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第四十一話 ディアパニック(3)

第四十一話です。よろしくお願いします。


宣言通り今回も肌色回。

今回は説明も伏線も無い純粋なお楽しみ回状態です。


初感想がありました。ありがとうございます。

PC上で書いてなろうに投稿する形をとっているので、感想等の確認が遅れることが多いと思います。

感想やコメントの返事はできるだけ返そうと思いますが、遅い場合はそのせいだと思って下さい。


勿論、ブックマーク・評価等をしてくれる方にも感謝しますし、読んでくれるだけでも十分ありがたいです。

 零とディアが恥ずかしさと気まずさで沈黙をしている間に、残りの人達は体中を今度こそちゃんと洗っていった。

「……で、では最後に……ボディーソープを……洗い流して下さい。ボディーソープは……これで終わりです」

 何とか復帰したディアが説明を再開する。その際に沈黙する原因となったフィオナを恨めしそうな目で見るのだが、当の本人は全く気にせず流れ落ちる泡に夢中になっているだけであった。

 ディアはその様子を見て、これは無駄だと思って深くため息をついた。

「では、次は頭を洗います。最初に髪をよく()いてから水で洗いながら髪を濡らします。そうしたらシャンプーを手に適量とって両手でこすりあわせて泡を作って下さい」

 全員が髪を濡らし終わった後で、ディアはシャンプーをそれぞれの手に出していく。

 その後で、みんなは言われた通りにシャンプーを泡立てていった。

「次はその泡を髪と髪の生えている地肌の全体につけてから指で地肌ごとゆっくり洗って下さい。爪は立てないで下さいね?」

「そういえば、目についての注意はいいの?」

「大丈夫です。これらは目に入っても害はありませんから」

「何気に凄いね、それ」

 その間にもみんなは両手を頭上で動かし頭を洗っていく。

 その間、元々無頓着な人達ばかりではあるが、当然ながら完全に遮蔽物が無くなり無防備になる。その上、腕を動かす度にそれに同調して胸が揺さぶられるのが目に入ってしまうため、零は全く落ち着く事が出来なかった。

「では、最後にシャンプーを綺麗に全部洗い流して下さい。これでシャンプーは終わりです」

 シャンプーを洗い流し終わると、それぞれが自分の髪や頭を触って確かめていた。

「これだけでも十分スッキリしてるわよ? 他は何に使うのよ?」

「トリートメントが髪にいい物を与えるためのもので、コンディショナーが髪を保護するためのものです」

「それらを使えばもっと良くなる。それは楽しみ」

 全員が期待をふくらませる中で、ディアは説明を続ける。

「では、トリートメントとコンディショナーですが、これは両方ともシャンプーとは違って泡立てないで髪全体にになじませてから洗い流すだけです。でも、必ずシャンプー・トリートメント・コンディショナーの順で使って下さい。意味が無くなってしまいますから」

 ディアの指示通りにトリートメントとコンディショナーを使って頭を洗っていく。

 そして、洗い終わった後でそれぞれが再び髪を触って先ほどの状態と比べていった。

「おぉ~、ぜんぜん違うねぇ~」

「ホントだ、これは凄いじゃないのさ!」

 洗い終わった後でそれぞれが再び髪を触って先ほどの状態と比べていったのだが、その時の自分の髪をいじりながらうっとりと悦ぶ姿は妙に色気があり、零の心拍数は上ったままであった。

「でも、これだけ凄いのにディアちゃんが居ないと使えないのよね?」

「サラサラなのも今日だけなのね……」

 髪の状態を確認した後、ボディーソープやシャンプー等はディアの持ち物だということを思い出して非常に残念がっていた。

「大丈夫ですよ。もう、レイが作れる筈です。問題は無いですよね?」

「ちょっと待って…………うん、出来るみたい。後で作るよ」

 零が作れると分かってクローシェ達は大いに喜ぶ。ある意味一番喜んでいるのは遊び道具が増えたフィオナであった。

「私にも作って。向こうで使いたい」

 ウィルスで取り込んだ物の容量もこのセットを2セット作るぐらいなら十分余裕があるので、零はアビーの申し出に(こころよ)く了承した。


 入浴後、零は髪をタオルで挟みこむように水気を切りながら、先ほどのボディーソープ等を作っていった。プログラムは自分で動くようなもの以外であれば後は勝手に動いてくれるため楽なものである。

 その間にディアを除いたみんなはスマホのゲームで遊んでいた。もう、既に中毒と言っていいぐらいである。

 零はその光景を見て、もし専用機のゲームを見せたらどうなるんだろうなどと考えていた。

 ボディーソープ等を2セット作り終わった頃、枕を取りに行っていたディアが戻ってきた。どうやら枕が変わると眠れないらしい。

 他がパジャマの中、ディアだけはネグリジェに身を包んでいた。

 胸から下は布地で透ける出来てはいるが、内側に丈の短い普通の布地があり下着は見えない。

 だが、脚は十分見えていて、零は内心でかなりドキドキと緊張していた。

「持ってきました。みなさんは……まだ遊んでるようですね」

「お帰り。……本当に一緒に寝るの?」

 零は恥ずかしそうにディアに尋ねた。

「もちろんです、そのために恥ずかしいながらも宣言したんですから! ……お風呂は予定外でしたが。でも、さすがに添い寝をするだけですよ? アビーさんも一緒ですし、その……『そういうこと』はまだ心の準備ができてないので」

