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第44話  ──世界会議と“新加護時代”の幕開け



 それは、王都ルヴィエールでも最大級の議場――「光の円環宮」。

 アリアとユリウスが主催し、各国の王族・代表者・学者・神官が一堂に会する「世界会議」が開かれた。


 戦後初。

 そして、神の加護制度が“刷新”される、歴史的な一日だった。


 


 ◇ ◇ ◇


 


 「――それでは、アリア王妃より新時代の理念を述べていただきます」


 議場が静まり返る。

 アリアは胸元の印に手を当て、ゆっくりと歩を進めた。


 


 「皆さま、本日はお集まりいただきありがとうございます。

 私は、戦いの末に見た“もう一つの未来”を皆さまに提案します」


 


 ◆【提案された新加護制度】


 - 神の加護は“信仰や血統”で選ばれるものではなくなる

 - 各国で認定された者にのみ、一定期間“対等契約印”を授ける制度

 - この加護は“民を守る意思”と“行動”によって生まれる、可視化された力

 - 加護保持者は“独占”ではなく“支援と指導”を義務とする存在となる


 


 静寂の中、ある代表が口を開く。


 「では、“神の信仰”自体が否定されるのでは?」


 


 アリアは微笑み、静かに首を振る。


 「いいえ。信仰は、誰かを支える“心の拠り所”です。

 否定すべきは、それを“力の格差”に変えてしまった制度の方です」


 


 議場がざわめく。だがその中で――


 


 「我が国は、賛成だ!」

 最初に立ち上がったのは、小国トリアーデの青年王だった。


 「争いのたび、加護を持たぬ者がどれだけ命を落としたか。

 私たちにとってこの改革は、希望そのものだ」


 


 続いて、リアムとフィリアも壇上へ。


 「私たちは、“新時代の初代継承者”として誓います。

 誰かが“神を持っているから偉い”なんて、もう言わせない世界を作ります」


 


 フィリアが、少し照れながらも凛とした声で続けた。


 「誰かを守る力は、血でも、名前でも、過去でもない。

 “選んだ勇気”にこそ宿るものだと、私は信じています」


 


 ◇ ◇ ◇


 


 こうして――


 王都ルヴィエール発。

 新たな加護制度“対等契約印”の導入が正式に承認された。


 それはまだ、小さな一歩かもしれない。

 だが、その一歩は、世界に確かに刻まれた。


 


 そしてアリアは、澪とグラディウスが並ぶ観覧席に目を向ける。


 澪は静かに頷き、言った。


 「……この子、立派になったね」


 グラディウスが隣で微笑む。


 「君が育てた娘だろう。世界を変えても、不思議じゃない」


 


──次回、

**第45話「新王国と未来の礎──“子どもたち”が描く次の物語」**へ続きます。



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