2.「闇を光で」イスフィール大作戦!!Ⅲ
楽園の薔薇
2.「闇を光で」イスフィール大作戦!!
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「ったくもう…。勝手に調査に行ったりして、何の為の護衛なの~!ずいぶんいい加減だわ。」
イスフィールは1人でぶつぶつ言いながら、ラクリーン家のことを思い出していた。
(えっと…確か、街はずれにある小さな家。で、当主とスズミさん…って、ラクリーン当主の奥さん。1人子供がいて、その人が私と同い年…だっけ?名前が~)
その時、開きっぱなしの引き出しの中から、ひらりと紙が出てきた。
「?なにこれ?」
封筒らしき物。
中の手紙には『イスフィールへ』と書いてあった。
『イスフィールへ
君がエプスタインの子だと分かって、そっちに行ってからもうどれくらいたつのだろう。
僕はラクリーン家の人に拾われて、楽しく過ごしている。
名前も変わって、ラクリーン・トライドになったんだ。
本当の用件はそういうことじゃなくて。
この頃、ある執事の様子がおかしい。
その執事の噂が『夜になると、暗殺活動をおこすらしい』というものなんだ。
薔薇となった君に、その人のことを解決して欲しい。
様子が闇に飲まれた感じと同じなんだ。
遊びに来るついで、とでも思って来てくれないか。
ラクリーン・トライドより
手紙はラクリーンの人からだ。
イスフィールあてということは、さっきの当主とスズミさんの子供だと考えられる。
「ラクリーン・トライド…?って誰?」
答えてくれる人はいない。
「でもこれって、さっきの事件に関係してるんじゃ…。」
そう考えて、一から読み直す。
「うん。きっとそうだ。」
そうして、護衛の2人がいないかと見回した。
なぜかって?
「私、いいこと思いついちゃった!」
―――イスフィールは、こうして1人で行くことを決めたのだった。
なんというか、お茶目?な感じですよね。