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第41話  ──聖域内部──封じられし神記と“楽園の罪”



 聖域――ルヴァ・セレノ。


 その扉を越えた瞬間、アリアたちは“重力”が違う空間に入ったことを感じた。

 光はあるのに影がなく、音はあるのに反響がない。


 


 「……空も地もない。これは、概念の中に踏み込んでる……?」


 アリアがそう呟くと、

 リアムが前方に立つ、石碑のようなものを指さした。


 > “ここは世界が始まる前、最初の神と人が契約を交わした場所”


 そう刻まれていた。


 


 ◇ ◇ ◇


 


 光の壁に手をかざすと、眩い記憶が流れ込んでくる。


 


 ――神々と人は、かつて“共に世界を創る同盟関係”にあった。

 だが、ある日人間が「神の加護を独占する制度」を望んだ。


 加護は“神の贈り物”であり、平等に授けられるべきだった。

 だが支配層が加護を「血と地位」によって縛ったことで、

 世界は“楽園の罪”を背負うこととなる。


 


 「……つまり加護制度は、本来“神の意志”ではなかった?」


 フィリアが信じられないというように目を見開いた。


 


 アリアが静かに呟く。


 「この場所に来られた者だけが……“始まりの記録”を知る資格があるってこと」


 


 ◇ ◇ ◇


 


 その時、聖域の奥――

 封印された光の中心から“もう一つの存在”が現れる。


 


 > 『汝ら、楽園の罪を知り、何を思う?』


 


 その声は、人でも神でもなかった。


 “調停者”。

 神と人との契約を最後に見届けた、中立の記録者。


 


 リアムが一歩進み出た。


 「……僕たちは、この真実を隠すつもりはありません。

 でも、罪は“今を生きる人”の責任じゃない。

 だからこそ、僕たちの世代で――選び直すんです」


 


 フィリアも続く。


 「“特別な血”じゃなくても、誰かを守る力はある。

 神がいなくても、私たちは手をつなげるって証明してみせる!」


 


 調停者は、少しだけ“感情のような波”を揺らし、こう言った。


 > 『ならば、次の扉を開くがいい。

 そこに待つのは、神が一度“捨てた世界”だ』


 


 そして――新たな試練が始まる。


 


──次回、

**第42話「廃棄された楽園──“神殺しの民”の遺跡」**へ続きます。



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