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12.イザベラ、初仕事!Ⅰ

楽園の薔薇


12.イザベラ、初仕事!


<1>


「お、お帰り、イスフィール。」

イスフィールが家に入ると、爽やかなハーブティーの香りに迎えられた。

それとともにユニゾンの声も聞こえる。

「ただいまぁ…。」

「どーした?元気ないね、イスフィール。」

深緑の髪・黒い目のセイレーンがのんきに尋ねた。

レイアースと同じ(というか同じ)な顔は、無邪気で幼く見えるが、ほんとは双子の兄。

いつ見ても信じられないけど(酷!)

「仕方ないじゃない。せっかくの仕事、抜けてきたんだから。」

そう言い返すと、セイレーンはくすっと笑う。

「ずいぶんと気に入ったんだね。」

「当たり前でしょ。で、父様。今日はどしたの?」

1つため息をついて『イスフィールモード』に切り替えたイスフィールは、自らの作ったクッキーをつまんでいるユニゾンに問いかけた。

「え、うーんとだねぇ…。まぁ、座りなさい。」

ユニゾンはなぜか言いよどみ、イスフィール達を座らせる。

どこからかマリーナがやってきて、真っ黒の何かをテーブルの上に置いた。

「イスフィール様っ♪これ、ぜひ食べてくださいね?」

「ちょ、ちょっと待って、マリーナ。これ食用?そもそも何?」

イスフィールの額に冷や汗が浮かんだ。

なんだか、食べてはいけない気がする。

「もちろんクッキーですよ。いつもより上手にできました!」

にこにこと笑って、さも当然のように言うマリーナ。

いつもよりって、いつもはもっとすごいのか?

クッキーに見えなさすぎて、恐ろしい。

「えーっと、マリーナ。占いで出たことを話してくれないか?」

こういう事に慣れていないユニゾンのかわりに、セイレーンが苦笑して言った。

マリーナは自分のではなくユニゾンが作ったクッキーを食べると、ゆるーい表情で話し始める。

「今日、占術で出たんですけど…。」


表情を引き締めた者は、誰1人としていなかった。

皆、マリーナのクッキーに気を取られていて。



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