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8 波乱の舞踏会

 ルフレールで二週間ほどの休暇を過ごし、ルーナとヴィクトルが王都に戻ったのはシーズンの終わり、王族主催の舞踏会を間近に控えた頃のことだった。

 季節が変わるほどの滞在ではなかったが、それでも朝夕には肌寒さを感じるようになっていた。

 のんびりするのに心地良い気候だったが、王都に戻ってルーナが真っ先にしたのは、休息ではなく舞踏会用に仕立てておいたドレスの試着だった。

 髪型と化粧と、それから肌の色味とのバランスを見ておきたかったのだ。

 父ジョナサンの忠告を無視したわけではなかったし、ルーナ自身も気をつけていたつもりだったのだが、休暇を堪能するには日焼けを完璧に避けることは叶わなかった。

 幸いにもこんがりと焼ける体質ではないのだが、それでも赤みが引くまでには少しかかるだろう。舞踏会の日まで日焼けが残るようであれば、化粧で誤魔化すか、ドレスを別のものに変えるかしなくてはならない。用意していたドレスはミルクに藍を一滴垂らしたような、ごくごく淡い水色の生地で、着こなすには抜けるような肌が必要不可欠だったからだ。

 日焼け痕をメイドが嘆くのを聞きながら試着を済ませ、化粧だけでなんとかなりそうだと分かって、ルーナはほっと安堵の息を吐いた。

 今度の舞踏会はヴィクトルのお披露目を兼ねている。次代のメイヴィス男爵が誰であるのか、妻となるルーナの心がどこにあるのか、それを見せつけてやらなければならない。いわば正念場である。ましてやヴィクトルと初めて踊るのに、身なりを適当にはできなかった。

 ドレスの心配がなくなっても、やるべきことや片付けるものごとは山ほど残っている。それでルーナは社交に精を出し、ヴィクトルはジョナサンの右腕として、方々を飛び回っていた。

 忙しさにかまけているうちに気づけば、王族が主催する舞踏会の当日を迎えていた。

 舞踏会が開かれるのは夕刻からであるが、ルーナが支度を始めたのは朝食を済ませてすぐのことだった。

 湯を使って汗を流し、丁寧に洗って梳ったた髪を結い上げる。コルセットをきつく締め、ドレスを着付けてもらい、化粧を済ますと昼をいくらか過ぎた刻限だった。

 さすがに空腹を覚えたが、コルセットのせいで腹にいくらも入りそうにない。それでお茶と果物を少しだけつまんで、口寂しいのを誤魔化しているときだった。

 軽やかなノックの音が響いて、応えを返すとすぐにヴィクトルが顔を覗かせた。彼もすでに支度を終えていて、黒がかった紺のジュストコールが、上背のある姿によく似合っていた。

 タイピンの翠玉は、ルーナが身につける装飾品と揃いの品だ。ルーナの瞳の色に合わせたそれが彼を飾っていると思うと、気恥ずかしさと同時に、嬉しさがこみ上げてくる。

 ルーナは優雅な所作で立ち上がると、近寄ってきたヴィクトルにそっと抱きついた。ヴィクトルも抱き返してくれたが、ドレスが皺にならない力加減で、そのせいで物足りない気分になった。

 腕の分だけ身体を離してから、ルーナはヴィクトルを上から下を眺めて言った。

「とても素敵だわ、ヴィクトル。きっと誰もがあなたに目を奪われるでしょうね。タイピンをそれにして良かったわ。あなたがわたくしのもので、わたくしもあなたのものだ、とひと目見て分かるもの」

「きみも素晴らしくきれいだ、ルーナ。このままどこかに閉じ込めて、誰の目にも触れさせたくなくなる。だが……俺がきみのものであると知らしめるためには、そうするわけにはいかないのだろうな……」

