第52話 封じられし地図と、禁域への旅立ち
◆プロローグ:伝承の奥に眠る“地図”
新王歴212年。
ルヴィエール王国中央文庫、地下第二収蔵庫――通称《語られざる記録庫》。
前王家の末裔、セレナ・リュシア=アシリアは、
“あの記録”――澪の手記を読み終えたあと、王家の私文書を追い始めていた。
そして今日、彼女は封印された錠の箱を開ける。
中にあったのは一冊の、破れかけた地図。
だが、それは明らかに“現行の地図”とは異なる。
辺境の森、断崖、霧の湿原、そして――記されていた《禁域》。
地図の隅には、見覚えのある文字が記されていた。
『“人が入ってはならぬ場所”ほど、過去は残されている。
真実は、境界線の向こうにある。』
澪の筆跡だった。
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◆第一章:禁域“セレスの森”と始まりの遺跡
その地図を手にしたセレナは、すぐに相談役であり護衛でもある
青年《ユウ=リュシアン・アークヴェルト》を呼び出した。
「これ……この地図、どこに向かってるかわかる?」
ユウは地図を一瞥して答える。
「……“セレスの森”。禁域指定されてる。百年前、異界の断層が観測された場所」
「澪はそこに、“真実”があると遺してた。行くしかないわ」
2人は夜明け前に王都を発ち、かつての仲間たちの子孫――
“王国調査団”を編成し、ひそかにセレスの森を目指す。
その中には、盾使いのエリアス、癒しの魔導師ミーナ、火術士レンジ、斥候レティナなど、
“十人の仲間”の名を継ぐ若者たちが加わっていた。
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◆第二章:そして、森が彼らを迎える
セレスの森――霧に包まれた静寂の大地。
かつての地震と魔力の乱流の影響で、魔獣も魔瘴も異常に集中する危険地帯だった。
地図の導きで奥地へ進んだ彼らが辿り着いたのは、
蔦に覆われた《石碑》と、《半壊した神殿跡》だった。
「ここ……“転位門”の遺跡? でも、異世界の門は閉じられたはずでは……」
セレナの声に、ユウが眉をひそめる。
「いや、これは“新しい門”だ。……もしかして澪は、これを残して……」
そのとき、神殿奥の壁が光を放つ。
手記の断片が、石壁の魔紋と共鳴し――澪の“記憶の残滓”が浮かび上がる。
『私は戻ってきた。けれど、すべてを語るにはあまりに時が足りなかった。
だから私はここに、“記録”を埋めた。
この門の先に、“最初の嘘”がある。』
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◆終章:冒険の始まりと、誓い
セレナは静かに言う。
「私たちの世界が本当に“選ばれた”のか。
それとも、“誰かがそう仕組んだ”のか……。
確かめたい。祖母が守ったものを」
ユウは剣を肩にかけ、短く頷いた。
「なら、俺はその隣に立つ。セレナ――行こう、“真実”を見届けに」
神殿の奥で、石の門が静かに開き始める。
そこは、もう一つの記憶、もう一つの真相――
そして、“もう一人の澪”が残した世界へと続いていた。
──次なる章が、今、始まる。
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