硫黄島の心霊現象にまつわるエピソード
「英霊」と「幽霊」: 防衛大学校の学生が硫黄島研修の際に教官に「幽霊が出る噂は本当か」と質問したところ、「幽霊はいないが、英霊はおられる」と答えられたという話が知られています。これは、単なる怪談ではなく、戦没者への深い畏敬の念を示すものです。
自衛隊員による目撃談: 島に駐留する自衛隊員の間では、多くの超常現象が報告されています。あまりに頻繁に不可解な出来事が起きるため、神経症を患ったり、業務に支障が出たりする隊員もいるとされます。
不可解な音: 地下壕から聞こえる人の声や、夜中に響く足音、うめき声のようなものが聞こえるという体験談があります。
航空自衛隊のパイロットの目撃談: 飛行訓練中に、存在しないはずのゼロ戦のようなものが眼下を通り過ぎるのを目撃したというパイロットの話も語られています。
元島民の体験談: 宴会の席で、誰もいないはずなのに話し声が聞こえ、元島民が「兵隊さんたちの幽霊だったのだろうか」と述懐したエピソードがあります。
芸能人の体験談: 映画『硫黄島からの手紙』の撮影に参加した二宮和也さんが、ロケ後にコップが奇妙な割れ方をしたという心霊体験を告白したことがあります。
心霊現象の背景
こうした心霊現象の噂は、硫黄島の悲惨な歴史と密接に関わっています。
激戦の舞台: 硫黄島は、日米合わせて3万人近い兵士が犠牲になった激戦地です。
未だ残る遺骨: 80年近くが経った現在でも、多くの戦没者の遺骨が島に眠ったままです。
戦争の記憶: この島の土は、戦没者の血や肉が染み込んだ「国の土」とも言われ、自衛隊員は島から砂を持ち帰らないようにしているという話もあります。
硫黄島における心霊現象の噂は、戦没者の霊を悼み、戦争の記憶を風化させないための語りとして、今もなお人々の心に深く残っています。




