エピローグ1 窓の向こう
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誤字脱字などがあれば教えて下さい。
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五月三○日 一○時○○分
ルーム6科長室
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洞窟での一件から数日が経過した。
セシルがファイルに目を通していると、ノックされた扉にシェリーが入室してくる。
シェリーは、黒のローブの集団について調べていた。囚われた女性達については聞き取りを、捕まえた残党については尋問を終えたことにその内容を報告する。
「あの組織についてですが」
「アカデミーだったんだろ」
「はい」
言おうとしたシェリーに、セシルは黒のローブの集団がアカデミーだと知っていた。
セシルの机に置かれた一つのファイル。それは、イアースについての物だ。
イアースは、黒のローブの集団がアカデミーであると知ったうえで女性達を配達していた。それは、アカデミーがテロ組織だからであり、イアースはアカデミーに帝都に攻撃魔法を放ってもらうために行動していた。
「で、奴らはあそこで何をしていたんだ?」
「処女の血を使って魔法の実験をしていたそうです」
「処女の?」
古来より女性の血は高威力の魔法の発動に用いられてきた。黒のローブの集団がアカデミーと確定した時点で、また、リレア達からの報告でも血を用いた魔法を発動しようとしていたことまでは分かっていた。
しかし、予想もしていなかった単語が出て来たことにセシルは思わず訊き返していた。
「はい。どうやら普通の血では限界が来たらしく、そこで処女の血を使っていたそうです」
アカデミーも最初は女性の血を使っていた。だが、現状では現代兵器の火力には及ばないと感じたことに、アカデミーは処女の血を使用した実験を開始した。
「気持ちの悪い連中だな」
「同感です」
セシルの口を衝いて出た言葉にシェリーも共感する。
「最後にですが、魔法は完成していたようでアトミックという魔法だったそうです」
本当なのか? と、 口から出そうになった言葉にセシルは言葉を飲み込む。
その言葉を何処で知ったのかと思うセシルに、それはシェリーも同じだろう。
「それを知っておきながら魔法を信仰出来るとは驚きだ」
「同感です」
きっとアカデミーは魔法と言う名の魔法に掛かっていたのだろう。
セシルは、タバコを取り出すとジッポライターで火をつける。
「私も貰えますか?」
「いいよ」
シェリーは、タバコを受け取ると一緒に渡されたライターで火をつける。
タバコを咥えるとセシルとシェリーは窓の外に目をやった。
広がる青い空に太陽の光が差し込んでくる。地平線の向こう。ここから何千キロと行った先。見えないそれに二人はエリシアのある方角に目を向けていた。




