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聖女は軍服を纏う。

作者: まぁ

魔界の瘴気漂うなか、その人は誰よりも最前線で

胸を張って立っていた。


周りの屈強な男たちが膝をつき、心を折られるなか

その人は最後まで自分たちの勝利を信じていた。


顔や髪、服がどれだけ敵や自分の血で汚れようと

その人の魂は決して汚れる事はない。


血の赤、硝煙のせいで黒く見える視界、瘴気の禍々しい紫


暗い淀んだ色の中でさえもその人は

戦場では目立つ白い軍服を纏い、月の光を思わせる白銀の髪を靡かせ敵に向かっていく。



―――――――――――――

全ては欲しいものを手に入れる自分のために。

全ては愛しい人を少しでも怪我をしないよう守るために。


私は剣をとる。


長い美しいとされてきた髪なんて風が吹けば邪魔なだけだ。


ヒラヒラしたローブなど走る事ができない。


怪我した貴方を癒すだけなんて、苦痛に滲む貴方をみているなんて出来ない。


私は貴方が傷つく前に助けたい。



この世界に急に飛ばされてきた貴方が凄く優しいから。


無視すればいいのに、無理して引き受けて。


しなくてもいい苦しみを味わうなんて。


私よりも心が美しく、優しい貴方。


みんなは貴方を勇者だからと当たり前だと見るでしょう。


でも私だけが知ってるから、崇拝される辛さを。


頑張っても褒めてもらえず。結果を出しても見てもらえず。


失敗したら失望され。少しでも休むと呆れられる。


貴方が私にだけは弱みを言ってくれたから。


私は。私だけは貴方の味方でいよう。


貴方はこの世界を守ると言った。


なら私はそんな貴方を守ると神に誓おう。


貴方のためなんて言ったら気にするでしょ?


だからこれは私のため。


貴方のいない世界なんていらないから。


私は貴方と花畑を見にいく約束を守りたいから。



私は軍服を纏いましょう。







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