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エピローグ2 太陽と星

感想ください。

誤字脱字などがあれば教えて下さい。


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エピローグ2 太陽と星

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新暦×××年 ×月×日 一七時〇〇分

オルネア連邦 ホワイト宅

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 五階建てのアパートの一室。

 一流ホテルのようなベッドメイクがなされたベッドに、西日が差す浴室。


 ユキ・ホワイトは、今しがたまで眠っていた。起きるとシャワーを浴びるユキ。

 今日は出発の日。

 ユキが眠っていたのはこれからに備えてであり、シャワーを浴びるのは目を覚ますためというのもあるが、なにより長い任務にしばらくの間は風呂に入れなくなるからだ。


 体を綿密に洗うと泡を流し蛇口をひねりシャワーを止める。髪に残った水分がぽたぽたと落ちる。

 肩口で切りそろえられた銀髪から滴る水分を拭き取ると、体を拭いたユキは浴室を出る。


 掛けてあった戦闘服に着替えるとキッチンの椅子の上に置いてあったバックパックを取る。

大きさにわりにスカスカなバックに入っている物は着替え程度。


 ふと時計を見ると家を出る時間に、バックを背負ったユキは玄関の扉を開けると出る間際部屋を見渡した。

 ベッドに、テーブルに、椅子。娯楽や趣味のような物は無く、生活に必要な最低限の物しかない部屋は簡素というよりも寂しい部屋だ。


 しかし、そんな部屋にも明るい物はある。

花だ。

 しばらく家には帰っては来られない。花瓶に生けているのは今朝買ってきた新鮮な花で、水は先程変えたものが入っている。

花瓶の横には二枚の写真が写真立てに入れられ大切に置かれていた。


一人暮らしのユキにそれを言う相手はいない。しかし、ユキは写真に向かうと言う。


「行ってきます」

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同日 一九時三○分

ファイアリー空軍基地

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 すっかり暗くなった空に、基地内は明るく照らされていた。

 時刻は出発一時間前。

目前に迫った出発時刻に基地内は機材や燃料の最終確認などで慌ただしく動いていた。


 だが、そんな中に時間に追われるのではなく、時間が来るのを待っていた一角があった。

 第1特殊任務部隊、通称タスクフォース・アルファ。


 開戦後エリシアから持ち帰られた書物により得られた特殊部隊という概念に、それを元に創設された部隊がタスクフォース・アルファだ。


エリシアには銃を始め、戦車に戦艦、戦闘機など様々な武器や兵器の現物、あるいは設計図があった。

 タスクフォース・アルファに与えられた任務はエリシアに侵入し地球人が残していったものを回収すること。


 タスクフォース・アルファに所属しているユキに、そこにはユキの他に七人の男が居た。タスクフォース・アルファは八人で一つのチームを構成している。そして、ユキはこの分隊の分隊長だ。


「ファウラー、そろそろ搭乗だ。結合して準備しろ」


 一時間という時間は長いようで短い。一時間前までに最終点検を終えたユキに、それとは異なり布を広げたファウラーは銃を分解し整備していた。

 バスタオル程の大きさの布に整頓され並べられた銃の部品に整備道具。フィールドストリッピングを行ったファウラーは出発前、最後の整備を行うと部品に油を付けると結合を開始する。


 ファウラーの役職が人一倍そういうのを求める役職というのは知っている。軽く言ったユキは、それとと、言葉を続けた。


「今から拳銃の手入れをする時間はないぞ」


 ユキ達はメインウェポンにサブウェポンを装備している。

ファウラーは、メインウェポンであるライフルの整備を行っていた。メインウェポンの整備をすれば当然サブウェポンの整備もするが、今からサブウェポンであるハンドガンの整備を行うには時間がない。


言ったユキにファウラーは大丈夫ですとばかりに返す。


「ハンドガンは昨日終わらせています」


 話をしている間にも慣れた手つきでライフルを組み上げたファウラー。

 ユキは自身の装備を手に取ると搭乗する機体へと向かう。


 ユキが搭乗する機体はCH-47チヌーク。

 家を出た時スカスカだったバックパックはパンパンになっている。身に着けているプレートキャリアはレベル4であり、手に持っているヘルメットには第三世代の暗視ゴーグルに電子イヤーマフが取り付けられている。


