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天才JC兵長は異世界→異世界への転移を果たす。  作者: 吉川 由羅
第二章 独裁者
10/10

転生能力

更新遅くなってしまい申し訳ございませんm(__)m


「え…」


私はその場に立ちすくみ、アルデリアは怪訝そうな目で見つめてくる。


「ああ!思い出したよ。」


すると後ろにいた兄上が声を上げた。


「その紋章は別名予言模様と呼ばれていて、何か不穏な空気を感じ取ると現れるんだ。」

「その話は俺も聞いたことがある。しかしそれが現れる人間はごくわずかなのだろう?」

「よく知っているね。そう、この紋章が現れるのは異世界住民を含め3人しかいない。」

「グレースがその一人だったというわけか。」

「3人…」


とんでもなく少ない。私はその時ふと思い出した。

そういえば小説とかでも、異世界に転生すると何か能力が手に入ってたんだっけ。

この腕にくっついた紋章。おそらくこれが私の能力なのだろう。


「と、言うことはだ。」

「このあたりに、なにか良からぬものが近づいているみたいだな。」

「あの囚人たちがクーデターを起こしたとかか?」

「いや、それはあり得んだろう。俺が監獄を爆発するときに、あいつらにシェルターの場所を教えた。今はそこで待機しているだろう。それに脱獄からすぐにクーデターなど、いくらあいつらでもそんな馬鹿な考えは起こさんだろう。」

「そうか。」


私はしばらく考え込む。


「そうだアルフィー。一つ聞きたいことがあるのだが。」


すると兄上が私の前に来る。


「なんだ。」

「独裁者についてだが。あいつ、どうやってここまで成り上がったんだ。過去を教えてほしい。」

「あいつ…。グラッツェリーの過去、か。」


アルフィーは少し首を傾げる。


「そうだな…。たしか20年前だ。20年前からあいつはこの国を独占し、人びとをこき使っていた。理由としては、王の死だな。残された幼い王子は裏切りというものを知らず、当時家臣の下っ端であったグラッツェリーに騙されあっさりとやられてしまった。下剋上というやつだな。それからあいつは今まで自分がやっていた莫大の仕事を全て国民にやらせるようになった。最初はそれだけだったからまだいいが、あいつの所業はどんどんエスカレートしていき、挙句の果てには法律を全て書き換え、自分に有利な世の中にしてしまったんだよ。」

「ひどいな。」

「ああ、全くだ。」


私は拳を握りしめる。掌に爪が食い込んで、痛い。


「実をいうとアルデリアも、グラッツェリーに仕えていた一人なんだ。」

「そうなのか?アルデリア。」

「ええ、そうよ。やりたくもない踊りを毎晩踊らされて。目の前には不潔な肥満男。最悪よ。」


アルデリアは険しい表情で毒を吐く。

確かにアルデリアは女の私から見てもかなりの美人だ。その分、いやな思いをしたのだろう。


「あいつに何か、それこそ不吉なことが起こればいいのにね。」

「なるほど。それならアルフィーに協力したのも頷ける。」


兄上は静かにこくこくと頷く。


「さて。この紋章が出たからには、急いだほうがいいわ。48時間以内に悪いことが起こる。」

「でも、一体どうすれば…」

「私に任せて。」


アルデリアはすっくと立ちあがり、透き通ったローブをひるがえして奥の方に行ってしまった。


「何をするつもりなんだろうか…」

「アルデリアの事だ。何か武器でも用意してくれるのだろう。」

「武器の裏取引をしていたんだったな、そういや。」


私は少し安心したような気持ちになった。

すると奥からアルデリアが姿を見せた。

両手に大きく立派な剣を抱えている。

それを見た途端、アルフィーの表情が変わった。


「お前、正気か!?」

「ええ。私はいつだって正気よ?」

「でもお前、それは…」

「もう私は戦わないんだから。残してたってしょうがないでしょ?」


アルデリアはまっすぐに私の方に歩み寄り、その大剣を差し出した。


「はい。これは光輝の剣。入手困難と言われている、いわば最強の大剣よ。」

「えっ!?そ、そんな価値のあるものを…。もらえん!」

「遠慮はしないで。私が持ってたって仕方がないんだから。」


アルデリアは半ば強引に私にそれを手渡す。

ずっしりとした重みがあり、その価値がひしひしと伝わってくる。

その時だった。


「っっ!?」

「なんだ!?」


突如として、大きな地鳴りがした。

私も兄上も軽々浮き上がるほどに、それは強力だ。


「魔物だ!こいつは相当でかいぞ。」

「たくさんの羽音もします、兄上!小さいのもかなりの数いそうです!どうやら攻め込まれているようですね。」

「なんだと、しまった!」


するとアルフィーが声を荒げて地下室の扉に向かっていった。


「どうしたんだ、アルフィー!」

「危ない、シェルターが危ないんだ!」

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