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精霊女王と呼ばれた私の異世界譚  作者: 屋津摩崎
二章 リントワース編
23/499

23.今日から君は

ーーリマーー


 ラヴィリス様が旅立ってすでに何日たっただろうか、いくらなんでも遅すぎる!捜索隊を派遣すべきだ。

 私は空のエプロンのポケットに手を当てる。ここに温もりがない、とても寂しい。

「・・・いえ、まだ3日よ?さすがにまだ帰ってこないわよ」

 アイネお嬢様が弟子のくせにふざけたことをぬかしている。

 アイネお嬢様にはこの気持ちは分からないだろう、仕方なくラヴィリス様の特製ベッドにぬいぐるみを寝かしておく。

 あぁ、寂しい・・・仕方ない、ぬいぐるみにラヴィリス様の服を着せてみよう。


「おい!!いい加減仕事しろ!!」

 解せない、なぜかアイネお嬢様に叱られた。




ーーラヴィリスーー



 さてと、今度こそ帰りましょう!今から出れば明日の朝には着くだろう。

 ものは試しと、狼さんの背中に乗せてもらう。中々の乗り心地だ!全力で草原を駆ける、私も狼さんも隠蔽や隠密のスキルがあるから誰にも気付かれないよ。

 飛んだ方が速いけどこの子がついてこれないからね。


・・・狼さんやこの子だと呼びにくいから、帰ったら名前をつけてあげよう。


 おや、誰かが魔物に襲われてますね!巨大イナゴだ!

「奴は敵だ!やれ!」

 私は狼さんに命令する、するとスピードを落とさずにそのまま敵の方に方向転換する。

「ガウフッ!」

 瞬殺する!ふふふ害虫め!私は見逃さない!


 こうして旅は順調に進み、予定通り朝には領都に着いた。


 私達は姿を消して街中を進む、本当に誰にも気付かれない。魔物を連れているのに平気って防御は大丈夫なのか?


(ラヴィリス様の隠蔽に気付く人間はいないと思いますよ)


 あら?そう?褒められると嬉しいわ。そして、難なく屋敷まで着いてしまった。

 とりあえず狼さんは私の影に入ってもらいアイネちゃんのところに行く。おや?中庭で課題の調薬をやっている、さすが「真面目」のスキル持ちですね。

「アイネちゃん、ただいま帰りました」

「ラヴィリス様!?えっ!えっ?早すぎません?片道で3日かかるのに4日で帰ってくるなんて」

 んっ?そうかな?

 ドサッ、

 リマさんが手に持っていたバスケットを落とした。

 ありっ?なんで私のベッドを持ち歩いているの?中には私の服を着たぬいぐるみがいた。


 いったい私が居ない間に何があったのだろうか?


「おかえりなさいませ、ラヴィリス様」

 何事もなかったように挨拶する。

「たっ、ただいま帰りました」


 何も見なかったことにしましょう。


 そうだ、まずは皆に狼さんを紹介しなくてはいけない。

「アイネちゃん、実はあなたの後輩にあたる子ができました」

「えっ、まさかもう弟弟子ですか!?」

 弟子?何を言ってるんだこの子は?


「ハッハッハッ、ワウッ!!」

 私の小さな影から顔だけ出した狼さんが挨拶する。

「「まっ魔狼!?」」

 そういえば、この子達は狼に襲われてたんだった。もしかしてトラウマになってる?


「ほっ!弟子というわけじゃないんですね」

 勘違いせっかちさんのアイネちゃんが安堵している。

 一方のリマさんは実際に怪我を負わされてる、恐る恐る顔を見ると、すると顔を歪めて鼻をつまんでいる。

 んっ?鼻?


「くっ!臭い、すごい獣臭がします!!」

 あり?臭いかな?

「ラヴィリス様も!早く洗いましょう!!」

 私達は有無を言わせず洗い場に連れてかれた。


 アイネちゃんは有無を言わせず置いてけぼりにされていた。

 アイネちゃんがリマさんのご主人様だよね?


 こうもふわふわモフモフになるなんて想像できなかった。しかも首輪までつけられ完全なる飼い犬になってしまった。触り心地なんてふわふわで最高だ!


 でもなんでだろう?駄メイド共がゾロゾロやってきて私の湯浴みを覗いている。

 ここのメイドは変態ばかりなのか?


「あら、ドレスが小さい?体が大きくなってます?」

 マジですか!?早速物差しで測ってみる。

「21cm・・・ですね」

 やった!6cmも伸びた!

「・・・食事制限をしなくては・・・これ以上大きくしてはいけない・・・」

 リマさんが、何やら怖いことをぶつぶつ言っている。


 モフモフの狼さんに乗ってアイネちゃんの下に戻る。

「すいません、お待たせしました」

「うっわ!すっごいふわふわですね!」

 アイネちゃんがモフモフすると喜ぶ狼さん、尻尾が高速で左右している。

「さてと、いつまでも狼さんじゃいけないから名前を決めなくてはね」

 自覚しているが私にはネーミングセンスがない!私がつけるとするとポチかコロしか思いつかない、なんと言っても鏡にカガミンと名付けた女だしね。

「そうですね、白くてふわふわなので「わたお」とかどうですか?」

 おい!あんたもセンスないのかい!狼さんがめちゃくちゃ嫌そうな顔してるよ!

「そうですね、「マキシム」なんてどうでしょう?昔話の英雄が持っていた白銀の聖剣の名前です」

 リマさん優秀!狼さんも嬉しそうだよ!

「よし!決まり!今日から君はマキシムだ!これからよろしくね!」

(影狼マキシムですね、登録しておきます)

 よろしくカガミン!!


 その後、アイネちゃんが作ったヒールウォーターを鑑定する。成功率は60%くらいですかね、とても優秀じゃないですか?これならホランドさんに薬鉢を買ってもらうようにおねだりしても良いかもしれない。


 あっ!その前に

「厨房に行きたいのでマキシムはここでアイネちゃんと待ってて下さい、リマさんお願いします」

 そう言うと私はリマさんのポッケにインする。

「はい!参りましょう!」

 上機嫌なリマさんが鼻歌を口ずさんでいる。


 厨房に着くと料理長さんが歓迎してくれた、滋養薬を作った時に食材を沢山貰ったので、そのお返しを渡したかったのだ。

「あの、猪はこちらでは食べられるのかしら?」

「いいですね、猪肉は美味しいですよね」

料理長さんがニコニコして応えてくれる、これなら喜んでくれそうだ。


「沢山狩ってきたから貰って欲しいのですが」

 そう言うとカガミンから丸ごとのファングボアの死体を5体全部取り出した。

 小さい鏡から大きな猪を出してみんなびっくりしてたよ。

・・・え?違う?



 厨房は巨大な猪が出現して阿鼻叫喚の悲鳴と怒号の大パニックになりました。


 ごめんなさい。




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