 ユキのメインウェポンはM4A1 URG-I、サブウェポンはM17だ。

 フルカスタムされた銃に、ユキ達タスクフォース・アルファの装備はどれも現代の技術では製造が不可能な物であり、オーパーツのようなそれらは全てエリシアから持ち帰られた物だ。


 後方のハッチを開きユキ達が乗り込むのを待つ機体。


 任務に向かうのはこれが初めてではない。三回目や四回目でもない。何十回と向かっている。しかし、何度チャレンジしても一向に持ち帰ることのできないそれ。回収は不可能だと、諦めてしまいそうなるそれに、だが、ユキはその碧眼の瞳に決意を宿すと搭乗する。


「今回そこ持って帰る」


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同日 二二時〇○分

場所不明

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 一時間半のフライト。

 夜の帳の中を誰にも気付かれることなく飛ぶヘリに、機内は赤色灯の明かりによって照らされていた。


「チェックポイントまであと五分」


 パイロットの声に、ユキはふと窓の外を見つめる。

 今夜は満月であり、連なる山脈に、生い茂る木が見える。流れている水の色は分からないが川にはきっと透明な水が流れているのだろう。


 機体が飛んでいるのはこの戦争の最前線にして唯一自然が残っている前線。

 この場所以外の国境地帯の自然はどこまでも掘られた塹壕に、銃弾に、砲弾に、爆弾に、ありとあらゆるもので破壊つくされている。

宇宙から大陸を見ればきっと両国の国境は茶色い線で瞬時に分かるようになっているだろう。


それ程までに破壊つくされた自然に、唯一国境でありながらこの場所にだけ緑が残っているのは両国ともエリシアに砲弾や爆弾が落ちることを嫌がったからだ。


 両国はエリシアにある地球人の技術を独占しようとして戦争を行っている。万が一にもエリシアに砲弾や爆弾が落ち、地球人の技術が失われるようなことがあれば、そんなことを許容できない両国はエリシアを激戦地にはしなかった。


その代わりではないが、こうしてユキ達が地球人の技術を持ち帰るためにエリシアに送り込まれている。


「回収地点に到着」


 パイロットがユキ達ではない誰かに無線を送る。

 林内に居た彼らはパイロットからの無線に、林内から開けた場所に出ると紐に括り付けたそれを円を描くように振り回す。

 肉眼では何も見えないそれは、IRは暗視ゴーグルを付けていなければ視認することは出来ない。


彼らが紐の先に括り付けているのはIRのケミカルライト。暗視ゴーグルを使用することで始めて視認することが出来るそれに、彼らが行っているのはバズソウと呼ばれる夜間信号だ。


 暗視ゴーグルを使用していた信号を発見すると着陸地点を見定める。


「着陸地点を確認」


 パイロットの声に、高度を下げるヘリ。

ユキは、さあ行こうと、持ち上げていた暗視ゴーグルを下げると電源を入れる。ライフルのチャージングハンドルを引いて初弾を装弾するとチャージングハンドルを僅かに引いてプレスチェックを行う。薬室に送られていた弾に、セーフティを掛けるとライフルからハンドガンに持ち替えた。

ハンドガンのライドを引いて初弾を装弾するとスライドを僅かに引いてプレスチェックを行う。薬室に送られていた弾に、ハンドガンをホルスターに収めるとライフルに持ち直す。


白色に映し出される世界。

 着陸と同時に後部ハッチを開いたヘリに、後部ハッチが開いた瞬間四人がヘリから降機した。


 この瞬間が一番危ない。

 別命なく降機した四人は全員が片膝を着くと一人が一二時方向から三時方向、一人が三時方向から六時方向、一人が六時方向から九時方向、一人が九時方向から一二時方向と全周警戒を始める。


