キルハウス 1
感想ください。
誤字脱字などがあれば教えて下さい。
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新暦一〇六年 五月七日 〇八時三〇分
帝国 クリアブルフ基地 屋外射場
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山中に作られた射撃場。
射撃場には様々なシューティングレンジがある。
リレアとシーナはその中で五〇ヤード(約四五・七メートル)のレンジに居た。
快晴の空の下。机に荷物を置いた二人は的を用意すると、机に戻りマガジンに弾を込める。
机に置かれた5.56mmと表記された金属製の箱に、その箱は弾薬箱で書かれている5.56mmとは入っている弾の口径だ。
ロックを解除して蓋を開けると、中には大量の紙箱が詰まっていた。
紙箱一つにライフル弾が二〇発入っている。二人は紙箱を開けるとマガジンに弾を込めていく。
装弾数三○発のマガジンに弾を込め終えるとマガジンの背面を叩く。
「こっちは終わり。シーナは?」
「こっちも終わりました」
「じゃあ行こうか」
「はい」
出来上がった何本ものフルに入ったマガジンに、二人は弾込めを終えるとレンジへと向かった。
五〇ヤードのレンジに、二人は、的から一〇ヤード(約九・一メートル)の距離まで近づく。
澄んだ碧眼に綺麗な金髪。伸ばした方が美しいだろう髪をバッサリと切っているリレア。
リレアは、アサルトであり、リレアの銃はメインウェポンがコルトM727、サブウェポンが1911。
リレアは、用意した一枚のマンターゲットの前に立つと持っていたライフルにマガジンを挿す。チャージングハンドルを引いて弾を装填すると、セミオートに入っているセレクターはそのままに、ストックを肩に当てると銃口を下に四五の角度に向けた。
リレアが取ったのはローレディと呼ばれる姿だ。
「準備はいいですか?」
「いつでも」
射撃姿勢を取ったリレアに、シーナはその後ろに立つと射撃号令を出す。
「ワンショット。レディ、ファイア」
パーン。
ワンショットとは一発のことであり、レディが用意、ファイアが撃てだ。
シーナのファイアという言葉に、リレアはそれが聞こえた瞬間リレアは銃を据銃する。
リレアのライフルにはドットサイトが乗っている。サイトを覗くと見えた針の穴程の小さな赤い点に、リレアはその点を的に重ねると一発撃った。
的のど真ん中に命中した弾に、撃ったリレアは銃口を下げるとローレディの姿勢に戻る。
「ファイア」
パーン。
リレアは、掛かった号令に再度銃を据銃するとまた一発撃つ。撃ったリレアは銃口を下げるとローレディの姿勢に戻る。
「ファイア」
パーン。
ローレディの姿勢を取り、掛かった号令に銃を据銃して一発撃つと、ローレディの姿勢に戻る。それを繰り返すリレアは五発目を撃つとローレディの姿勢に戻るのをやめた。
「交代」
銃にセーフティを掛けたリレアに、次は自身が撃つ番となったシーナは的の前に立った。
落ち着いた青の髪に、淡く澄んだ灰青色の瞳をしたシーナ。
シーナは、メディックであり、シーナの銃はメインウェポンがコルトM16A2、サブウェポンがスミス&ウェッソンモデル19。
リレアが撃ったのとは別の的。新しい的の前に立ったシーナは、ライフルにマガジンを挿すと、チャージングハンドルを引いて弾を装填する。セミオートに入っているセレクターはそのままに、ストックを肩から外すと銃口を上に向けた。
シーナが取ったのはハイレディと呼ばれる姿勢だ。
「準備はいい?」
「はい」
「了解」
射撃姿勢を取ったシーナに、リレアはその後ろに立つと先程シーナが自身に掛けたものと全く同じの射撃号令を出す。
