第70話 ただいま、と笑える世界で──そして、もう一度だけ会えたら
続編は分かりませんが… 一旦これにて完全なる完結です。
本当に最後まで読んで下さった皆様… 感激感謝です。
◆序章:光の向こうへ
異世界・ルヴィエール王国。
澪が“再召喚”され、セラフィナと共に戦った世界に、彼女の姿はもうなかった。
だが――その最後の地《フローデルの谷》には、風が吹いていた。
“白銀の花”──澪が最後に立っていた場所に咲いた、唯一の光。
それを見上げるセラフィナは静かに言葉を捧げた。
「ありがとう。……また、いつか」
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◆第一章:制服姿の帰還
現実世界、日本・春。
桜が舞い散る朝。制服のスカートが揺れ、
セーラー服の少女が歩いていた。
「……あれ?」
その少女――澪は、自分の手を見つめる。
かつて“契約者”として刻まれた紋章が、もう消えていることに気づいた。
「終わったんだ、私の……旅が」
でもその胸の奥には、熱が残っていた。
戦った日々。仲間たちの笑顔。王国の民の声。
そして、あの人――魔王グラディウスの眼差し。
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◆第二章:遠い声の記憶
そのとき。
桜並木の下で、澪は“声”を聞いた気がした。
『……澪。お前と交際0日婚して、良かった。
本当に、お前を妻にして良かった。……ありがとう』
風が止まる。
目の前に、あの人が立っていた。
黒衣に身を包み、凛とした横顔。
王国を率いた“魔王”――だが、今はただ一人の“夫”として、そこにいた。
「グラディ……ウス……?」
魔王は、いつもと違う微笑を浮かべて言う。
「お前がこの世界に来てくれて、私は初めて“生きたい”と思った。
澪。お前が……私の人生を変えた」
澪は、涙をこぼしながら微笑んだ。
「私も。……あの異世界での生活が、すごく楽しかったよ。
あなたがいたから、生きてこれた」
そして、そっと近づき――
澪は、グラディウスにキスをした。
「ありがとう、私の“魔王様”」
グラディウスはゆっくりと消えていった。
残ったのは、どこまでも優しい温もりだけ。
⸻
◆第三章:現実の朝、卒業の春
澪は、ゆっくりと目を閉じた。
そして――
目を開けたときには、
春の朝日が、部屋のカーテンを透かしていた。
澪は、自宅のベッドの上にいた。
「……帰ってきたんだ、私」
澪は笑い、制服に袖を通した。
今日は、高校三年生の卒業式。
たくさんの別れと、新しい始まりを迎える日。
ポケットには、銀色のペンダントがひとつ。
まるで、異世界での“記憶”が残っている証のように――
「よし、行こっか」
玄関のドアを開けて、桜舞う坂道を駆け出す。
その背には、どこまでも強く優しい風が吹いていた。
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◆終章:語られざる“花嫁”の記録
その後の時代――
異世界・ルヴィエール王国では、代々こう伝えられている。
「世界を救った花嫁がいた。
名は――澪。
彼女は異世界より現れ、王を救い、命を繋いだ。
そして最後、彼女は“愛する者”に微笑んで別れを告げ、
元いた世界へと還っていった」
風に揺れる花は、今もフローデルの谷で咲いている。
そして、もしどこかの世界で風の中に
「ありがとう」と優しい声が聞こえたなら――
それはきっと、澪とグラディウスの想いが届いた証。
――澪と魔王グラディウスの《交際0日婚》の物語、
ここに完全完結致しました。最後までありがとう‼︎
またスピンオフ・番外編などもお書きします。
ただ、少し時間が掛かるので、暫く待ってて下さい。
続編(これに関してはまた分からないので、一旦完全完結… )
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