第45話 ──新王国と未来の礎──“子どもたち”が描く次の物語
新加護制度の始動から半年。
王都ルヴィエールは、“穏やかな再建の春”を迎えていた。
王妃アリアは――
王務を一線から退き、現在は「王立育成院」の理事を務めていた。
“子を育てること”こそが、未来に残せる最も大きな魔法であると信じて。
「リアム、今日の討議報告書、ここに置いておくね」
「ありがとう、母さん。こっちはフィリアと新たな民兵制度案をまとめてるとこ」
そう、今や――
リアムとフィリアは、“新たな王国評議会”の中核となり、
市民との対話を重ねながら、実際に政策を動かす“政治の前線”にいた。
◇ ◇ ◇
一方、ユリウスは――相変わらず現役の剣士兼“若き兵士たちの教官”をしていた。
「王の剣は、民の剣だ。
だが、王妃のハンコがなきゃ予算は下りん。覚えておけよ」
「お、おお……」
若手兵士たちは、厳しくも愛ある指導に震えながらもついてきている。
そんな中、双子の子どもたちが――今や、15歳になっていた。
リアムは理知的な頭脳と正義感を持ち合わせ、
フィリアはその明るさと直感力で“人の心を動かす天性の才”を発揮し始めていた。
「私たちさ、これからどうする?」
「ん?」
「未来って、たぶん“答えのない問い”なんだと思う。
でも、誰かが歩き出さなきゃ、その先は見えない」
フィリアが笑って、空を見上げた。
「なら、私たちが歩こうよ。
誰かが“あの人たちが始めた”って言ってくれるように」
リアムも同じ空を見上げて、小さく呟いた。
「……この国は、母さんたちの“奇跡”から始まったんだ。
でも、俺たちは“日常”を守ることに全力を尽くしたい。
それが、次の奇跡につながるって信じてる」
◇ ◇ ◇
その頃。
アリアは子どもたちの姿を城の高台から見下ろしていた。
「……あの子たちなら、大丈夫よね。澪」
背後には、かつて“異世界から来た少女”だった澪が寄り添っていた。
「うん。だって、私もあなたも……“ちゃんと繋いだ”んだもん」
アリアは母として、王妃として、
そして一人の“契約花嫁”として、微笑む。
「……私は、ただ嫁いだだけだった。
でも、ね。愛したから、ここまで来られたのよ」
空に広がる光は、新しい未来の始まりを告げていた。
──そして、物語は続いていく。
まだ見ぬ“次の王”と“次の物語”へ――
一旦完結:
『交際0日で魔王と結婚したら、ただの契約婚のはずが世界の命運を握ることになりました!?──私、ただ嫁いだだけなのに』
次は【五十人の王国兵編】──未来を守る者たちの記録の物語です。
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