表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
41/51

11.側仕えの少女Ⅰ

楽園の薔薇


11.側仕えの少女


<1>


「イザベラー、そこの柱磨いといて!」

「あ、はいっ!」

イザベラと呼ばれた少女は、手早く側にあったぞうきんを絞った。

そして、懸命に伸びをして柱を磨く。

焦げ茶色の長い髪がさらさらと流れた。

ちょうど柱磨きが終わった、その時。

「イザベラっ!早く、人手不足なの〜!こっち来てくれる?」

黒い短髪の少女が来て、イザベラに言う。

返事も聞かずにイザベラの手を取ると、走ってどこかへ。

「待って、サラティ!どこ行くの?」

イザベラが少女に聞く。

さっきの少女は、サラティという名前だ。

サラティが話し始める。

「えっとね、そこで工事してて、いろんな人が働いてるでしょ?」

「うん、知ってる。」

実はサラティ、せっかちだけど急いでる時の説明は省略しない、という変わった個性の持ち主である。

「それで、ご飯作ってあげてるんだって。」

「うん、それも聞いた。」

「そのご飯をできるだけ早く運ぶ仕事をするの。」

「あ、そういうこと。じゃ、早くしないと!行こ、サラティ。」

イザベラは用件が分かったとたんに駆けだした。

しばらく走っていたけれど、急にサラティが立ち止まる。

「イザベラ、お客さんみたいだけど。」

「え、誰?この忙しい時に。」

「…レイアース様だわ…。」

ひょいっと玄関の方をのぞくと、そこには1人の少年が立っていた。

サラティよりもつややかな黒髪に、深緑の目。

「よぉ、イザベラ、サラティ。調子はどうだ?」

イザベラは、群青色の瞳を見開いた。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