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10.風邪をひいてもⅠ

楽園の薔薇


10.風邪をひいても


<1>


また熱が上がってきた。

「イスフィール様。大丈夫ですか?」

「…ん。」

きっとマリーナだ。

イスフィールは目をつぶったまま考える。

彼女は杖の儀式を抜け出してきたのだろうか。

「あぁ…熱上がってますね…。おとなしくしててくださいね、私は用事があるので。」

そう言うと、マリーナは小走りで部屋を出て行った。

「おとなしく、かぁ…。」

(薔薇姫様…。私も安静にしていた方がいいと思うのですが…。)

カリスの意志が伝わってきた。

少しためらいがちなのは、イスフィールのやりたいことが分かるからだろう。

(わかってる。だから、30分たったら起こして。)

(薔薇姫様ぁ…。)

(よろしくね、カリス。信用してるわ。)

イスフィールはカリスとの会話をシャットダウン。

それに、ここ数日で分かったことだが、カリスは『信用してる』と言われると何も言えなくなってしまうのだ。

ちょっとズルいが、そこは許してほしい。

「早く…レイアースを助けなきゃ…。」

まるで悪者にレイアースが捕まっているような口ぶりだが、かなり違う(念のため…。)

そんなことを考えつつ、イスフィールは眠った。


(まったく薔薇姫様は自覚してるのですか?)

風邪をひいていてもレイアースを助けたい理由。

熱が上がっているのに―分かっているのに―無理をしてまでレイアースの所へ行きたがる理由。

カリスは我が主の心を考え、重いため息をついた。




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