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あっという間に王太子の卒業パーティーがやってきて、ビアンカはプレゼントされた濃紺のネックレスを身につけてうっとりとしていた。
当然ビアンカにも後輩ができ、その中にはビアンカを『お姉様』と呼ぶものも少なくないとか。
実際2年近く経ち、元々良かったスタイルは更にボリュームアップし、こうした華やかなドレスを着ると少々目のやり場に困るくらいであった。
鏡に写るビアンカの姿は、どこからどう見てもサディスティックな令嬢だ。
(ああ、こんな私が蔑まれることに悦びを覚える変態だって皆さんに知れたらどうなってしまうのかしら…ウォル様に今度こそ首輪でもつけられてしまうかも知れないわ)
1人息を荒げるビアンカに、王太子の姿をしたアルが呆れた目で首輪を作り出し渡してきた。
ビアンカは思わずそれに飛びつきそうになるが、そんなことをすればこの濃紺の首輪から電気が流れるのである。
1年前にもらったこれは、シンプルながら綺麗な宝石がついていて、いつでも身につけるようにという命令も忠実に守れるデザインだった。
しかし、王太子以外のものからの刺激でビアンカが悦んだ瞬間、強めの静電気のような刺激が全身を駆け巡ったのである。
調教用だからと渡されたそれは、確かにビアンカを甘く支配していた。
「お嬢様、王太子殿下がお見えになりました」
侍女に声をかけられ、階段を降りると王子が優しい笑みを浮かべて待っていた。
「ああ、ビアンカ、とても綺麗だよ」
「ありがとうございます。ウォル様もとても素敵です…」
正装はかっちりとしていて、いつか王太子に軍服を着てほしいと密かに願っているビアンカからすれば、魅力を一層引き立てるものであった。
卒業パーティーは恙無く行われ、身を寄せ合いダンスをした。
練習相手はアルか王太子しか許されなかった為、いつも踊っている相手とのダンスを披露するようなものである。
あちこちから王太子を褒め称える声とともに、お姉様素敵という声も聞こえるが、それはビアンカの求めるものではない。
「ウォル様…」
「ふふ、ビアンカ、最近はいい子だからご褒美もなくてかわいそうだったね」
「そんなっ、はい…あの、ご卒業おめでとうございます。でも、これから一人で登校するのだと思うと寂しく思いますわ」
俯いたビアンカの耳元に王太子の唇が寄せられる。
「それは私がいないから?それとも、鞭がないからかな?」
耳をと顔を赤く染めたビアンカに、周囲が2人を見て盛り上がる。
2人の内面を知らない生徒からすれば、王太子が仲睦まじい婚約者に愛の言葉を囁いたと思うだろう。
実際、2人にとっては愛の言葉には変わりないが、それは見た目とは裏腹なものである。
しかしそんなことは皆知る由もなく、これからもほぼ2人だけの秘密として、仲睦まじく過ごしていくのである。
以上で一応完結となります。
ここまでお付き合いくださった方には感謝しかありません!
ありがとうございます。
番外編が思いついたら上げていくかも知れません。
誤字脱字等ございましたらお手数ですがご指摘いただけると幸いです。
豆腐メンタルなので、優しくしてくださると嬉しいです。
どうぞよろしくお願いします。
ありがとうございました!