「わたくしも、似たような気持ちよ。社交界を知り尽くした主のようなご婦人方の目に、ヴィクトル姿を晒すのはどう考えたって危険だもの」

 そうしかつめらしく言うと、ヴィクトルが微苦笑を滲ませた。

 杞憂に過ぎると表情に描いてあったが、これだから自分の魅力に無頓着な殿方は困る、とルーナは胸中でしみじみ呟いた。

 コート・サウラの顧客の中には、その手のご婦人も含まれているのだ。だから未婚女性では知り得ないあれこれを、ルーナは耳年増よろしく聞き知っている。

 ヴィクトルと似た立場にあったどこぞの婿殿が、戯れに手を出し身の破滅を味わった、などという話は、決して珍しいものではなかった。

 ヴィクトルがその手の誘いに乗るとは思ってはいないが、しかしなにが起こるか分からないのが社交界というものだ。ルーナは出立を前に気合いを入れ直し、社交界という名の戦場に繰り出して行った。

 王族主催の舞踏会は、王宮からは外れた離宮で行うのが慣例となっている。

 今夜もそれに漏れず、会場となったのは先々代の王妃のために贈られたコルス宮だった。

 人工林の中に鎮座するその離宮に、貴族たちが続々と集まってくる。ヴィクトルにエスコートされたルーナも彼ら同様、粛々とした足取りでコルス宮に足を踏み入れた。

 そして煌々と明かりが灯されたホールに入った瞬間、視線が矢のように突き刺さるのが分かった。

 悪女として名高いルーナと、その婚約者であり伯爵位を失ったばかりのヴィクトル。社交界の話題をさらったふたりが共に現れたのだから、注目が集まるのは当然のことだろう。

 観衆は抑えた声で囁きあっていたが、数の多さにそれはどよめきのように広がった。声の調子から好意的でないことは明らかで、そのことに気づいたヴィクトルが表情を険しくさせた。

「……俺が馬鹿にされるのは構わないが、きみを悪く言う声があるのはまったく我慢ならないな。俺の事情が明らかになることで反発は予想していたが、だがきみに向けられるのは、その度量の深さと愛情深さを称える声であるべきだろう」

 そう憤って言う。ヴィクトルに手を引かれながらしずしずと歩いていたルーナは、見られていることを意識した、淑女らしい楚々とした笑みを浮かべてみせた。

「メイヴィスを貶めて溜飲を下げて、無責任な噂話で笑い合えるなら、その理由はなんだって構わないのよ。もっとも、聞こえよがしに言うのはいただけないわ。人の底が見えてしまっているのに、そこに気づけないのも滑稽ね。そしてなにより、あなたを舐めるように見る目が気に食わないわ」

「……つまり、きみも怒っているのか」

 当たり前のことを意外そうに問われて、ルーナは浮かべる笑みを深くした。

 こうも侮られて、腹を立てない者などいないだろう。なによりヴィクトルに向けられた、値踏みするような、取って食ってやろうとする視線が心底不愉快だった。

 誰に渡すものか、という思いを込めてエスコートされる手に力を込める。すると不愉快げだったヴィクトルが一転、蕩けそうな笑みを浮かべてみせた。

 その途端に周囲が、ざわりと大きくどよめいた。

「誰に、どのような目で見られようが、興味もないし問題にもならない。俺が見ていたいと思うのはルーナ、きみだけだ」

「……そういうことを、ひと目があるところで言わないで。あなたの虫除けにならなければならないのに、緩んだ顔では効果も半減だわ」

「虫除けと言うなら、きみにこそそれが必要だな。俺を押しのけてやろうと、そこかしこで手ぐすね引いているのが分かる」

「まあ、人気者は辛いわね。……でも、そのおかげかしら。誰も彼も牽制しあって、近づこうとしないみたい」

 周囲の視線は痛いほどに刺さっているし、ひそひそと囁かれているのだが、まるで見えない壁があるかのように遠巻きにされている。

 ルーナたちが動くと、その輪も一緒に動くのが滑稽で少し面白かった。

 おかげで知人たちへの挨拶もままならないのは困りものだったが、しばらくすれば身動きも取れるようになるだろう。

 ルーナとヴィクトルは聞き耳を立てる周囲を意識した、当たり障りない会話を交わしていたが、人波の向こうから響く鐘の音に気づいて口を閉ざした。

 王族のお出ましである。

 社交デビューの時を除けば、男爵家程度では王族に目通りが叶うどころか、近づくことすら許されない。今いる場所からでは姿を見ることもできなかったが、ルーナたちは周囲に合わせて膝を折った。