 ヘリを降りたユキに、林内から誰かが向かってくる。

向かってくるのはユキと同じ戦闘服に身を包み、ユキと同じ銃を持った人物はブラボーチームの分隊長だ。


ユキが所属しているのはチャーリーチームであり、ユキ達は今回帰還するブラボーチームの交代としてエリシアに派遣された。


 敬礼したユキに相手も敬礼を返してくる。

 今は最も危険な時でありとどまるのは最小限にした方がよい。ユキとブラボーチームの分隊長は速やかに攻略状況や、敵の動向などの引き継ぎを済ませると、ブラボーチームの分隊長はユキにポーチを渡す。

 ポーチの中に入っているのは地図や、鍵にカードキー、パスワードなどが記載されたメモ帳だ。


「お疲れ様でした」

「武運を」


ブラボーチームの分隊長がヘリに乗り込む直前言ったユキに、ブラボーチームの分隊長は足を止めそれだけを言うとヘリに乗り込む。


 ブラボーチームが乗り込むとヘリは後方のハッチを閉めながら、この場から一目散に逃げるように離脱する。

全速力で飛び一分もしない内にユキの視界から消えていったヘリ。


「前へ」


 ここからは徒歩で向かう。言ったユキに、チャーリーチームはユキを中心に縦隊を形成すると林内へと姿を消した。


 夜間の山中を暗視ゴーグルを使用し進んでいたユキ達。

 明るくなろうとしている空に、夜間敵と遭遇することはなかった。


エリシアには二つの敵が存在する。

 一つがスカベンジャー。一つが魔獣だ。


スカベンジャーは、エリシアから地球人が残していったものを回収する者達のことだ。スカベンジャーは大きく二つに分類される。それは帝国の部隊かそうではないかの違いで、一つは帝国が送り込んでくる部隊、もう一つは個人で収集を行う者達だ。


 ブラボーチームとの交代の時、あの時が最も危険だったのは横取りを行ってくる存在が居るからだ。

横取りを狙ってくる相手にとって交代は絶好のチャンスであり、だからこそ最大限警戒する必要があった。


 魔獣は、地球人が現れてから発見された生物で、エリシアにだけ生息している。


肉眼でも見えるようなった視界にユキは暗視ゴーグルを外す。


 朝焼けの空の下を進んでいると先頭を歩いていたファウラーが突如立ち止まる。

 先頭は前方警戒を行っている。

停止のハンドサインをしたファウラー。ゆっくりとその場にしゃがんだファウラーに、全員がその場にゆっくりとしゃがむ。


 ゆっくりとしゃがむのは、素早くしゃがんでしまうとその動きで敵に気付かれる可能性があるからだ。

 しゃがんだユキは出来るだけ低い姿勢で先頭のファウラーの元まで移動すると、状況を訪ねる。


「敵だ。一時方向、距離二○○」


 銃を指向していたファウラーに、ユキもファウラーが銃を指向する方向に銃を向ける。

 ユキの銃には三倍のマグニファイアが乗っている。

マグニファイアを使い索敵すると、林内を抜けた先にある開けた場所に人影が見えた。


 オリーブドラブ色の服にチェストリグを付け、AK-47を握りしめる男。

 草原のど真ん中に陣取ると、かかってこいとばかりに何かを待ち構えている男。銃を構える男は一瞬片手を銃から放すと、チェストリグに触れる。手に伝わる感触にそれがちゃんとあることを確認すると直ぐに銃を両手で構える。


