表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
44/51

11.側仕えの少女Ⅳ

楽園の薔薇


11.側仕えの少女


<4>


「…お前なぁ…。」

一番最初にそういったのは、レイアースだった。

呆れのせいか、深緑の目がさらに濃くなり、黒に近くなっている。

「ほんっと、薔薇姫の自覚ねーな。」

そのしみじみとした言い方に、イスフィールは反論する。

そう言われると思って、ちゃんと対策を考えてきたのだ。

「平気だって!名前変えて髪も結えばいいじゃない!」

「そういう問題じゃねぇよ!薔薇姫は命をねらわれるんだし。」

「名前変えれば分かんないわよ。」

「分かるって!イダとかお前の顔見てんだぞ!?」

マリーナ・ユニゾン・セイレーンを置いて、レイアースとイスフィールの口論はヒートアップ。

「どうせ会わないじゃん。レイアースは心配しすぎ!」

「もしもってことを考えろ。お前は考えなさすぎ!」

「おーい…ねぇ〜。」

セイレーンが途中で口を挟んだ。

レイアースとイスフィールの動きが止まる。

「僕は賛成だけど。」

セイレーンの言葉にレイアースが目をみはって、イスフィールが喜んだ。

「はぁ!?何言ってんの!?」

「やったあ!ありがと、セイレーン。」

それぞれの反応にユニゾンが笑う。

どうして2人の反応はこんなにも面白いのだろうか。

「だって、屋敷の中に入れておくだけじゃ、かわいそうじゃないか。それに、イスフィールにはカリスだっているんだし。」

「そうそう。心配なら見に来ればいいだけだし。」

セイレーンの説得に押され、レイアースは仕方なく了承した。

でも、と付け加える。

「変な奴についていくんじゃねえぞ!何か感じたらカリスに言え。いいな!」

「はいはい。私はそこらの子供じゃないんだから!しかも、何で上から目線なの?」

「どうだっていいだろ。」

「よくない!」


まあいろいろあったが、こうやって『イザベラ』になったのである。

そして約3週間後の、今。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