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天才JC兵長は異世界→異世界への転移を果たす。  作者: 吉川 由羅
第一章  天才兵長 グレース
3/10

はじめてのたたかい

この作品、どうやら記念すべき10作目だったみたいです。

おめでとう、自分。

「と、とにかく、今すぐ向かわないと!」


ポストの前で、私は取り乱して叫ぶ。


こんなの初めてなんだもん。取り乱さない方が不思議だ。


王国のみんなも私と同じ状況に立っているはず。早く助けてあげないと。


でも。


「どうしましょう兄上。ここからじゃ急いでも一週間はかかってしまいます。」


「そうか。なら、僕に任せろ。」


そう言うと兄上は家に駆け込んでいき、やがて大きな機械を手に現れた。


「兄上、それは?」


「説明は後!早く!」


「えっ、えっ?」


私は訳の分からないまま、兄上についていく。


森を進み、やがて開けたところに出た。


兄上はそこの中心に、機械を設置する。


「グレース!この機械につかまって!」


「え、はい!」


私はその機械の持ち手(にしか見えない部分)に手をかけた。


それを見た後、兄上はスイッチを押して、自身も機械につかまった。


3…2…1…


機械の声が、カウントダウン。


これって、まさか。


「兄上っ…」


止めようとしたときには遅かった。


機械が下から火を噴いて、真上に一直線に飛び上がった。


すごい速さ。息をするのもやっとだ。


「いいか、グレース!絶対に持ち手を放すんじゃない!」


「わかりました、兄上!」


一言一言の短いやり取りをして、私たちはまた気圧との戦いに戻る。


これは、油断すると窒息死してしまう。慎重に、慎重に。


と思ったその刹那。


ふわっと、浮遊感を覚えた。


なんと私たちは真っ逆さまに落ちて行っていたのだ。


「兄上!大丈夫なのですか!」


「ああ、大丈夫だ!もうすぐ到着だぞ!」


「ええっ!」


まだ30分も経過していない。なんて速さだ。


と。


「ベルーニャだ!」


雲と雲の隙間から、王国が姿を現した。


「兄上!」


「あとちょっとだ!」


兄上は叫びながら、手元のレバーやらスイッチやらをガチャガチャした。


すると、さっき火が噴いた部分から青い光線が飛び出し、地面に円を描いた。


その中心に、私たちは勢い良く落下した。


機械がつなぎ目から煙を吐き出す。


「い、痛てて。あれ?死んでない。」


「落下の直前にお手製の光線で地面をクッション状にしておいたんだ。」


「流石兄上です。」


私はすぐに理解し、手をたたいた。


…おっと、そんなことをしている暇はない。


「兄上!行きましょう!」


「ああ。」


私は門まで走った。兄上も後から続く。


すると門の前に、二人の兵士が立ちふさがった。


「おい!我はこの王国の兵長だぞ!?通さぬか!」


「兵長殿。誠に言いずらいのですが…」


兵士は俯き気味に言った。


「兵長殿の兄は、追放された身ですので、入国は…」


「はあ?何を言っておる、こんな緊急事態に。」


「しかし、国の決まりですので」


「うるさい!兄上の入国は我が許可する。早く入れんか!」


「は、ははあ。」


二人の兵士はおずおずとそこを退いた。


その間を、私と兄上が走り抜ける。


全く、なんて吞気な連中だ。まあ、今まで戦いというものを経験していないからだろう。


今回の戦いで、きっと後悔するはずだ。


「グレース。あ、あれ…」


「え?」


兄上の震える声に連れられて、私は上を見た。


「こ、これは…」


私は放心状態に陥った。


空の上に怪しいオーラを放った丸いゲートがあり、そこから人間とは思えない醜い生物が湧き出てきていたのだ。


私はやがてはっと我を取り戻し、慌てて言った。


「兄上。王国の中心部に行きましょう。このままだと、国民も、王様もやられてしまう!」

感想、いつでも受け付けております!

よろしくお願いします(__)

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