 男の名はハースト。ハーストはもう一人の仲間と共に行動していた。

 地球人の技術は高く売れる。

ハースト達の目的はエリシアから地球人の技術を持って帰ることだった。だが、その道中ハースト達は魔物に襲われた。


 逃げたハースト達に、魔物はハーストではなくもう一人の仲間を選んだ。

逃げきれたハーストに、選ばれたもう一人の仲間は逃げることが出来なかった。


逃げきれたハーストが逃げて来た道を戻ると、そこにはもう一人の仲間の遺体があった。

リロードしようとしたところをやられたのだろう。遺体の近くには銃と空のマガジンがあり、遺体の手には新しいマガジンが握られていた。

無残にも胴体を切り裂かれた仲間。この仲間には妻が居て子供がいた。近くに魔物が居ないことにハーストは、せめてと仲間の遺体に近寄ると遺品を回収する。


 ドッグタグに、それと一緒に掛けられていたロケット、腕時計、遺品をチェストリグのポーチに仕舞うとこの場を離れようとした時だ。魔物が現れた。

 見つかったハーストは逃げようとする。先ほどは仲間が居たから、選ばれなかったから逃げきれた。しかし、今回はハースト一人だけ。


 日の落ちた夜間の森での逃走。人間と魔獣であれば魔獣の方が夜目は効く。不整地な地形に、進路を邪魔する木々。ハーストは何度も転び何度もぶつかった。

一瞬にして捕まりそうな環境に、しかし、ハーストは銃を持っていた。


 銃を撃ちまくりながら逃げたハーストは間一髪の所で捕まらず、気付けば夜は明けようとしていた。

弾の節約など考えられなかった。ゼロになった予備のマガジンに今銃に付いているのが最後のマガジンだ。残弾もフルではなく残り一〇発あるかないか。


 逃げていても好転しない現状に、開けた場所に出たハーストは最後の残弾で勝負に出ようとする。

三六〇度見渡せる場所に、林内からハーストが居る位置までは一〇〇メール以上ある。魔獣がいつどこから飛び出して来ても反応し撃つことが出来る。


さあどこからでもかかってこいと全神経を研ぎ澄ませたハーストに、飛び出してきたのは反応することが不可能なものだった。


「撃て」


 ファウラーはスナイパーであり、ファウラーが使用している銃はM110A1。ユキの命令にファウラーは呼吸を調整すると、照準を合わせ引き金を引いた。


パシュン。


銃にはサプレッサーが付いており抑えられた発砲音に、マッハ二の速度の銃弾がハーストを襲った。

音速を超えた速度に反応出来るわけもなく頭を撃たれたハーストは、持っていた銃に引っ張られるようにして倒れた。


「ヘッドショット、ターゲットダウン」


 ファウラーは、セーフティを掛けると効果を報告する。


「了解。私、ケイド、トライムで死亡確認に向かう。他は警戒」


 ユキは、二人を連れると死体の元まで向かった。銃を指向しながら向かい、頭を撃ち抜かれているのを見てからようやく銃を下す。


「二人は警戒」

「「了解」」


 片膝をつくと周囲を警戒するケイドと、トライム。

 ユキは、ハーストの手から銃を取り上げる。セーフティの掛かっていない銃。この場では分解はしない。ユキはセーフティを掛けるとマガジンを外した。

フルで入っているマガジンは重いが、空のマガジンは軽い。マガジンはその重量で入っている弾の弾数がなんとなくだが分かる。

持ったマガジンの軽さに、マガジンには残り一〇発程度だった。見る限りスカスカのマガジンポーチにこの一〇発がハーストの最後の弾だったのだろう。


マガジンを銃に戻すと持ち物の検索を始める。予想通り一つも持っていなかった予備のマガジンに、チェストリグの検索中手に感じた何かの感触にユキはそれを取り出した。

 チェストリグのポーチには、ドッグタグに、ロケット、腕時計が入っていた。

 また、服のポケットには、ロケットに入っているものとは別の家族写真が入っていた。


 ロケットに入っているものと、ポケットに入っていたもの。映っている人物は異なるがどちらも妻と子供と一緒に映っている写真に、ユキはそれを元あった場所に戻す。戻したのはユキがそう決めていたからだ。


最初に異変に気付いたのはファウラーだった。

 なかっためぼしい物にユキが隊に戻ろうとした時だ。ファウラーかた無線が入った。


「俺から見て二時方向、分隊長から見て三時方向から何か近づいている」

「確認できるか?」

「いや、姿は見えない」


 言われてその方向に視線をやったユキに、微かにだが揺れる木々に何かがこちらに近づいて来ていた。


「グオォォォオ」


 けたたましい咆哮が草原に轟いた。

林内から現れたのはグランドと呼ばれる熊の魔獣だ。

 四メートルを超える巨体に、腕からは刃物の様に鋭く尖った骨が一本突き出している。巨体を覆う青がかった体毛に、目は真っ赤に染まっていた。よく見れば体毛は乱れており、所々には光沢があった。