 ディアは言いながら恥ずかしくなってきたのか、顔を下にむけて隠していった。

 一方、零の方はディアからは見えない所で安堵の溜息を付いていた。零も見た目はともかく一応思春期の男であり『そういうこと』も興味があるにはあるのだが、いくら好きになった相手でも会って数日で突然と言うのは無理があった。零はどちらかと言えば純情なのだ。


 ディアが戻ってきても暫くそのままゲームで遊ばせてまたもや取り上げるように終わらせた後、少しの雑談を挟んで就寝することになった。

 今回零と一緒に寝るのは前もって言っていたアビーとディアの二人である。

 零に割り当てられた部屋へ三人で入ると、ディアは全体を確認するように、アビーは広い部屋や上質な調度品を珍しく思ってそれぞれ眺め回していた。

「ここが僕の部屋。……と、言っても僕も昨日から使わせて貰ってるんだけど」

「落ち着いたいい部屋ですね」

「広くて立派。こんな部屋で暮らしたい」

「う~ん、僕としては広すぎるんだけどね」

 零の地球での自室は6畳間であるのに対しここは面積で大体5倍、その上で天井も倍近くの高さがある。あまりもの広さに零はどう使おうかとかえって困惑しているのだった。

 一人部屋な筈ではあるが、ベッドは何故か大人が4人ゆったりと眠れる広さはある。別にこれは零が特別な訳ではなく、他の部屋にあるものも同じ大きさの物だ。

「ベッドも大きい」

 アビーはついベッドに飛び込むように身を投げ出し、そのままコロコロと横に転がった。

 そして、仰向けになって止まると上半身を起こし、掛け布団の端を持ち上げながら零に向かって手招きをする。

「レイ、来て」

 その様子を見たディアは、一気に顔を真っ赤にして目を白黒させながらアビーを問い詰める。

「ア……アアア、アビーさん!? いいい、一体何をしてるんですか!!」

 それに対してアビーは首をコテンと傾げながら答える。

「レイを抱きたいから呼んだだけ」

「抱くって、アビーさんはそれが目的で来たんですか!?」

「もちろん」

 それを聞いだディアは拳を握りワナワナと震わせる。

 そこに今度はアビーから声をかけられた。

「そんなに気になるならディアもするといい」

「――――――――私も!?」

 アビーに言われた言葉が衝撃的だったのか、ディアは数秒間の間を置いてようやくなんと言われたのかを理解した。

「い、いえ、私は……その……」

「そう? 抱かないならディアはそのまま寝るといい。私は抱きたい」

「うぅう……」

 ディアは頭を抱えて悩み始める。

 そこへ零が何か言おうと声を掛けてみるが、余程悩んでいるのか反応は帰ってこなかった。

 ディアがたっぷり悩んでいると、アビーは待っていられなくなり零を再び手招きして、零がそれに応えてベッドに向かって歩き出した。

 その時、ディアはたまたま零の方をちらっと見ていて動きに気が付き、慌てて零の前に立ちはだかった。

「レ、レイ!? 何でアビーさんの方に向かってるんですか!?」

「まあ、もう何度かしてるしね。でも、ディア――」

「何度もしてるんですか!?」

 零は続きを言おうと思ったが、それはディアの驚愕の声に遮られてしまう。

 そして、ディアはブツブツと呟いて再び考えこんでしまった。

 零は少しの間待った後、いつ終わるかわからないので再び歩き始める。

 だが、そこでディアが意を決した様に零とアビーに視線を向けた。

「わ……分かりました。アビーさんがレイを抱くと言うなら、私だって抱いちゃいます!」

「ちょっ……ディア!?」

 ディアはそう宣言をすると全身を紅潮させながら(おもむ)ろにネグリジェに手をかけて脱ぎ始め、パンティーだけになり胸を腕で隠した。

 そこでアビーから疑問の声が上がる。

「どうして脱ぐの?」

「え? だって、さっきアビーさんがレイを抱くって言ったんですよね?」

 アビーからの思わぬ言葉にディアは思わず聞き返した。

「そう、レイを抱いたまま眠る。だから今から着替える必要はない」

 そこまで聞いて、ディアはようやく自分の勘違いに気がついた。

 抱くというのは別に『そういうこと』をするのではなく、単に零を抱きまくらにするだけ。

 つまり零達にとってディアは無意味に脱ぎ出したことになる訳で――。

「ひゃわぁぁぁぁぁぁあああぁぁぁぁぁあぁぁぁっ!!」

 そこまで思い至ったディアは、泣きそうになりながら急いでネグリジェを着直すのだった。


 その後、三人はベッドに入って寝るのだが、ディアは先程の失態を思い出した為、零は何気に初めて女子に挟まれながら寝始める為になかなか眠りにつくことは出来なかった。

ここまで読んでいただき、ありがとうございます。


浴場での続き。

前話のボディーソープも含めてそうですが、美容に気をつけている人は方法や順番には十分注意して下さい。

順番は頭を洗うより体を洗うほうが先。洗髪も作中通りじゃないとトリートメント・コンディショナーを洗い流してしまったり、トリートメントが髪に付かない等が起こってしまいます。


眠る前の一幕。

アビーの口数が少ないために起こった誤解です。

ディアは結構いじりやすいですね。最初はここまでいじるキャラのつもりは無かったのですが。

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