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12.イザベラ、初仕事!Ⅳ

楽園の薔薇


12.イザベラ、初仕事!


<4>


リネイアの言葉に、一瞬にして集団が静まる。

最初に声を上げたのは、サラティだった。

「え、でも私達見習いだしっ!ムリですよ!?」

赤毛の青年がそれを聞いて目を丸くする。

サラティはイスフィールに同意を求めてきた。

「イザベラもそう思わない?」

「へ?えっと…まぁ。」

「何で微妙なのよ。リネイアさんも、何でそんなこと…!」

「サラティ、やめようよ…!」

思わずイスフィールは言った。

ここまで言うと、もう先が分からない。

「そうよ、サラティ。落ち着きなさい。」

リネイアの冷静な声が届く。

サラティは不満げな顔をしながら口を閉じた。

「では、フレイル様。お話などはありませんか?」

リネイアが笑顔で聞く。

フレイルとやらは「んー」と唸ってから、こう言った。

「そうだな、まず自己紹介から。」

そして、照れくさそうに笑う。

イスフィールは側仕え少女達の顔が赤くなるのを見た。

たぶん。

「俺はフレイル。北のライガールから来た。」

ライガールは楽園の北にある大きな都市。

北と聞いて、イスフィールはフレイルを凝視した。

まあ、そうしても何も起こらないが。

(薔薇姫様、ご安心ください。彼からは闇を感じません。)

密かに着けていたペンダントから、カリスの意志が久しぶりに伝わってきた。

イスフィールはほっと胸をなで下ろす。

(ですが――どうやら彼の近くに闇はあるようです。)

(カリス、それ本当!?)

(はい。私は嘘を言いません。)

イスフィールはまたイズライールになろうかと本気で思った。

だが、今フレイルについていけるなら問題ないことに気付く。

「俺は強い奴がほしい。この中で一番強い奴を。」

フレイルの言葉に数々のため息が出る中、イスフィールは勝利を確信した。


現役薔薇姫、なめんじゃないわよ!




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