 近づいて来たグランドは、ユキ達が手にしている物見るやその足を止める。

 体毛の光沢は髪が濡れた時の光沢に似ている。それは、撃たれ出血した血によってできた光沢だった。


 グランドは、ユキ達が持っている物が自身を傷つけることが出来る物であることを今しがた学習していた。


「グオォォォオ」


 立ち上がったグランドは両手を広げ大の字の様になるとユキ達を威嚇する。

 殺意のこもった咆哮。しかし、それはユキ達には届かない。咆哮のような大きな音はユキ達が付けている電子イヤーマフによって全てカットされていた。


 ユキはグランドを見上げた。自身の身長の倍以上はあるグランド。

 威嚇してくるグランドに、ユキは銃のセーフティを解除すると引き金に指を掛け、いつでも撃てる状態を取るようなことはしない。

それはケイドと、トライムも同じで、ユキ達を脅威と思っているグランドに対し、ユキ達はグランドを脅威とは思っていなかった。

威嚇するグランドに悠然と立つユキ。それはどちらが上か一目でわかる光景だった。


グランドから目を切るようなことはしない。ユキは引き金に指を掛けるかのようにマイクのスイッチに指を掛けると、マイクのスイッチを押した。

繋がった無線にユキは一言告げる。


「撃て」

「了解」


 ファウラーはスコープ越しにずっと見ていた。

帰って来たのは明瞭な返事。


 ファウラーの存在はグランドには気付かれていなかった。奇襲を掛ける絶好のチャンスに、しかし、命令を受けたファウラーはわざとその気付かれていないというチャンスを捨てる。

それは、ユキ達を見下ろすグランドに、グランドの顔がファウラーの方を向いていなかったからだ。


「ヘイ!」


 ファウラーは、銃から顔を上げ狙うのをやめると、こっちを見ろとばかりに声を張り上げてグランドを呼んだ。

 新たな敵の出現にグランドはユキ達から視線を外すと声がした方向に振り向く。

それがファウラーの作成だった。


パシュン。


 こっちを向いてくれたグランド。ユキ達の方を向いていた時は見えなかった眉間が、こちらを向いてくれてことで露になる。ファウラーはその眉間に照準を合わせると銃弾を叩き込んだ。


脳幹を撃たれ崩れ落ちるグランド。


「ナイスショット」


 横たわり絶命したグランドに、ユキはファウラーに無線を送った。


 右手にM4A1左手にAK-47と、両手に銃のユキ。林内に入ったユキはAK-47のマガジンを外すとその辺に投げる。セーフティを解除するとチャージングハンドルを引いて薬室内に入っていた一発を排出すると、そのまま慣れた手つき銃を分解し始めた。

分解した部品はその辺に捨てる。銃をバラバラにして捨てるのは誰にも使われないようにするためだ。


林内を進むこと数時間。


 戦争は地球人の技術を巡って始まった。

拡大していく戦火に、終わりの見えない日々。


 エリシアには地球の歴史書もあった。読むと地球の歴史では二度世界大戦があったことが記されていた。そして、二度目の世界大戦、第二次世界大戦では原子爆弾という核爆弾によって大戦が終結したことが記されていた。


地球人がこの世界に現れたせいで始まった戦争に、地球人は戦争を終わらせ方も、そのための道具も教え用意してくれていた。


 ユキ達が現在行っている作戦のコードネームはプロメテウス。

エリシアにはダンジョンともいうべき巨大地下施設がある。そして、現在の研究でその最下層にはプルトニウムコアが保管されていることが判明している。

 ユキ達の任務はそれを持ち帰ること。


やがて見えて来た目的地にそこには二枚の旗がはためいていた。

 一枚は、白地の中心に朱の丸があしらわれた物。一枚は、赤と白のストライプに左上には青地で白の星が幾つもあしらわれた物。


 エリシアには日章旗と星条旗が掲げられていた。


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