「ワンショット。レディ、ファイア」
パーン。
ファイアが聞こえた瞬間、シーナは銃を据銃する。アイアンサイトで狙うシーナは、リアサイトからフロントサイトを見通すと、フロントサイトを的に重ねると一発撃った。
的の左上に着弾した弾に、撃ったシーナはストックを肩から外すと銃口を上に向けてハイレディの姿勢に戻る。
「ファイア」
パーン。
ハイレディの姿勢を取り、掛かった号令に銃を据銃して一発撃つと、ハイレディの姿勢に戻る。リレアと同様にシーナも五発目を撃つとハイレディの姿勢に戻るのをやめる。
銃にセーフティを掛けたシーナ。リレアは先程自身が撃った的に立つとローレディの姿勢を取った。
「スリーラウンド」
三発の号令にリレアはセーフティに入っていたセレクターをフルオートに入れている。
「レディ、ファイア」
パパパーン。
ファイアが聞こえた瞬間、リレアは銃を据銃するとフルオートで三発撃った。
フルオートでの射撃はセミオートの射撃と比べ格段に難しい。だが、集弾していた弾に撃ったリレアは銃口下に下げるとローレディの姿勢に戻る。
「レディファイア」
パパパーン。
「交代」
先程のワンショットの時と同様、リレアは五回繰り返すと、銃にセーフティを掛けるとローレディの姿勢を取るのをやめた。
撃ち終わったリレアに、シーナは的の前に立つとセレクターを操作する。
シーナが使うコルトM16A2にはフルオート機能は無く、代わりに三点バーストの機能が付いている。
シーナは、セレクターをセーフティからバーストに入れると、ハイレディの姿勢を取った。
「スリーラウンド。レディ、ファイア」
ファイアが聞こえた瞬間、シーナは銃を据銃するとセミオートの時と同様引き金を一回引く。
フルオートで撃っていたリレアは三発発射されると引き金から指を放していたが、三点バーストは一度引き金を引けば三発だけ発射されるというのでありスリーラウンドを簡単に撃つことは出来る。
ただ、フルオートと同様連射しているため当てる難易度はフルオートと変わらないそれでもしっかりと集弾させたシーナは、ストックを肩から外すと銃口を上に向けてハイレディの姿勢に戻る。
「レディファイア」
パパパーン。
シーナも回繰り返すと、銃にセーフティを掛けるとハイレディの姿勢を取るのをやめた。
自身の順番にリレアは的の前に立つ。
このレンジで撃っているのはリレアとシーナの二人だけだがレンジには的を六枚設置していた。人数に対して多い的に多く設置していたのは全て撃つからだ。
六枚ある的にリレアとシーナは二番目の的と五番目の的を撃っていた。
的の前に立ったリレアは、セーフティに入っていたセレクターをフルオートに入れるとローレディの姿勢を取る。
「スリーラウンド。真ん中、右、左。レディ、ファイア」
パパパーン。パパパーン。パパパーン。
追加された文言にそれは、的を撃つ順番だ。
ファイアが聞こえた瞬間、リレアは銃を据銃すると正面の的に三発、右の的に三発、左の的に三発、フルオートで撃った。
リレアは、銃口下に下げるとローレディの姿勢に戻る。
「左、右、真ん中。レディ、ファイア」
パーン。
ファイアが聞こえた瞬間、リレアは銃を据銃すると左の的に向かって引き金を引いた。
一発しか出なかった弾に、リレアはリロードをしていなかった。そこは、この状況もトレーニングの一環だからだ。
弾切れになっていた銃に、リレアは即座に空のマガジンを抜くと新しいマガジンを挿す。ボルトキャッチを押してリロードを完了すると、直ぐに左の的を狙った。
パパーン。パパパーン。パパパーン。
「楽しいね」
ローレディの姿勢を取ったリレアは、五回繰り返すと、銃にセーフティを掛けるとローレディの姿勢を取るのをやめた。
「交代」
