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戻れる方法
「じゃあ、そのメッセージを教えてくれよ」
僕がメッセに言った。
「君たちが、元の世界に戻るためには、この学校で1日、正確には日の出の時間まで学校で過ごしてもらう必要がある。でも、生き残れたらの話。もしも生き残れなかった時には、この世界から存在が消える」
「存在が消える?」
僕がメッセに聞き返す。
「ここにいる人以外、誰一人としてその人が居たという記憶は残らない。残っているのは、もとから居なかったという話だけ。そういうことさ」
それがメッセが言いたかったことのようで、言い終わると徐々に姿が薄れているようだ。
「さて、君たちは無事に生き残れるかな?」
高笑いを残して、メッセは消えた。
僕たちは、彼が言っている意味が分からなかったが、前見たパソコンの画面と併せて考えてみたら、すぐに答えにたどり着いた。
「…自分自身と戦えってことか」
僕たちがその結論に達した時、パタパタと誰かが足早に近寄ってくる足音が聞こえた。