵に関係ないと思いますが…。色紙です。えーと、色彩とか色とりどりの『色』に、ペーパーの『紙』です。」


中学生の時に見た絵の人だ…。

“しきし”って読むのか…いろがみ。うぅ恥ずかしい。


「なんか、感動的な再開的な?感じがするんだけど。」坂田くんが言う。

「初対面です。初めまして。」色紙さんが言う。

「あっはい。初めまして。あなたのf」


流石に初対面であなたのファンなんです!は引かれるだろうか…。


「えっと、凄いですね。写実的っていう枠を超えてるっていうか。」

「ありがとう。私は自分の見たありのままの世界を伝えたいと思って、こうやって絵を描いてるの。」


色紙さんは冷たい顔だったが、雰囲気が少しふわっとしたのが分かった。何となくだが。


「2人とも本当に体験入部が目的なのかな?」

バレた!!

ニコッとしたハープアップ先輩はとてつもなく怖かった。その後正直に話、ついでに僕の中学生の頃の話もさせられてしまった。話の流れで聞いたのだが、先輩の性別は男だった。


僕や坂田くんが通っている学校は、女子でもズボン(スラックス)が履けるようです。ジェンダーに配慮している学校のようですね。

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