的の前に立ったシーナは、セーフティに入っていたセレクターをバーストに入れると、ハイレディの姿勢を取った。
「スリーラウンド。右、真ん中、左。レディ、ファイア」
パパパーン。パパパーン。パパパーン。
ファイアが聞こえた瞬間、シーナは銃を据銃すると右、真ん中、左の的に一回ずつ引き金を引いた。
シーナが使っている銃とリレアが使っている銃のマガジンは同じであり、その為、シーナも次撃てば弾切れになる。
リロードをすることなくハイレディの姿勢に戻ったシーナ。
「スリーラウンド。真ん中、右、左。レディ、ファイア」
パーン。
ファイアが聞こえた瞬間、シーナは銃を据銃すると正面の的に向かって引き金を引いた。
弾切れになった銃に、シーナは即座にリロードをすると、直ぐに正面の的を狙う。
パパパーン。パパパーン。パパパーン。
リレアは、フルオートで撃っている為指切りをすることで撃つ弾数を調節できるが、シーナは、バーストで撃っている為一度引き金を引くと決まって三発発射されてしまう。
最初の一発と合わせて正面の的に四発撃ち込んだシーナは、ストックを肩から外すと銃口を上に向けてハイレディの姿勢に戻った。
エリシーは、三○○ヤード(約二七四・三メートル)のレンジに居た。
エリシーは、いつも帽子を被っている。流石に就寝時などは被ってはいないがそれ以外は基本的に被っている。エリシーが現在被っているのは黒にワンポイントの入った野球帽だ。
若竹色の髪に、翡翠色の瞳。髪の隙間を割って覗く長く尖った耳に、特徴的な耳をしたエリシーの種族はエルフだ。
昔、エルフは弓の名手だった。飛び道具が弓から銃に代わった現代にエリシーが手にしているのはスナイパーライフルだ。
エリシーはスナイパーであり、エリシーの銃はメインウェポンがM24 SWS、サブウェポンがグロック17だ。
エリシーのライフルはスナイパーライフルでありスコープに、サプレッサー、バイポッドが付いている。
エリシーは、スナイパーライフルのバイポッドを展開すると、スナイパーライフルを地面に置いた。
地面に伏せると、伸ばした左足に、右足を上半身に引き付けるようにして曲げると伏せ撃ちの姿勢を取る。
スナイパーライフルのボルトを引くと、固定式のマガジンに弾を一発一発スナイパーライフルに装填していく。
M24 SWSの装弾数は五発であり、五発装填し終えるとスナイパーライフルのボルトを押して弾を薬室に装填する。
三○○ヤードのレンジには、一○○ヤード(約九一・四メートル)、二○○ヤード(約一八二・九メートル)、三○○ヤードに的が設置されている。
その中でエリシーが狙ったのは三○○ヤードの的だ。
一○○ヤードや、二○○ヤードの的を狙わないのは静止目標に対して伏せ撃ちでそのような距離は確実に当てることが出来るからだ。
三○○ヤードのレンジに設置されている的は金属製であり、的はスプレーで白く塗られている。
マンターゲットでも三○○ヤードも離れると見える大きさは一センチ程しかない。だが、白く塗られていることではっきりと視認することが出来る。
エリシーは、三○○ヤードの的を狙うと引き金に指を掛けた。
高倍率のスコープにレティクルが上下左右と動く。それは体の微細なブレによるものであり、普段は感じないような体のブレでも、高倍率のスコープを覗くことでそれ堅調に現れる。
エリシーは、固めた姿勢に、吸った息をゆっくりと吐きだすと息を止め、レティクルの、銃のブレを抑える。
銃の引き金には遊びがあり、遊びがなくなってからそれ以上引くと落ちるようになっている。
スナイパーライフルは銃の目的上引き金はとても軽く設計されている。
引き金に指を掛けただけで消える遊びに、指に力を入れただけで落ちる引き金。
既に消えている引き金の遊びに、エリシーは最終照準を的に合わせると引き金を落とす。
