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異世界黙示録〜ISEKAI OF THE DEAD〜  作者: might
World Gone Bye
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第一話 歩見征司の生涯と異世界転生

 初めてお話を書いて投稿してみました。文章の書き方、表現方法などまったく知らずに書いてみたので、アドバイス頂けると嬉しいです。

 子供のころは一人で遊ぶことが多かった。広めの家で暮らしていたこともあり、敷地内の土蔵が僕の遊び場だった。詳しいことは覚えていないが、土蔵の地面に絵を一生懸命描いていたのだけは覚えている。


 大学生になり、特にやりたいこともなく、なんとなく大学に入り、人並みにキャンパスライフを満喫して、人並みに社会人になり、死んでいく。そうなると思った。それでいいとも思った。この世界は平凡なのだから。


 子供のころに夢見た魔法や超能力は存在せず、自分はヒーローになることも、勇者になることもない。自分はこの世界の主人公じゃない。これが大人になってわかる世界の真実だ。誰しもが通る子供時代との決別。この決別をもって人は社会の歯車となり、歯車なりの幸せを探して一生を終えていく。


 どうしてこんな理想も夢もない人生について語っているかというと、僕、すなわち歩見征司は今ちょうど死んでいくからだ。世間では死ぬ間際に走馬燈がみえるというが、これがそれなのだろう。歩行者である僕に気づかなかったトラックに体当たりされ、吹っ飛ばされている最中なのだ。吹っ飛ばされている最中、時間はゆっくりと感じられた。だからこそ、自分の人生を振り返れた。我ながら何にもない人生だと思った。これは後悔なのだろうか。


「もっと生きたかった」


 いや、そんなことはない。家族には申し訳ないとは思うし、見たかったテレビ番組、続きが気になるアニメもあったけど、神様に土下座してまでも生き永らえたいとは思わなかった。多分、子供のころに期待した将来がこの世界にはなかったからだろう。冒険がしたかった。世界を救いたかった。現実の社会では味わえない刺激が欲しかった。それを味わえない世界に見切りをつけてしまったのだろう。だからここで終わっていい。なんの必死さも感情もない走馬燈だけれども、僕の人生はこれで終了だ。




                                      ~完~






 そうならなかった。トラックに吹っ飛ばされて、地面に叩きつけられる瞬間、時間は止まった。僕の身体は宙でとまり、周りの景色は真っ暗になる。停止の状態が体感時間で5秒ほど経ったとき、頭のなかで言葉が浮かんだ。


「術式起動、『星渡り』開始」


 『星渡り』。その言葉が頭の中に浮かんで思い出した。

子供のころ、実家の土蔵で分厚い本を見つけた。その本には様々な言語で、とある魔法陣の書き方が載っていた。読めない言語で書かれているため、幼い僕には難しい本と思い、本をペラペラめくって終わるはずだったその本の最後のページには、ひらがなだけで書き方が載っていた。自分でも読めるページが見つかり、魔法陣の書き方を知り、それをすぐ描き始めた。本には正しく書かなければ意味はなく、何度も挑戦する必要があると書かれており、僕は何度も挑戦した。何が正解で、何が失敗なのかもわからないが、不思議な本を見つけて興奮していた僕には、魔法陣を書くことが楽しくて、時間を忘れて描いた。書いては消してを繰り返していたある日、朝ご飯を食べて土蔵に行き、昨日描いた魔法陣を消して書き直そうと思い土蔵を開けたら、魔法陣が消えていたことを思い出した。不思議に思ったが、家族の誰かが消したのだと思っていた。しかし、違っていたのだ。消えていたのは恐らく、正確な魔法陣を描くのに成功し、魔法陣が起動したため消えたのだ。

 今ならその魔法陣が何だったのか理解できる。


『世界転移術式‐星渡り‐』


 それは死の際に起動し、別の世界へ転生を果たす術式。


 暗闇の空間に振動が走る。トラックに飛ばされ、時が止まり宙に浮いている状態でも空間が揺れていることがわかる。


「震度いくつだろう」


 そんな考えたところでどうしようもないことが頭に浮かぶが、次の瞬間、視界が明るくなる。唐突な光が周囲を照らし、あまりの眩しさに僕は目を閉じざるを得なくなる。更に追い打ちをかけるように自身が落下しているかのような感覚に襲われる。振動に閃光、落下感。一度に多くの出来事が起き、頭で処理しききれなくなる。


「何がどうなっている!?」


 目の見えない状態でいつまで落下していくのか、感情が疑問から恐怖に変わり始めるが、その恐怖もすぐなくなることとなった。


「っ!?」


僕は落ちた。落ちたといっても何千フィート上空から落ちたわけではなく、ベットから体が落ちたくらいの痛みで済んだ。

 先ほどまでの閃光もなくなり、目を開けるとそこは屋内の一室だった。骨董屋、オカルト部の部室、そんな印象を受ける狭い部屋だった。そして目の前には僕を見て驚く老人がいた。


「おぬし、いったいどこから現れた?」


 恐らく転生術式で移動してきた瞬間を目撃したのだろう。


(どう説明しよう。「違う世界から転生して移動してきました」といって信じてくれるとは思えない。)


 僕が第一声を慎重に選んでいると老人が、


「もしかして空間移動をしてきたのか」


と質問してきた。

この発言には僕も驚く。少なくとも空間移動するという考えに至る概念がこの世界にはあるらしい。老人の言葉に恐怖している様子はない、純粋に驚いているだけのようだ。もし空間移動する者がこの世界で異端扱いされていれば僕は排除されてしまうと思ったがその心配もなさそうなので正直に答えた。


「違う世界から飛ばされてしまったそうです」

 このお話のきっかけは面白いものに面白いものをかけ合せたらさらに面白いのではという雑な発想のもと、僕が好きなゾンビものに異世界転生ものを掛け合わせた話があったら絶対読むのにと思って探してもなかったので自分で作りました。でも、無双するなろう系主人公にしてしまうのはゾンビ物特有の「噛まれたら終わり」の緊張感がなくなってしまうので、本作は中世をイメージしたファンタジー世界で現代より文明レベルが低下したなかでのゾンビパニックものとなっています。もちろんファンタジー特有の魔術や亜人の要素も出していくつもりなので、異世界×ゾンビがどう混ざっていくかを楽しんでいただければ。

 わかりやすく言えばこの作品が目指すのは「異世界でウォーキングデッド」です!!

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