8.事件解決(?)!Ⅳ
楽園の薔薇
8.事件解決(?)!
<4>
「じゃ、うちの占い師になれば?」
イスフィールの部屋に戻り、マリーナをどうすればいいか、3人で話し合っていた。
マリーナは何でもいいらしく、適当に相づちを打っている。
「エプスタイン家の?それいいね!」
「ま、ここには専属の占い師いねーしな。」
「でしょでしょ?2人とも賛成ね。じゃ、父様に言ってくる!」
そう言うなりイスフィールは走ってユニゾンの部屋に行く。
残された3人のうち、1人が首を傾げた。
「…結局、私はどうなるんですかー?」
脱力。
「マリーナ…。」
「お前、話聞いてなかったのかよ…。」
と、その時。
…ミシッ……
「ん?」
音に敏感になってしまったセイレーンが立ち上がる。
「どうした?」
レイアースが聞くのと同時に、イスフィールの悲鳴が。
護衛2人と占い師候補がいっせいにイスフィールの方へ向かった。
「あらぁ…壊れてますね。」
「「……」」
目の前の光景は、レイアース達にとってものすごーく久しぶりである。
そこには、壊れた扉と腰を抜かしてるイスフィール。
少し遅れて、ユニゾンが走ってきた。
「おぉ…ここも風通しがよくなるね。」
と、苦笑しながら言う。
遠慮がちにマリーナが口を開いた。
「私、直せますよ。……ほら。」
もう『ほら』といった時には元通り。
イスフィールと護衛は驚きでものが言えない。
ユニゾン以外、だ。
「すごい!ところで君、名前は?」
「はい!ステライト・マリーナでーす!」
「何、ステライト家の!?イスフィール、彼女をうちの占い師にしないか?」
なんか意気投合している。
というより、さすが親子。
考えることが同じだ。
「うん…。私も同じ事を考えてたけど…。」
「修理と占いは関係してねぇよな。」
まあ、これからもなんだかんだあるが。
エプスタイン家に『にぎやか』が戻ってきた。
~マリーナ編、終了~