 やがて人波が割れて、ホール中央にぽっかりと空白ができる。

 王子のエスコートで、今夜の舞踏会の主催である王子妃が滑るようにホール中央に躍り出た。

 膨らませたスカートがふんわりと揺れる。銀糸で刺された模様が灯された明かりを弾いて、そのさまにルーナは思わず溜め息を零した。

 侯爵家から嫁いだ彼女は洒落者で、黄色がかった緑色のドレスに、華やかな金髪が映えて良く似合っていた。

 うっとり見惚れていると、ヴィクトルが耳元に唇を寄せて囁いた。

「そんなふうに熱心に見つめていると、視線を注ぐ相手が同性だと分かっても妬けてしまうな。できれば、きみの隣にいる、この愚かな男のことを忘れないでくれ」

 不意打ちのようなそれに、思わずびくりと肩が跳ねる。

 気を抜いているつもりはなかったのだが、予想していなかっただけに狼狽えてしまう。吐息が触れるほどの近さに鼓動が忙しくなって、それを誤魔化すようにヴィクトルを睨めつけた。

「ヴィクトルったら、驚かさないで。それに……耳が擽ったいわ」

「これは周囲への牽制だから諦めてくれ。王子夫妻が踊り終われば、様子を見ていた者たちも動き出すだろう。ようやく大手を振ってきみと踊れるというのに、横入りされては堪らないからな」

 ヴィクトルの苦々しい物言いに、ルーナはさり気なく周囲に視線を巡らせた。

 王子夫妻に注目が集まっているせいで、先ほどまでのような見られている、という感じはしない。だが警戒はしても無駄にはならないだろう。

 ルーナだって今夜、ヴィクトルと踊るのを心待ちにしていたのだ。

 誰にだって邪魔されるものか、と気合いを込めてヴィクトルの腕に手を滑らせる。するとすぐに、ヴィクトルが手を重ね合わせてくれた。

 戦場に出るような勇ましさで微笑み合っていると、周囲からわっと歓声と拍手が上がる。

 どうやら王子夫妻が踊り終えたらしく、ホール中央で歓声に応えるふたりの姿があった。

 彼らが下がるのを待ちかねたように、数組の男女がホールに出る。それが上位貴族ばかりでないことを見て取って、ヴィクトルが素早く足を踏み出した。

 ホールに出て踊ってしまえば、ひとまずのところは声をかけられる心配もない。

 エスコートされるルーナも優雅な足取りで進み、ホールドする手に身を預けた。

 手を取る指先の力強さ、ドレス越しに伝わる手のひらの感触に知れず鼓動が跳ねる。

 視線を上げると思っていたより近くにヴィクトルの顔があって、見知った距離だと言うのに気恥ずかしさを覚えてしまった。普段は下ろしている前髪を撫でつけているせいで、彼の甘い容貌に精悍さが混じり、それがすこぶる魅力的なだけに、正視するのが難しい。

 とは言え面を下げることはできず、それでルーナはそっと目を伏せた。

 ふ、と溢れるような微笑いを零したヴィクトルが、優雅な足取りで一歩踏み出した。

 さすがは伯爵当主としての教育を受けただけあって、ヴィクトルのダンスとそのリードは確かだった。

 乗馬を趣味に鍛えられた身体は力強くしなやかで、ルーナをホールドして揺るぎもしない。彼に合わせて足を動かすだけで、ルーナは自分でも驚くほど軽やかにステップを踏むことができた。

 以前のヴィクトルが不義理を装っていたせいで、ルーナにダンスの経験は乏しい。デビューに父と踊り、後は親族と踊ったきりだ。それでもヴィクトルのダンスが、素晴らしく上手いことはよく分かった。

 ルーナは距離の近さにはにかんでいたことも忘れて、ヴィクトルを見上げて微笑んだ。

「ダンスがこんなに楽しいなんて知らなかったわ。わたくしは人並みには踊れるけれど、そんなに上手いというわけではないの。それなのに、あなたと踊ると背中に羽が生えているみたい」

