日常は過去の夢
君もいつか知ることになるかもしれない
知らない誰かが初めに、大きな声で叫んだ
僕たちはただ日常を生きていただけだ
世間からずれていたとしても、まっとうに生活できていた
つまはじき者たちが集まって精一杯生きていた
周りの人達も次第に慣れていった
自分たちと少し違うだけで、共存できない関係などではないと知っていた
彼らは普通に生きていた
それぞれの差異を抱えながら、それでも彼らは幸せだった
当然のように今を生き、当然のように明日を思う
それは決して、世間から外れた行為ではなかった
しかし、転機はいつも唐突にやってくる
それは、日常の中の一部に過ぎなかったはずだった
その日は雨が降っていた
雨というのは不思議なもので、人々を不安にさせることもある
街中に人影はほとんどなく、そこに日頃の賑わいを感じることはない
とある商隊が立ち寄った
その商隊は何も特別なところはなく、その町にたまたまやってきただけだった
それはあくまで偶然で、どこにも意思などなかった
商隊は宿屋の扉をたたいた
しばらくして扉が開いた
商隊はその姿に驚き、走り出した
その日から、日常は非日常へと成り代わった