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アカデミー 3

感想ください。

誤字脱字などがあれば教えて下さい。



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同日 二一時四五分

洞窟

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洞窟の入り口まであと一〇○メートはある距離に、初はそこでバンを止めるとエンジンを切った。


「行ってくる」

「気を付けて」


停止したバンに、リレアはバックドアを開くとバンから降りる。


 初がバンを止めたのは、バンで洞窟まで向かえばエンジン音などで敵に気付かれる恐れがあるからであり、リレアがバンから降りたのはここから先は徒歩で進むからだ。

 バンから降りたリレア達に、リレア達はリレアを先頭に、エリシー、キリエ、シーナ順でフォーマンセルを形成すると洞窟に向け移動を開始する。


峠道を上ると見えてきた開けた場所に、その奥に洞窟の入り口が見える。


「キリエ、お願い」


 暗く奥の見えない洞窟にリレアが頼むと、キリエは左目と右耳を覆うと式神を操作する。

 鉄格子の隙間に式神を中に侵入させると、キリエは式神で洞窟内を探査する。

 暗い洞窟に、だが、奥に進ませるにつれ光が見えて来る。外に光が漏れていては中に人が居ると思われてしまう。入り口は真っ暗な洞窟に明かりは奥から始まっていた。


「入り口には敵は居ない」

「了解」


 報告をしたキリエに、リレア達は洞窟の入り口まで移動する。

 洞窟の入り口まで来ると停止したリレア。


「まだ大丈夫?」

「うん」

「OK」


 洞窟の入り口の鉄格子は南京錠により施錠されていた。

洞窟の入り口まで来ると左目と右耳を覆い再度敵が居ないかを確認したキリエに、リレアは敵が居ないことを確認すると鉄格子を施錠する南京錠を掴む。


「〈ヒートチャージ〉」


 出力を抑えて魔法を発動したリレアに、南京錠が音を立てることなく破壊される。

 鉄格子を開くと洞窟内に侵入したリレア達は足音を立てることなく進んでいく。クリアリングを行い敵が居ないことを確認しながら進んでいたリレア達に、だからこそリレア達は理解できなかった。