「きみがそう言ってくれただけで、過去の苦労が報われる思いだ。……実を言うと、あまりダンスは得意ではないんだ。講師役には問題ないと言われるんだが、舞踏会に出ると失敗することが多くてな。なぜか相手が躓いたり、途中で踊るのを忘れたりするんだ」

 それはパートナーが、ヴィクトルに見惚れてしまうからではないだろうか。

 ルーナは少し遠い目になったが、それには触れず微笑むだけに留めておいた。

 婚約者であるルーナより先にヴィクトルと踊った女性たちだ。あわよくばを狙っていた彼女たちの失態を、フォローしてあげる必要も義理もないだろう。

 ヴィクトルと視線を交わし合い、身を委ねてステップを踏んでいると、あっという間に一曲踊り終わってしまう。

 体力はまだ十分に残っていたし、本音を言えば踊り足りないくらいだったが、社交をおろそかにはできない。それでルーナとヴィクトルはダンスの輪から外れ、見つけた知り合いのもとへ足を向けた。

 なかなか途切れない人波に苦心していると、不意に行く手を遮るように現れた姿があった。

 従者のお仕着せを纏い、黒髪を一筋のほつれなく撫で付けたその青年は、ルーナとヴィクトルを前に恭しく礼を取った。

「足をお止めして申し訳ございません。メイヴィス家のルーナさま、グラート家のヴィクトルさま、我が主がおふた方をお召しです。お忙しいとは存じておりますが、ご同行いただけますか?」

 断られるとは微塵も思っていない口調だった。

 そのことに警戒するふたりに、青年はにこりと微笑んで拳を差し出した。

 軽く握られたその中のものを、ヴィクトルが用心深く受け取る。渡されたのはカフスボタンで、そこに刻まれている紋章を見て、ルーナは思わず目を瞬かせた。

 紋章学に造詣の深くないルーナでも、王家や主要貴族のそれくらいは判別がつく。

 そしてカフスに刻まれていた紋章は、盾に王冠、それを支える二頭の馬。スヴァルト公爵である王弟リクハルドのものだった。

「これは……」

「不躾な手段を取ったことを、主に変わって謝罪させてください。ですが衆目を集めたくない、という主の考えを汲んでいただければ幸いにございます」

 つまり王族直々の呼び出しである。

 断るという選択肢は無きに等しく、それでルーナたちは青年が先導されるまま、人でひしめくホールを後にした。

 王族主催の舞踏会だけあって、ホールを出ても、そこかしこに招待客の姿がある。その誰も彼もが社交に勤しんでいて、ホールから離れるルーナたちに注意を払う者はいないようだった。

 長い廊下を進むうちに、どうやら外部の人間が立ち入れない区画まで来てしまったらしい。

 いくら相手が相手だからと言って、ここまでひと目を避ける必要があるのだろうか。

 呼び出しの強引さも相まって、なんだかとても嫌な予感がする。

 そもそも男爵家の娘でしかないルーナに、王弟から呼び出される心当たりはひとつもなかった。これはどういうことだろう、とヴィクトルと話をしたくてたまらなかったが、呼び出した側の関係者がいる場所で、それを堂々と口にすることはできなかった。

 なんとなく口を開くのも憚られる空気の中、ルーナたちは黙々と足を進める。

 やがてたどり着いたのはホールからはずいぶんと離れた場所にある、両開きの扉が豪奢な部屋の前だった。

 先導をしていた青年がノックをすると、中から低い声で応えが返ってくる。すぐに扉が開いて、青年は扉を押さえる位置に立った。

 彼はルーナたちに視線を向けると、恭しく頭を下げた。

「主がお待ちです。どうぞ、中へ」

 思わずヴィクトルを見上げる。ヴィクトルはこの状況に臆したふうもなく、どころか平生と変わりない様子だったが、ルーナの視線に気づくと目元を優しく和ませた。

 ルーナを安心させるように、小さく頷いて言った。

「大丈夫だ、行こう」

 ルーナも頷きを返して、ヴィクトルのエスコートで大仰な扉をくぐった。

 広々とした部屋だった。高い天井からはシャンデリアが下がり、灯された多くの蝋燭で室内は昼間のような明るさだ。壁の白には金の縁取り模様が描かれていて、マントルピースも同様に飾られている。

