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時は少し遡り、学園では王太子とハインツが乗った馬車を見送るビアンカを見て、メリーアンが爪を噛んでいた。


「あの様子じゃグリードももう使えなそうね…!クソ!ウォル様ルートが1番好きなのに!台無しよ!全部あの女のせいだわ…」


ぶつぶつと呟きながら、メリーアンはペンダントの足に手を翳し攻略キャラの居場所を探し出す。


幸い騎士団長の息子がすぐ近くにおり、メリーアンはそちらへ駆け出した。

涙を流しながら。



馬車を見送ったビアンカは、身体中を巡る王太子の魔法に純粋に胸をときめかせながら、荷物を取りに教室に向かおうとした。


そこへ騎士団長の息子を連れたメリーアンが立ち塞がった。


「ビアンカ様!私、知っているのです。貴女が闇の魔法を使って王太子を操っていること!好きだからって、そんなこと許されません…!」


「え?」


(どうしましょう、メリーアン様だわ…!でも何を言っているのかさっぱりわからない…。なんだか隣の、確か騎士団長様の御子息だわ…すごく怒っている様子ですし、楽しいことになりそう…いけないいけない、またウォルシュタイン様に叱られてしまうわ)


ぐるぐると考えを巡らせたビアンカは、迷った末に淑女の礼をして退席しようとした。


しかしそれは許されず、あろうことか男子生徒の方から攻撃魔法が飛んできたのである。


「危ない」


咄嗟に闇属性の魔法で吸い込み消し去ると、野次馬が集まってきてしまっていた。


あまり抵抗しても周囲に危険が及ぶ可能性もある為、ビアンカは強固な結界を張り2人に捕獲するための魔法を飛ばす。


するとメリーアンが前に出て、ビアンカの闇魔法はかき消されてしまった。


どうやら闇属性の魔法では効かないらしい。


「はっ!さすが聖女だ!悪女の魔法はメリーアンには効かないんだよ!」


騎士団長の息子はビアンカを罵りながら立て続けに攻撃し、メリーアンも増幅魔法をかけ、ビアンカの周りが爆炎に包まれた。


しかし、煙が消えたあとには傷だらけのビアンカが平然と立っていたのである。


化け物、いう声と悲鳴があちこちから聞こえる。


(何これ、とっても素敵!素晴らしいですわ!皆さんの()()も、メリーアン様の補助あってこその攻撃も…!)


わざと土属性の魔法を使い、なんとか防いでいるようにしか見えないビアンカ。


光属性を使えば恐らく一発で決着がついてしまうのだが、この闘いを長引かせたいが為の防戦だった。


そこへアルから念話が届く。


「王太子と従者がこちらの様子を見てたぞ」


(えっ!?なんでもっと早く教えてくれないの!ウォルシュタイン様に見られる前に片付けなくちゃ…!あ、また爆発魔法!)


ドォン!という大きな音とともに大きな爆発が起き、周囲からの悲鳴もかき消されるほどだった。


ビアンカの保護魔法がなければ被害はどれほどであろうか。



王太子とハインツの到着を横目で確認したビアンカは、急いで魔法陣を繰り広げた。

手から光属性の魔法が飛び出し、眩い光があたりを包む。


「きゃあ!何よこれ!」


「くっ!どうなっているんだ!?何故メリーアンまで、今のは光属性…?」


2人はビアンカによって磔にされ、ある程度魔力を吸い取られる。

メリーアンはなりふり構わず叫び出した。


「こんな危険な魔法を使えるなんて、やっぱりあんたは悪女のラスボスなのよ…!本当はウォル様と私が結婚して、あんたを殺すのに!」


「私の婚約者はビアンカなのだから、殺されては困る。なにより君と結婚することなんてあり得ないよ」


傷だらけのビアンカを王太子が抱き上げ治療するが、今日のビアンカの魔力消費に体が光属性の魔法を拒絶しており、なかなか傷跡は消えていかない。


抱き上げている指が体に食い込み気味なのは王太子の機嫌を表している。


そしてその不機嫌さは、先程の爆風でハインツの眼鏡が飛んでしまったことにより、横にいたハインツが珍しく表情を歪めていたからでもある。


その視線は当然、戦闘中だったビアンカたちに向いていた。

その後目を閉じようとしたハインツは、ビアンカを二度見したあと凝視していたのである。


(ウォルシュタイン様の魔法、今日はとても痺れるわ…!魔力消費で属性が反発しているのね、なんて気持ちいいのでしょう!これならもっと大きな魔法で魔力を枯渇させておくのでしたわ)


うっとりとするビアンカに、ハインツは正直引いていた。

ドン引きというやつである。


「グリード、これは私のだからね」


「…はい、存じ上げております。申し訳ございません」


いくら想像もつかないことを考えていたとしても、王太子の婚約者を凝視するなどマナー違反も甚だしい。


丁寧に頭を下げたハインツに、王太子は息を吐き護衛に指示をすると、騒ぎを起こした者としてビアンカも王宮に向かうことになってしまった。




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― 新着の感想 ―
[良い点]  王太子の「これは私のだからね」が取るなよではなく、見るなよの意味なのだろうなぁ(*´,_ゝ`)
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