「〈ファイアボール〉」


 一人居た黒のローブの敵。発見したリレアに、敵はリレア達を発見するなり魔法を放ってきた。

 放たれた火球がリレア達のすぐ横の壁に着弾する。


パパパーン。


 手を突き出すと二発目を放とうとする黒のローブの敵に、リレアはライフルの照準を合わせるとすかさず撃った。


パパーン。


 倒れた敵に、リレアは敵の頭を撃つ。


「撃って来た」


 リレア達は隠密行動を行っていた。敵に気付かれないように行動していたリレア達に、しかし、黒のローブの敵のあの反応はリレア達の侵入に気が付いているものだった。


何処で気が付かれたのか、何が原因だったのか分からないリレア達に、それは、洞窟に侵入した時点で気付かれていた。

 洞窟には低級警備結界が張られていた。

 それは何かが結界内に侵入すれば反応するというものであり、リレア達は洞窟に侵入したことによって気付かれていた。


 しかし、撃ったことにそんなことはどうでもよくなる。

 銃声を聞きつけた敵が向かってくる。

 銃を構えたリレア達に、手を突き出すと魔法を放ってくる黒のローブの敵。


 交戦したリレア達に、それは何故魔法が廃れたのかを教えているようなものだった。


「〈ファイアボール〉」

「〈アクアスピア〉」

「〈テンペストショット〉」

「〈ストーンスパイク〉」

「〈サンダーボルト〉」


パパパーン。パパパーン。パパパーン。

パシュン、パシュン、パシュン。パシュン、パシュン、パシュン。パシュン、パシュン、パシュン。

パン、パン、パン。パン、パン、パン。パン、パン、パン。

パパパーン。パパパーン。パパパーン。


 魔法を放ってくる黒のローブの敵に、発砲するリレア達。

 単発でしか放てない魔法に対し銃は連発することができ、また、照準器がない魔法に対し銃には照準器や光学機器が付いている。

リレア達は、銃を連発すると、照準器や光学機器を用いて確実に当てていく。


 洞窟内を押していくリレアに、いつの間にか洞窟内は静寂に包まれていた。先ほどまでは嫌と言うほど聞こえていた敵の足音ももう聞こえない。

無音の洞窟内を進んでいたリレア達に、その前方に扉があった。


 先頭を進んでいたリレアは停止のハンドサインを出すと、キリエに見ろ、というハンドサインを送る。

キリエは、左目を覆うと式神を操作する。観音開きの扉に、隙間から式神を侵入させる。

 式神からの映像に見えた黒のローブの敵にキリエは人数を数えようとする。一、二と数えようとしたキリエはそこで数えるのをやめた。


「大勢居る」


扉の先には開けた空間が広がっており、そこには一〇人以上の黒のローブの敵が展開していた。


「キルゾーンってわけね。どうするの?」


待ち伏せをしている敵はリレア達が入ってくれば魔法を一斉掃射して倒すつもりなのだろう。

 尋ねたエリシーに、中に敵が居ると分かった時点でそれは奇襲として効果をなさなくなっており、リレアの答えは決まっていた。


「突破する」


 銃をリロードしたリレアに、エリシー達もリロードする。


「キリエ、まだ気付かれていない?」


 尋ねたリレアに、キリエはうんと頭を振る。


「了解」


 扉に近づいたリレアに、扉にはどうぞお入りくださいと、でも言うように鍵は掛かっていなかった。

 リレアは、扉に手を着くと最大の出力で魔法を発動する。


「〈ヒートチャージ〉」


バコーン。

パパパーン。パパパーン。パパパーン。


 木端微塵に吹き飛ばした扉に、リレアは銃を撃ちながら中に入る。


パシュン、パシュン、パシュン。パシュン、パシュン、パシュン。パシュン、パシュン、パシュン。

パン、パン、パン。パン、パン、パン。パン、パン、パン。

パパパーン。パパパーン。パパパーン。


 入ったリレアに、エリシー、キリエ、シーナも銃を撃ちながら中に入る。


「「「「クリア」」」」


 全員倒れている黒のローブの敵に、リレア達以外に立っている者ははいない。

 リレア達は、奇襲しようとしていた敵を逆に奇襲することにより殲滅する。


 開けた空間には更に奥に扉があった。


「キリエ」


 見ろ、と言ったリレアに、キリエは中を偵察する。


「正面に一人」

「了解」


この部屋の扉は鍵が掛かっていなかったが、奥の扉には鍵が掛かっていた。

 リレアは、銃をリロードすると扉に手を着いた。


「〈ヒートチャージ〉」


 扉を破壊した部屋にそこは儀式場だった。

地面を削り描かれた逆五芒星に、その中央に立つ黒のローブの敵に、その足元に横たわるのは手錠を掛けられた一人の少女。


エルンストは、アカデミーの主席魔導士でありその序列はアカデミーの最上位だ。

攻め込まれていることにエルンストは部下に防衛線を構築させると起死回生の魔法の準備を行っていた。

施錠していた扉が爆破されリレア達が入って来る。

 しかし、もう遅い。

整った準備に、倒れている少女に意識は無く、切られた首筋から滴る血が地面に掘られた溝を伝い真っ赤な逆五芒星を完成させていた。

 エルンストは、魔法を発動しようとする。


 連射が出来ない、距離が離れると当たらない。魔法が銃に負けた理由は色々とあった。だが、一番の原因は放つまでが遅すぎたことだ。

魔法は放つのに詠唱を必要とする。


「〈アト……」


パパパーン。パパーン。


「クリア」


 扉を爆破すると中に入ったリレアは、部屋の中央に居た黒のローブの敵を撃つと、倒れた敵に頭を撃つ。

そして始めて部屋を見たリレアに、その部屋は儀式場だった。


 シーナは、倒れていた少女に駆け寄ると手首に触れ脈を取る。


「〈リジェネラティブ〉」


 感じられた脈に、シーナは治癒魔法を発動すると少女の傷を治した。


 女性達を救出すると外に出たリレア達に、洞窟の前の開けた空間には乗って来たバンの他に車が止まっていた。それはセシルが手配した車両であり、リレア達は任務を終えると帰隊する。


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