 置かれた調度品も似たような意匠で、椅子に貼られた布地も刺繍も金だった。

 王族に相応しい荘厳さだが、見ていると眩しくて目がちかちかする。

 ルーナは目を伏せてそれを誤魔化しながら、部屋の中央に鎮座している人物に対して、胸に手を当て深く膝を折った。

 淑女の最敬礼であるが、長く続けるのは辛い体勢だ。面を伏せた横目でヴィクトルを見ると、彼も膝をつき深々と頭を下げていた。

 背後で扉の閉まる音がして、溜め息のような音が響いた。

「呼び出したのはこちらだ。そなたらが、そのように畏まる必要はない。……面を上げよ」

 腹の底に響くような、低く魅力的な声だった。

 人を従え命じることに慣れ、それを当然と考える者の声だ。できれば今後一切、お近づきにはなりたくない類の人物である。

 ルーナは内心でそう不敬に呟きながら、命じる声に従って姿勢を正した。

 同じく身を起こしたヴィクトルが、ルーナにそっと手を差し出した。エスコートするその手を取って、部屋の主が座る正面に腰を下ろす。

 隣にヴィクトルが座るのを待って、ルーナは下げていた視線を僅かに上げた。

 常であれば目通りすら叶わない相手だ。それで恐る恐るに拝顔したルーナだったが、ふと既視感を覚えて目を瞬かせた。

 初めて会うはずなのに、と思いながら素早く記憶を巡らせる。

 王弟リクハルドは確か、父ジョナサンと同世代だったはずだ。だが比べるとずいぶん若々しい印象で、身につけている物もしっかり流行りを抑えている。

 なめされた革靴は深い黒に染められていて、丁寧に磨かれつやつやと輝いている。合わせるのが難しい尖るつま先のかたちに、足首を留める派手なベルト飾り。結んだタイをふわりと膨らませて、馬蹄形のピンで飾っているのが、いかにも洒落者という感じがする。

 ジュストコールは深い緑色で、肩口につく長さの栗毛によく似合っていた。

 顔貌はずば抜けて整っている、という訳ではないのだが、垂れた眦と刻まれた笑い皺に、不思議な色気があった。

 無責任な噂話を好む社交界だが、王族に関しては身分を憚り口を噤む傾向にある。それでも漏れ流れてくるものはあって、王弟リクハルドのそれは華やかな女性遍歴だった。

 こうして相対してみると、なるほどそれも頷ける。益々お近づきになりたくないな、と思ったところで、リクハルドの琥珀色の瞳が面白そうにルーナを射抜いた。

 その瞬間、頭の中でぴたりとピースが嵌まるのが分かった。声を上げるのは辛うじて堪えたが、隣のヴィクトルに視線を向けるのは止められなかった。

 ルーナ覚えた既視感の正体、それは王弟の持つ色合いと、ヴィクトルのそれとが同じであったからだった。

 ルーナの動揺を見透かしたかのように、リクハルドが愉快そうな声音で言った。

「わざわざ名乗る必要はなかろうが、それをせねば話も進むまい。――私は王弟リクハルド。スヴァルト公爵、と言った方がとおりは良いだろうか。この会談は私が設けた、いわば非公式の場だ。閣下でも殿下でも、好きに呼ぶと良い。直答と多少の無礼も許そう」

 男爵家の娘とその婚約者に対して、ずいぶんな厚遇である。もっとも言葉そのままに受け取っては、間違いなく痛い目を見ることになるに違いない。

 ルーナはヴィクトルと素早く視線を交わし、気遣わしげなそれに気づいて小さく微笑んでみせた。

 本来であればヴィクトルが応対すべきなのだが、爵位を失った彼は微妙な立場にある。現状におけるそれぞれの身分を考えると、気は進まないがルーナが口を開くしかなかった。

「――では、公爵閣下。お初にお目にかかります。わたくしはメイヴィス男爵家が長子、ルーナと申します。隣におりますのが婚約者のヴィクトル・グラートです。ご尊顔を拝謁賜わり、光栄至極にござます」

