32. 異世界148日目 のみの市の成果
今日は6月30日とのみの市が行われる日なのでいろいろと見て回る予定だ。あのあとも2回のみの市があったので二人で見て回り、いくつかいいものは手に入れている。手に入れた装備品のそれぞれの購入金額は1000ドール、50ドール、1500ドールとかなり安く手に入ったものだ。
鉄の短剣はかなり汚れていて鉄の剣と同じように1本1000ドール均一で売られていたものである。それほどひどく錆びたりはしていなかったんだが、売られているときの表示は低レベルとなっていたので鍛冶屋に出して磨いてもらった。
名称:鉄の短剣(高)
詳細:鉄を鍛えて製作された短剣。
品質:高
耐久性:高
効果:高
効力:強度向上
力のネックレスはアクセサリー関係がいっぱいある中で偶然見つけたものだ。ほとんどがおもちゃのようなものだったんだが、付与がつけられていたので見つけたものだ。つけるだけで筋力が向上するのでありがたい。
名称:力のネックレス(高)
詳細:銅製のネックレス。
品質:高
耐久性:並
効果:高
効力:筋力向上
指輪は宝石もついていないもので、銀製の安物と判断されていたようで、効果についてもわかっていなかった。魔法の威力が上がるのは試してみたところ、大幅な威力上昇ではないが、間違いなく威力は上がっていた。水魔法で出てくる水の量が1割ほど増えていたからね。
名称:魔術の指輪(並)
詳細:銀製の指輪。
品質:並
耐久性:並
効果:並
効力:魔力強化
鑑定が一般的でないこの世界では装備品の判断はかなり難しい。鍛冶、調合、錬金、付与、商人の熟練者が装備品などのアイテムのみ鑑定に近い能力を得ることはわかっている。
鑑定の魔道具でわかるのも装備品の名前(付与の機能は示されない)とレベル(低、並、高、良、優、特)と商品の説明のみで、あとは付与されている文様から効果を判断するというのが一般的なようだ。もちろん複数の効果が付与されたものについては価格が高くなる。
ただ壊れていたり、整備されていなかったりすると従来の性能が表示されないため。鑑定でもちゃんと出ないことがあるようだ。通常の鑑定持ちとの差だね。
なんで鍛冶屋とか商店に持ち込んで売らないのかが不思議だったんだが、買い取りの際には最初に鑑定料を取られるのがネックになるらしい。いいものだったら鑑定代を払ってもいいんだが、変なものだったら鑑定代の方が高いこともあるため、鑑定をせずにそのまま売ることも多いようだ。鑑定代はものにも寄るが100~1000ドールほどかかるようだ。
あとちゃんと手入れされていなかったり、壊れていたりすると高品質のものでも低レベルで表示されているのも罠だな。
売ったらそれなりの値段にはなると思うが、まずは自分たちが使えるものは使うことにしているので転売までは行っていない。触らなくて鑑定ができるようになったらもっと楽になるんだけどね。まああまりに露骨にやり過ぎるのもやばそうだけど。
さすがに防具関係もかなり傷んできていたので買い換えることにした。さすがに防具の劣化もひどくなってきて限界だったこともあり、下取りはできなかったのはしょうが無い。まあもともと最低限の装備だったからね。
中古品だと安くはなるんだが、サイズの調整ができないものもあるし、結局は長く使わなければならないことを考えて新品を購入している。買ったのは全部並レベルのものである。さすがに今の段階で低レベルのは今更だ。素材も革製品に変えたのでランク的には2段階アップである。
革の胸当て(並)=15000ドール
革の籠手(並)=12000ドール×2
革のブーツ(並)=12000ドール×2
革の帽子(並)=12000ドール×2
革の胸当て(並)=15000ドール
鉄の小盾(並)=21000ドール
ズボンやシャツはさすがに買い換えていかなければならない消耗品だ。改めて買ったものを考えると全部で12万5千ドールと結構な金額となってしまっていた。必要な投資なので割り切るしかなかった。ここでケチって死んでしまってはどうしようもないからね。
宿を出てから二人でのみの市を見て回る。まだ触らないと鑑定はできないので面倒だが、気になるアイテムは触って鑑定していく。
アクセサリー関係はもちろん高いんだが、まとめておいているものの中に掘り出し物があることが多い。もちろん逆に価値がないのに高い値段がつけられているものもある。
