表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
空の鏡と聖上の恋人  作者: 朝比奈 呈
16/61

16話・教えてあげる


「お腹空いたね。今日の晩ごはんは何かなぁ?」

「いま食べたばかりではないか?」

「今のお菓子は別腹だもん。食べたうちに入らないよ」

「おかしな奴だ」



 友尊が笑う。讃良も笑った。リビングに下りると母と真部さんは出かけるようだ。


「私たちは買い物に行って来るわ。お留守番お願いね。讃良ちゃん。友尊さん、汗かいたでしょう? 先にシャワー浴びたら? 着がえは脱衣所にあるから」


 機嫌よく出かけていった母を見送って、讃良は友尊を振り返った。


「シャワーの使い方って分からないわよね? 教えてあげる。こっちよ」


 浴室に友尊を連れて行くと、さっそく讃良は説明をした。


「ここの蛇口を捻ると、シャワーヘッドからお湯が出るわ。温度は設定しておくわね。これでボディタオルを湿らせて、このボディソープをつけて泡立てるの。こうして洗うのよ」

 


 讃良が自分の手を泡立てたタオルで擦って見せる横でおおっ。と、声が上がった。


「うわあ。これはすごい。お湯が出たっ。どのような仕組みになってるのか?」


 讃良から説明を受けたシャワーヘッドを上向きにして、ノズルを捻った友尊はヘッドから勢い良く飛び出した湯を、頭からもろ被りながらヘッドを眺める。

 彼のとった行動により飛び散った水滴を浴びるはめになった讃良は、友尊からシャワーヘッドを慌てて取り上げようとした。



「何やってるのよ。反対よ。反対。向きが反対よ。下に向けて」

「ああ。こうか? 止めるにはどうしたらいい?」

「さっきとは反対側にノズルを(ひね)るのよ。あと頭を洗うのはよく濡らして、シャンプー液を髪につけて、さっきみたいに泡立てて洗ってね。その後はリンスして……」


 友尊の視線が一点で止まっていた。その視線の先を手繰って讃良は赤面した。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