 決まりきった口上を述べてから、ルーナは淑女のお手本のような微笑みを浮かべてみせた。

「直答をお許しいただけるとのこと、閣下の心遣いには感謝の言葉もありません。つきましてお聞かせいただきたいのですが、なぜわたくしたちが呼ばれたのでしょうか。お恥ずかしながら、心当たりがまったくないのです」

「ほう。心当たりがない、と申すか。そなたは気づいているようだが……まあ、いい。確かに説明は必要だろうな」

 そう鷹揚に言って、リクハルドはひらりと手を振った。

 部屋の隅で置物のように控えていた青年が、続き部屋の扉を開ける。すぐにお仕着せを纏ったメイドが現れて、てきぱきとテーブルを調えていった。

 栓がされたままの葡萄酒と蒸留酒に、チーズにナッツ、みずみずしいフルーツがいくつか。水はたっぷり用意されていて、さらに贅沢なことに氷の入ったアイスペールまである。

 話をするだけと言うには大袈裟なそれらに、ルーナは内心でげんなりしてしまう。

 酒肴の用意を調え終えたメイドが下がり、人払いが済んでからリクハルドは葡萄酒を手に取った。

 意外にも慣れた手付きで栓を抜き、自らグラスに注ぎながら言う。

「そなたらも飲むと良い。王族からの酌など、望んで受けられるものではないぞ」

「……では、有り難くちょうだいいたします」

 差し出されたグラスを受け取る。ほとんど自棄で口にしたその葡萄酒は、笑いたくなるくらいに美味だった。

 うっかり勢いでグラスを干しそうになったが、ルーナは自制心を働かせて口を離した。

 グラスを揺らすリクハルドが、面白げな口調で言った。

「血統の不確かさを理由に爵位を返上した元伯爵と、その婚約者。今年の社交界は、そなたらの話題でもちきりだ。もちろん、それは私の耳にも届いている。だが私がそなたらを呼び出したのは、その噂が故ではない」

 リクハルドは言って、視線をヴィクトルに向けた。

「――ヴィクトル・グラート。そなたは先代のオルスト伯爵と血の繋がりがないと知り、本当の父親が誰であるか探ろうとは思わなかったか? 私はすぐに調べさせたぞ。なぜならそなたの母、レイチェル・リー・グラートは私との間に浅からぬ縁があったからだ。そして上がってきた報告を受けて確信した。そなたは私の胤である、とな。……父を知らぬ不貞の子が、王族の血筋であったのだ。光栄に思うが良い」

 やはり、とルーナは内心で溜め息を落とした。

 そっと隣のヴィクトルを窺う。彼はこの状況の中心にいるにもかかわらず、僅かも表情を揺らすことなく、どころか貴族らしい優雅さで微笑んでいた。その振る舞いが完璧であるからこそ、ルーナの胸は締め付けられたように苦しくなった。

 ヴィクトルはこれまで、母親の不貞と自らの出自に懊悩し、する必要のない苦労を強いられてきたのだ。その資格がないと分かっていて、それでも領地や民のために、砂を噛むような思いで土地を治めてきたのだ。

 そんな彼の努力を、ルーナは今では誰よりも良く知っている。だからこそ無神経に彼の出自を詳らかにした、リクハルドの傲慢な態度が腹立たしかった。

 もし相手が王族でなかったら、グラスの中身をぶち撒けていたところだ。

 ルーナが淑女らしい微笑みの裏で吐き捨てていると、隣のヴィクトルが静かな声で言った。

「……私がオルスト伯爵の血筋ではないことは、既に明らかにしたとおりです。私を産んだ母がそう打ち明けたのですから、その点は疑うべくもありません。ですがその母は、私の出自についてついぞ詳細を語ることはありませんでした。父――先々代のオルスト伯爵と私の間に、血縁関係はないと言ったのみです。たとえ閣下に心当たりがあったとしても、確証を得ることは難しいのではありませんか?」