今回はジェンも鑑定レベル2となったのでいろいろと見て回ったんだが、まあそうそういっぱい掘り出し物があるわけではない。今回手に入れたのは魔術の指輪で1万5千ドールとさすがに高かったがそれ以上の価値と思っている。普通の魔術の杖でも1万ドールするからね。
名称:魔術の指輪(高)
詳細:銀製の指輪。
品質:高
耐久性:高
効果:高
効力:魔力強化、治癒力強化
どうやら指輪としての価値しか見ていなかったみたいでこの値段での放出となったようだ。銀製の指輪としたらこの値段は高いからね。売った本人はおそらくもうけたと思っているだろう。ちゃんと鑑定して売ったら10倍くらいの値段になりそうな気もする。
もちろん掘り出し物を探すのが目的だが、別に必死になって探したわけでもなく、いろいろと買い物をしたり買い食いしたりと、楽しみながら見て回ったので別に気疲れするわけではない。せっかくの休日なので楽しんで回らないとね。
まあ収入もそこそこあるので余裕も出てきているのかもしれない。お金がなかったら、おそらく必死に転売できるものを探しているだろう。
あとはやっはり女の子と一緒にいるというのはテンションも上がるよね。別に彼女というわけでなくてもそれがかわいい女の子となれば余計にだ。
このほか普通のアクセサリー関係で50~500ドールで売られているもので価値のありそうなものは購入している。アクセサリーに絞ったのは荷物がかさばるからである。さすがに絵画とか美術品などは目立ちすぎるし、運ぶのが大変すぎる。
まあそれ以前に真贋を判断しやすいというのもある。絵画とか美術品に関しては誰のものが有名なのかもよくわからないし、鑑定をしてもわかりにくいのだ。○○の作品と出ていてもその人が有名なのかどのくらい価値があるのかわからないからね。
何回か○○の作品と言われたものを見てみたが、描いた人は別の人だったので偽物だろうと判断した。まあ有名な作家を確認しておいてその人の作品があったら買ってもいいんだが、普通はどうやって真贋を判断するのかわからない。魔道具でもあるのかねえ?本物でも鑑定したら本物と判断されなかったらもったいなさ過ぎる。
アクセサリーには鉄のアクセサリーと判断されている銀製品や、なぜか表面に細工をしてわからなくなっている金製品、おもちゃと思われている宝石などそれなりに価値のあるものが混じっているのである。
自分一人だとちょっと怪しく思われるが、ジェンと一緒に選ぶふりをしてみるとそこまで変に思われないのもありがたい。
気になるものがあったら「これいいわね?買ってくれる?」とか「これ良さそうだけど、買ってあげようか?」という感じで買い取っている。
今日手に入れたものを含めて装備の内容的には上階位に相当する内容みたいである。素材にもよるが、並階位で低~並レベル、上階位で並~高レベルらしい。良階位でやっと良レベルの装備品を手に入れ出す人が出てくるくらいのようだ。
このため装備品についてはあまり人には話さないようにしている。鍛冶屋には手入れに出さざるを得ないが、鍛冶屋は装備内容を他の人に言わないのが大前提みたいなので大丈夫だろう。店の信用に関わってくるだろうからね。
今までに手に入れていたアクセサリー関係についてはカサス商会に買い取ってもらった。全部で23個あって仕入れ額は5000ドールくらいだったんだが、買い取り価格は2万ドールほどになったのでかなりのもうけと言っていいだろう。
今のところジェンとの関係はいい感じだと思っている。時々意見が合わなくてけんかすることもあるが、翌朝にはお互いに謝るようにしている。これは最初にけんかしても長引かないようにお互いに反省して翌日には仲直りできるようにしようと決めていたことがうまくいっているのかもしれない。けんかしたまま狩りに行っても死ぬだけだしね。
男女の仲というわけではなく、わかり合ったパーティーメンバーというか友人というかという感じだ。せっかくの同郷の仲なので、このままいい関係が続いていけばいいなと思っている。向こうもそう思ってくれているとうれしい。
~装備~
ジュンイチの装備:
鉄の剣(高)、鉄の短剣(良)、鉄の短剣(高)、厚手のシャツ(並)、厚手のパンツ(並)、革の胸当て(並)、革の籠手(並)、革のブーツ(並)、革の帽子(並)、力のネックレス(高)、魔術の指輪(並)
ジェニファーの装備:
鉄の短剣(良)、厚手のシャツ(並)、厚手のパンツ(並)、革の胸当て(並)、革の籠手(並)、鉄の小盾(並)、革のブーツ(並)、革の帽子(並)、魔術の指輪(高)




