表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
217/290

197. 異世界1253日目 遺跡の調査

 途中の町は素通りして北上し、翌日の朝早い時間に遺跡の近くまでやってきた。途中からはちゃんとした道はなくなったがなんとか車で走れるレベルだったので良かったよ。

 遺跡はあるんだが、遺跡の監視をしている訳ではないみたいで誰もいないようだ。ほんと、わざわざ許可証は必要なかったみたいだね。


 結構な広さの遺跡のようだが、建物はほとんどが崩れ落ちてしまっている。すでに使える物資などは回収されているようなのでここはもう考古学的な価値しかないのだろう。


「とりあえず一通り遺跡を見て回ろうかと思ってるけど、まずは魔獣退治が先かな?」


 さすがに放置されているせいか良階位までの魔獣がいるみたいなので注意しなければならない。


「確かにそうね。近くに何匹か良階位の魔獣もいるからそれを優先して倒したほうがいいわね。上階位だったら一人でもいいけど、良階位は二人で対応した方がいいわ。」


 まずは調査ではなく、遺跡付近の魔獣退治を行う。結構な広さがあるので大変だが、先に倒しておかないとゆっくり調査もできないからね。



 近くにいた良階位の魔獣は初めて遭遇する巨魔鹿と何度も倒したことのある蹴兎だった。巨魔鹿は初めてだが、白鹿を倒したことがあるので戦い方は似たようなものだろう。毒を持っていないのでその点はまだ楽なのかもしれない。


 遠くから風魔法を打ち込んだんだが、簡単には体に傷が入らない。遺跡の建物があるので速度が出せないみたいで最も恐れられる突進の威力が弱いのが救いだ。水盾と風盾でも十分牽制できていい感じだ。土の盾を出すまでもないな。このあとは二人で囲んで少しずつ首筋に攻撃を加えていく。

 良階位になると雷魔法を使っても動きは止まらないものも多いので、地道に攻撃していくしかない。白鹿よりも角の攻撃が鋭いのが怖いが、落ち着いて対処すれば盾で防ぐことができるので大丈夫だ。複数いると厳しそうだけどね。最後は首を切り落としてなんとか討伐。


 蹴兎は動きがかなり素早いので結構大変だが、動きが直線的なのが救いだ。相手が蹴り攻撃してくるタイミングでその軌道に剣を出すとうまく切りつけられるのである。最初の頃はこの動きが読めなくて苦労したけどね。

 ただ素早いために買い取り対象の毛皮が傷だらけになって価値がほとんど無くなってしまうのが悲しいところだ。このため傷がほとんど無い毛皮の買取額はかなり高くなっている。蹴兎は自動解体ができるのでその場で処理をするが、巨魔鹿は後で解体することにした。


 他にも並~上階位の魔獣も結構いるので結局この日は魔獣討伐だけで終わってしまった。良階位の魔獣は上階位の魔獣が進化した感じみたいなのでいったん討伐してしまえば良階位の魔獣は出てきそうにない。

 この日は遺跡の中にあるスペースに拠点を出して泊まることにした。食事もとって早めに眠りに落ちる。特に魔獣がやってくることはなかったので朝まで無事に眠ることができた。




 翌日から遺跡の調査を開始するが、特に目新しいものは見つからない。いくつかの文字があるが、単なる案内みたいなのでそこまで重要な感じはしない。教会のような建物には壁画があったようだが、建物が崩壊しているのでほとんどわからない状態だ。

 町の地図らしき案内があったので確認してみると、町の北西の方に少し離れた設備があるみたいだった。せっかくなのでそっちに足を伸ばしてみると、大きな建物があったが、中には特に気になるようなものはない。ただこの建物と町の間には一定おきに台座があったので運搬用のレールとかでもあったのだろうか?


「町の中ではできないものをここで作って運んでいたのかねえ?」


「途中一定おきに台座があったから、なにかを運ぶか送るかしていたかもしれないけど、台座部分しかないからよくわからないわね。レールでも敷いていたのかしら?」


「そうなんだよね。建物もほとんどが崩れているし、加工できるものは取り外された後だから正直どんなものがあったのか判断するのが難しいんだよね。やっぱりちゃんと調査するには未発見のところにいかないと難しそうだなあ。撤去前の写真とかも残っていないからね。」


 結局この遺跡で5日ほど調査をして終了することにした。ほとんど収穫がなかったのが残念だ。まあ見つかってかなり経っている遺跡だから新たな収穫もないだろうね。



~魔獣紹介~

巨魔鹿:

良階位中位の魔獣。暖かい地域の森や草原に生息している鹿の形態をした魔獣。体の大きさは2~3キヤルドあり、頭には500ヤルドくらいのまっすぐな角が2本生えている。

獲物を見つけたときの突進力は強力で、トップスピードからの突撃はかなりの実力を持った盾職しか止めることはできないと言われるほど強力。草原で遭遇した際にはまずは突進への対応が必要で、角に串刺しにされることもある。

近距離からの突進と角を使った攻撃をしてくる。特に弱点はないため、倒すには持久戦を覚悟した方がいいだろう。

素材としての買い取り対象で最も高価なのは角となるが、折れてしまうと価値が下がるため、できるだけ原形をとどめた状態が喜ばれる。素材は武器に加工されたり、工芸品として加工される。毛皮や肉の人気も高い。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