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第43話  ──封神域ファル=ナヴァ──最初の神と最後の選択


 封神域ファル=ナヴァ。

 それは神々が最後に姿を消し、“地上の一切と関わりを断った聖域”とされる場所だった。


 アリアたちは、神殺しの王から渡された“記憶の鍵”を用い、封印された空間を開いた。


 そこは、空も海も存在しない、白と金の“虚無”。

 重力すら曖昧で、歩くたびに空間そのものが脈打っていた。


 


 「ここが……神が最後にいた場所……」


 フィリアは思わずリアムの手を握る。

 アリアは静かに前へと進み、祭壇のようなものへと手を伸ばした。


 


 > 『汝ら、人の子よ。ここに来たのは、なぜか』


 


 空間全体に、重く、それでいてどこか優しい“声”が響く。


 声の主は、神々の中でも最初に創られた存在。

 “始源の神”ユラ=ファルと呼ばれる、世界の創造と均衡を司る意志体だった。


 


 「……問いに答えるためです」

 「私たちの時代に、神は必要なのか。

 “あなた方の加護”が、人を幸せにしてきたのか。

 その答えを、探すために来ました」


 


 ◇ ◇ ◇


 


 始源の神は語る。


 ・かつて神と人は対等だった

 ・だが、やがて人が“依存”を始め、加護を“奪い合うもの”に変えた

 ・その果てに神々は“愛想を尽かし”、姿を消した

 ・それでも残った神は、ただ一つ


 


 > 『“選択”という力だけは、神はお前たちに残した。

 > 世界をどう導くかは、お前たち次第だ』


 


 そして、始源の神は提示する。


 ◆【三つの選択】


 1. 神の加護を復活させる代わりに、再び“信仰の支配”を受け入れる未来

 2. 神の加護を永久に断ち、人の力だけで歩む未来

 3. 加護も選択も含め、“共に生きる”道を模索する第三の未来


 


 リアムは言う。


 「俺たちが目指すのは、三つ目の道です」

 「加護にすがるだけでもなく、神を否定するだけでもない。

 “共に在る”という、これまでなかった未来を創りたい」


 


 フィリアが続ける。


 「私たちには、“神”も、“人”も、必要です。

 ただそれは、上でも下でもなく――隣にいる存在として」


 


 アリアが最後に語る。


 「子を産み、育てる身として。

 私は世界に“命が笑える未来”を遺したい。

 それは、力でねじ伏せる世界でも、祈りだけに頼る世界でもないはず」


 


 そして――


 始源の神は、光を広げた。


 


 > 『ならば、与えよう。第三の道を照らす“契約の祝福”を。

 > それは神でも人でもない、“新たな意志の始まり”だ』


 


 空間に満ちる光は、三人の身体に印を刻む。


 それは、“共生の加護”――

 新時代の象徴となる、世界最初の**「対等契約印」**であった。


 


──次回、

**第44話「世界会議と“新加護時代”の幕開け」**へと続きます。



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