表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
35/51

9.風邪!?なのか?Ⅲ

楽園の薔薇


9.風邪!?なのか?


<3>


そう思った時、イスフィールを頭痛が襲った。

少しふらつき、寝台に手をつく。

「イスフィール、少し寝なさい。風邪引きってこと、忘れちゃだめよ。」

リカティアの手がイスフィールの髪をなでた。

小さい頃も、こんなことがあった気がする。

ラクリーン・トライドとの事件が終わって別れる時、小さい頃の記憶がすべて頭に戻ったのだ。

その記憶の中の1つ。

リカティアやラウディー、ラディアが、いないソフィアの代わりにそばにいた。

昔からのことで、イスフィールは逆らえない。

反抗でもしようものなら、ユニゾン、セイレーンまでやってきてしまう。

「うん…。」

「よし。話は後でしてあげるから。」

もう、体がだるくてよく分からない。

誰かにぽんと頭をなでられ、その心地よさにイスフィールは眠りの世界へ落ちていった。


* * *


夢だ…。

イスフィールは、目の前にいるものを見てそう思った。

薄紫のショートヘア、翡翠の色とうすーい黄緑色のワンピース。

うーん、見事なまでに本人と服がぴったりだ。

…だが、注目すべき点はそこではない。

彼女の背にある、青みがかった鳥のような羽。

「天使…?」

イスフィールが思わず確認すると、彼女は紫色の目を和ませた。

「はい。私はレイディア。薔薇姫ミシディア様にお告げがあってきました。」

(ちょっと待て。いま、ミシディア様って…。これ、お祖母さまなの?)

考えているうちに、レイディアは話し始める。

「あなたは子を4人お産みになります。そのうち、2番目を薔薇姫にしてください。彼女には護衛が1人しかできません。ですから、ほかの3人を守護神にするのです。生まれてすぐの時、白・赤・青の布をそれぞれに見せ、一番反応しない色。それが、彼女たちの属性となるのです。属性の色は、知ってますよね?」

「ええ。その子達の名前は?」

やっとしゃべれた…。

レイディアは、ほっとしたように笑う。

「それは自由でいいですよ。そのうち、守護神から精霊が生まれるでしょう。」

そうしてレイディアは笑顔を浮かべながら消えてしまった。

そのとたん、目の前が真っ暗になる。

「…フィール!イスフィール!」

呼んでる声がして、イスフィールは目を見開いた。

そこにはリカティアの、見知った顔。

「リカティア姉様達は…母様の守護神だったんですね…?」

かすれた声で言うと、リカティアは苦笑を浮かべた。





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