第1章ー3
遅れましたm(_ _)m
「ふぁ〜。」
坂田くんが手の平を天井に向け伸びている。
僕は古文で寝てスッキリしたので6限の英語の時間は起きていたが、音読やシャドーイングで周りの声がボソボソと聞こえた事から皆眠たいんだな…とか呑気なことを考えて授業を受けていた。案外、ボソボソすらしてなかったかもしれないが…。
「よし、行ってみるか!」
「どこに?」
「美術室。」
「提出物とかあったの?」
坂田くんが驚いたような顔をしている。
いや、本当に何かあったか分からない。それに僕は芸術では書道を選択しているため、普段美術室には行かない。
「はぁ〜。しょうがないからこの名探偵と呼ばれる坂田様が教えてやるよ。」
「今まで一緒にいたけど、聞いたことないよ…」
誰にも聞こえないくらい小さな声で呟いたのだが、
「そこっ聞こえてるぞ!まったく最近の若者は礼儀がなってないっ!まぁいい。人集りが出来るくらい絵が上手いってことは、だいたい。いや、確実に美術部だ!真実はいつも1つ!」
某“体は子供頭脳は大人”の名探偵のように僕に向かって人差し指を指す。
「そうとは限らないでしょ。」
「つべこべ言わずにいくぞ!ワトソンくん。」
「コナンなのかシャーロック・ホームズなのか…」
そう言い合いながら僕たちは教室を出た。