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【完結】10日間の異世界旅行~帰れなくなった二人の異世界冒険譚~  作者: ばいむ
第二部 異世界の争い

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201. 異世界1290日目 未発見の遺跡を発見

「いろいろあって追い出されたけど、まあ治療が間に合ったから良かったかな?まあ、言いたいことは一杯あるけど、この国の貴族の横暴を考えるとまあしょうが無いかなあ。納得できたわけじゃないけどね。」


「そうね。子供達が助かったとわかったら誤解も解けるでしょ。まあ貴族がやったことは帳消しにはならないけど、悪意はなくなると信じたいわ。」


「だけど、ペンダントを首に提げていたのは不注意だったなあ。途中で貴族と気付かれたときにしまっておいたらこんなことにはならなかったのにね。」


「仕方が無いわよ。治療の方に集中していて、後でといいながらすっかり忘れていたんだもん。防具を脱いだから見えていたことに気がつかなかったしね。」


 何か見返りを求めてやってことじゃないけど、少しくらいは感謝くらいはしてほしかったなあ。まああんなことがあったあとだから町の人達の気持ちもわからんでもないんだけどね。



 町を出てから少し走ったところで拠点を出して休憩を取ることにした。さすがに徹夜なうえ、精神的にかなり疲れているのでこのまま走ると危ないと思ったからだ。2時間ほどの仮眠をとってからもう少し走り、今日は早めに拠点を出して寝ることにした。




 このあともう一つの町を越えると道路がなくなったのでここで車を収納してから走って行くことになった。久々の歩いての移動だなあ。

 どちらかというと岩場の多いサバンナという感じなのでまだ走りやすいのが救いだ。地球の四駆とかだったら走って行けそうなところなんだけど、さすがにこっちの車で無理するのは厳しい。

 このあたりについて一から開発してもらうかなあ?でも単純に4つのタイヤが動くだけじゃなくて回転数とか調整する機構も必要だし、その機構を説明するのがちょっとやっかいなんだよなあ。さすがに自作は無理だろうしね。


「ジェン、久しぶりの走っての長距離移動だけど大丈夫?」


「ええ、収納魔法があるからバッグを背負って走っていたときに比べると大分楽だわ。装備も体にちゃんと合わせたものだから動くのにも邪魔にならないからね。」


 以前はバッグを背負って走っていたことから考えるとかなり楽なのは確かだ。武器も収納しているから邪魔にはならないしね。


「夜はさすがに交代で見張りをしないといけないと思うから早めに拠点を出して休むことにするよ。魔獣も結構いるみたいだからね。」


「わかったわ。」


 ちなみに飛翔魔法は結構早く移動できるようにはなっているんだが、長時間の移動の場合は速度的には走るのと変わらないことと、精神的にかなり疲労するため、移動手段として連続して使うのは厳しいという状態だ。なので障害物を越えたり、何かあったときに使う程度にしている。

 魔道具を補助に使うとそれなりには使えるけど、魔獣石の消費の問題も出てくるし、飛んでの移動は空を飛ぶ魔獣の標的になりやすいので危ないというのもある。飛んでいるときはさすがに索敵範囲を絞らないと無理なので、いきなり襲われてしまう危険性も高いのである。

 これでも結構訓練したんだけどなかなか思うようにはならない。小説みたいに自由に飛び回るというのは諦めた方がいいだろうな。まあ他の人に見られても結構まずいことになりかねないしね。



 このあたりは冒険者もあまり来ないようなので魔獣の数が結構多い。目的は狩りではないのでできるだけ魔獣との遭遇は避けながら進んでいく。今のところ上階位くらいまでしか見かけないが、もっと西に行ったら良階位の魔獣とかも出てきそうだなあ。


 途中で拠点に泊まりながら西へと進むが、予想通り途中から良階位の魔獣も見かけるようになってきた。さすがにこうなってくると拠点で安らかに眠るというわけにもいかないので交代で寝ることになってしまった。

