表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/51

5.イズライール、バレた!?Ⅰ

楽園の薔薇


5.イズライール、バレた!?


<1>


「あー…3日前から何の進歩もしてない……」

イズライールことイスフィールはラクリーン家の部屋で頭を抱えていた。

(調査しなきゃいけないのに…。)

早くしないとセイレーン達に見つかってしまう。

「でも、なぁ……。」

ため息がさっきから止まらない。

「イール?何かあった?」

ここの住人トライドが部屋に入ってきた。

これといってやばいことはないが、なぜかイスフィールは慌てた。

「いやいやいや、何でもないから!」

「…そう?」

妙にきっぱりと言い切ったイスフィールに、トライドは不思議そうな顔をして部屋を出て行った。

今度はホッとしたようなため息がもれる。

「……」

(あのまま、抜け出したりしない方が良かったかなぁ…。いやいやいや、のこのこ帰っていったら怒られて、一生笑われるだけだし!)

気持ちを切り替え、イスフィールは立ち上がった。

「さぁて!調査に行くぞぉ!」


立ち上がった拍子に、机に足をぶつけた。


* * *


だいぶ(本っ当にほんの少しだけど)道を覚えたイスフィールは、情報をたくさんくれる店を知った。

普通の果物屋だが、そこにいるおばちゃんが新情報を提供してくれるのである。

ウラ道での名前は情報屋。

今日もそこに向かおうとしていた時。

途中で誰かに呼び止められた。

早く行きたいのに、と内心ぼやきつつ振り向く。

そこにいたのは。


「お前、イスフィールって奴、知ってるか?」

「れ」

レイアースと言いそうになったが、「れ」でとどめる。

―――って、デジャブ?

前って言うか抜け出した時とまったく同じ光景だ。

あ、でも1つだけ違う。

(何で笑ってんだ?)

レイアースがニヤニヤ笑っていた。

正直言って怖い。

(もしやのまさか…バレたとかいう?)

冷や汗たらーり。

しかしちょっと言ってみよう。

「イスフィールって誰だよ?」

「ほぉ。記憶喪失?」

「……。」

完全にバレていた。

「よし。」

回れ右をして駆け出す。

が、後ろにも知ってる人が。

「うっそぉ…。」

そこにいたのはセイレーン。

「ははは…」と乾いた笑いだけ、イスフィールの口から漏れた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