パシューン。
スコープ越しに弾道が見える。
空気を裂き放物線を描くと的に向かって飛んでいく弾。
カーン。
引き金を落としてから約一秒後、聞こえた音に、その音は弾が命中したことを告げる着弾音だ。
命中すれば着弾音が聞こえるが外せば着弾音は聞こえない。
三○○ヤードのレンジで金属製の的が設置されているのは音で当たったかどうかを判断することが出来るからだ。
ボルトを引いて排莢すると、ボルトを押して次弾を装填する。
当たった三〇○ヤードの的に、エリシーは別の的を狙う。
三〇○ヤードのレンジには更に長距離が撃てるよう的が設置されていた。
四○○ヤード(約三六五・八メートル)の的、五○○ヤード(約四五七・二メートル)の的。と言っても三○○ヤードのレンジの制約上それらは的を実距離の大きさに合わせて縮小したものだ。
エリシーは、四〇〇ヤードの的を狙う。
三〇○ヤードの的よりも一回り小さい的に、だが、やる事は同じだ。
姿勢を取り、引き金に指を掛けると、息を止め、照準を合わせる。
パシューン。
カーン。
落とした引き金に着弾音が帰って来る。
エリシーは、四〇〇ヤードの的にも当てると、五〇〇ヤードの的に狙いを移した。
三〇〇ヤードの的と比べると半分とまではいかないが半分より僅かに大きい的に、装填した次弾に照準を合わせると引き金を落とす。
パシューン。
カーン。
帰って来た着弾音に、五〇〇ヤードの的を当てたエリシーは次弾を装填すると再度五〇〇ヤードの的を狙う。
キリエは、トレーニングエリアに居た。
キリエは、髪が肩にかからないように桜色の髪を後ろで結んでいる。
レイナや、エリシーも髪が肩にかからないようにしており、それはシーナも同じだ。それは、例えば格闘になった際髪が長いと髪を掴まれてしまう。などの理由から髪の長さが決まっているからだ。
的と共に用意したベニヤ板の仕切りに、キリエは的を並べると設置した的を隠すようにベニヤ板の仕切りを並べる。
設置された三枚の的にそれを隠すベニヤ板の壁。
キリエは、スカウトであり、キリエの銃はメインウェポンがMP5、サブウェポンがワルサーPPK/Sだ。
キリエは、サブマシンガンのマガジンに弾を込めると、終わった弾込めに一〇ヤードの位置に移動する。
HKスラップという装填方法ある。
キリエは、サブマシンガンのチャージングハンドルを引くと、後端にある切り欠きにチャージングハンドルを引っ掛けた。ロックされたチャージングハンドルに、マガジンを挿すと、引っ掛けていたチャージングハンドルを叩く。
途端、ジャキーン、とロックが解除されたチャージングハンドルが前進し弾が銃に装填された。
HKスラップを行ったキリエに、その音は何度聞いても飽きることのない気持ちの良い音だ。
キリエは、銃に弾を装填すると前方に目をやった。
ベニヤ板を並べて作った壁に、的は壁の後ろにある。
見えない的に、キリエは銃から手を放すと式神を取り出した。起動した式神に、キリエは式神を上昇させる。
式神にはカメラ機能が備わっている。
上昇し、周囲を俯瞰する式神。
式神から伝送されてくる映像にキリエの位置からは的を直接見ることは出来ないが、式神を使用することで間接的に的を見ることが出来る。
キリエは、左目に伝送されてくる式神からの映像に、右目で見ている眼前の光景を合致させると的が設置されているであろう方向に銃を構えた。
パン。
カン。
ベニヤ板程度であれば弾は簡単に貫通する。
キリエが行ったのは壁抜きであり、弾はベニヤ板を貫通するとその後ろにあった金属製の的に当たっていた。
パン。パン。
カン。カン。
的は他にも用意していおり、キリエは聞こえた着弾音に別の的を狙うとそれらを壁越しに撃つ。