 このため5時には拠点を出す場所を決めて夕食をとり、6時からは交代で眠ることになった。早めに休憩を取るので3時間ずつは眠ることができるので疲労はそれほど無い。


 車が使えなくなってから4日目にやっと目的の地域までやってきた。ちょっとずつ標高が高くなってきていて、岩場が多くなってきている。また遺跡がなくなっているということが無いことを願うよ。


 やっと目的の場所にやってきたが何もなかった。何もなかったと言うよりは、目的の場所は地面の下だった。これは埋もれてしまったんだろうか?それとも地下に造られていたのだろうか?おなかもすいたのでサンドイッチで簡単に昼食を済ませてから探索に取りかかる。



 地面を探索をすると、ここも岩盤のように固いものがあるみたいだ。


「例の島で地面を探索したときと感覚が似ているね。」


「そうね。ここも地下に結構なエリアの施設が広がっているのかな?島のように今も設備が使える感じだったらいいのになあ。」


 地面の探索をしながら調査していると、高台の一部が壊れているところがあった。


「これって遺跡の一部が崩れたのかな?かなりの広さみたいだけど、高さも50キヤルドくらいあるよね。結構な広さの空洞だったということかな?」


「島の遺跡の時にもあった大きな空洞と一緒かな?草とかも生えているので崩壊したのはかなり前だと思うけど、とりあえず見てみるしかないわね。」


 飛翔魔法で下まで降りてみるが、下の部分はがれきに埋もれてしまっていてぱっと見では遺跡があるようには見えない。ただ壊れていると言うことは魔力が維持できていなかったと言うことなのだろうか?


「遺跡があるかはがれきを除かないとよくわからないけど、崖の一部を見る限りは遺跡だった感じだよね?かなり風化しているけど模様のようなものも見えるし。」


「うん、でもがれきの量を考えたらかなり時間がかかりそうだから、今の時間を考えると先に拠点を決めた方がいいんじゃない?」


 崖の近くはさすがに怖いので、崩壊したがれきをある程度片付けたホールの中心あたりに拠点を出す。拠点を出した後は、拠点の周りのがれきを一定区間空けてから積み重ねて壁のようにしておく。収納魔法と重量軽減魔法があると思ったよりも楽に動かすことができた。壁はかなりの厚さになるのでこれだけでも十分に魔獣を防ぐことができると思う。壁の高さも3キヤルドくらいにしたからね。


 場所が確保できたところで広範囲に探索して魔獣がいないかを確認すると、良階位までの魔獣がいるみたいだ。このあたりは魔素が薄いのか来る途中よりは魔獣の階位が低いような感じがするね。


「とりあえず探索に引っかかる魔獣は倒しておいた方がいいだろうね。良階位の魔獣だけは先に二人で倒して、そのあとは手分けして魔獣を狩っていこう。」


「もう訓練という前提でなくて魔法主体でいいんだよね?」


「うん、今は時間や安全を重視した方がいいからね。素材はできるだけ確保した方がいいけど、無理はしなくていいからね。」


 良階位の魔物は蹴兎だけだったのでまだよかった。そのあとは手分けして魔獣を狩っていく。とりあえず拠点を建てたところから索敵に引っかかる魔獣はすべて倒しておいた。

 あとはどのくらいの周期でどの程度の魔獣が湧いてくるかだな。上階位レベルであれば拠点の魔獣よけで大丈夫だけど、良階位が湧くようだったら気をつけなければならない。

 まあ拠点がある上、かなり頑丈に壁も造ったので良階位の魔獣でもすぐに襲われてやられることは無いとは思うんだけどね。


 一通りの準備が終わったところで拠点に入り、夕食をとる。大丈夫とは思うんだが、安心はできないので交代で寝ることにした。遺跡の調査にはかなり時間がかかりそうなのである程度問題ないとわかればちゃんと睡眠をとるようにした方がいいかもしれないね。


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