表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

35/123

第35話  ──神託と封印──王国に迫る“内通者”の影



 王都ルヴィエール、黎明の時。

 神殿の最奥、封印の間にて――フィリアは再び“夢の残響”を聞いていた。


『敵は、すでに王国の中にある。

見慣れた顔の裏に、仮面を被る者がいる』


 目覚めた少女の手には、うっすらと金色の紋章が浮かんでいた。


 


 ◇ ◇ ◇


 


 一方、アリアの執務室では

 軍師エレナと情報統括のユーフェミアが密かに報告を上げていた。


 「……王都防衛の術式が、何者かによって“内側から”改竄された形跡がありました」


 「犯人の目星は?」


 アリアの問いに、ユーフェミアはファイルを一冊手に取った。


 「……ひとり、気になる人物がいます」


 


 ◇ ◇ ◇


 


 その名は――ゼイラス・レイノルド。


 王国防衛隊・第四小隊副隊長。

 王国兵五十人の中でも信頼厚く、かつてグラディウス直属の警護任務に就いたこともある男。


 落ち着いた振る舞いと部下思いの人柄から“沈着冷静な参謀”として親しまれていた。


 ……だが。


 その裏には、

 “列国連盟”との密かな接触記録と、“禁忌魔術の一端を操る痕跡”があった。


 


 ◇ ◇ ◇


 


 「……ゼイラスをどうするかは、私たちだけで決める必要がある」


 ユリウスが言った。


 「敵と断定して早計に動けば、兵士たちの士気に関わる。

 だが、泳がせれば王都全体に被害が及ぶかもしれない」


 アリアは机上に視線を落とし、静かに言った。


 「……本当に敵なら、私は――剣を抜くしかない」


 


 ◇ ◇ ◇


 


 その夜。王都の裏手、巡回兵が交代する一瞬の隙を突き、

 黒装束の影が神殿区画に侵入していた。


 そして、光の封印の間へと足を踏み入れる。


 「……やはりここか。フィリア王女の力、“神の加護の源”」


 そう呟いたのは、ゼイラスその人だった。


 彼は仮面を外し、手のひらに紋章を浮かべた。


 それは、列国連盟議長と同じ**“灰の紋章”**。


 


 「だがな……“神に縋る時代”はもう終わる。

 我ら人が、自らの手で世界を定める。神託などいらん」


 彼が手をかざした瞬間――


 「そこまでだ」


 封印の間にアリアとユリウスが現れた。


 


 ◇ ◇ ◇


 


 「ゼイラス……あなたが裏切るなんて、思いたくなかった」


 「裏切り? 違うな、アリア王妃。

 これは“進化”だ。私たちは、未だ神という幻想に縛られている」


 「幻想を否定することで、誰かの未来を奪ってもいいの!?」


 剣を構えたアリアに、ゼイラスは刃を抜いた。


 「覚悟はある。“神に選ばれし継承者”など、この手で断ち切ってやる」


 


 ◇ ◇ ◇


 


 ──そして始まる、静寂の中の一騎打ち。


 だが戦闘の途中、突如天井から光が降り注ぎ、フィリアの声が響く。


 「ゼイラスさん……やめて……っ」


 その声に、ゼイラスの剣が止まった。


 


 「……なぜ……私に、そんな目を向ける?」


 「だって……ゼイラスさん、いつも優しかった……みんなを守ってくれた……」


 「私は……っ」


 その言葉に、ゼイラスの瞳から光が消え、呆然と膝をついた。


 


 ◇ ◇ ◇


 


 彼は拘束されたが、神殿地下牢でただ一言、こう呟いた。


「“あの男”が動き出す。

本当の地獄は、まだ来ていない――」


 


──第36話へ続く。



最後まで読んでくださり、ありがとうございます!

もしこの物語に少しでも「面白い!」と感じていただけたなら——


ブックマーク & 評価★5 をぜひお願いします!


その一つひとつが、次の章を書き進める力になります。

読者の皆さまの応援が、物語の未来を動かします。


「続きが気になる!」と思った方は、ぜひ、見逃さないようブックマークを!

皆さまの応援がある限り、次の物語はまだまだ紡がれていきます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