「……なるほど。そなたは自分の顔を鏡で見たことがないらしい」

 そう皮肉混じりに呟いたリクハルドは、きれいに髭をあたった顎をざらりと撫でた。

 彼とよく似た琥珀色の目をヴィクトルに当てて言う。

「王族の血に、それと表出する特徴はない。それでも血縁であれば、ある程度は引き継がれていくものは存在する。私の場合は、この瞳の色だ。外つ国から嫁いできた高祖母が有していた色で、全てではないが時折それが血族に現れる。今の王族では私と、降嫁した姉、それから陛下の末子だな。そして、そなたにもそれが引き継がれている」

 ヴィクトルは小さく溜め息を零した。それから、辛うじてルーナが判別できる程度の、ほんの微かな苛立ちを含んだ声で言った。

「私の母の血筋には、降嫁した王族の姫がおります。琥珀の瞳をした外つ国の姫ぎみ、その方がお産みになった王女のひとりです。琥珀の瞳が王族のそれだとして、私にそれが現れるのは、なにひとつおかしなことではありません」

「もちろん、そのことは私も把握している。だからこそ、入念に調べさせたのだ。レイチェルが置かれていた状況、周囲の人間関係、それらを把握しているメイドや使用人をたどり、そうしてようやく確証を得るに至ったのだ。当時の彼女と関係を持ったのは、私ひとりである、とな。もしオルスト伯爵が健在であれば、きっと良い裏付けとなったであろうよ」

 悪趣味極まりないリクハルドの言に、知れずルーナの鼻に皺が寄る。

 ルーナの胸中を占める不愉快さを、だがリクハルドは気に留めたふうもなく後を続けた。

「そなたは私の息子だ。それが判った以上、捨て置くことはできぬ。ましてや伯爵位を失い野に下り、平民に等しい扱いを受けるなど、王家の血を受けた者にあってはならぬことだ。……幸い、私には子がいない。非嫡出子であっても、私の後継となることは可能だろう」

「まさか、冗談でしょう。子として認めるだけならともかく、婚外子が王族の後継になれるはずがない」

 ふ、とリクハルドが小さく笑った。

「私をなにと心得る。法の裏をかくことなど、私の手にかかれば赤子の手をひねるより容易い。そなたは私に従い、ただ頷いておれば良いのだ」

 その傲慢さを繕いもしない物言いに、ヴィクトルがはっきりと嫌悪を露わにした。

「……国を導き率いる、尊い血に連なる方が、法をないがしろにするとおっしゃるのですか?」

「それだけ、我が子のことが可愛いのだよ」

 嘘くさい、と思ったのはルーナだけではなかったらしい。

 ヴィクトルは衝動をやり過ごそうと、拳を強く握りしめている。ルーナは手にしていたグラスを置き、ヴィクトルの手にそっと触れてから、リクハルドに向けて言った。

「ヴィクトルの置かれている状況や、閣下のお考えは理解いたしました。にわかには信じがたいことですが……それは、わたくしなどが口を挟んで良いことではないでしょう」

 言って、ルーナは首を傾げてみせた。

「だからこそ不思議なのです。王族の血や血統、後継に関わる重大ごとに、男爵家の娘は不要なはず。それなのに、なぜこの場にわたくしも呼ばれたのでしょうか。呼び出すならば、ヴィクトルだけで良かったのではありませんか?」

 リクハルドが愉快そうに眉を上げた。

 良い玩具を見つけた、と言わんばかりの目で、ルーナをしげしげと眺めて言った。

「……メイヴィスの娘、そなたは実に面白いな。理由などとうに分かっているだろうに、わざわざそれを私に訊くか」

「ご不快でしたら申し訳ございません。けれど疑問を放置して、行き違いがあっては後が面倒ですから」

 以前のヴィクトルとルーナが、婚約者としての関係を上手く築けなかったのも、歩み寄る努力や話し合いを怠ったからに他ならない。そうした紆余曲折を乗り越えてきたルーナだからこそ、小さな疑問も見過ごしたくなかったのだ。

 ルーナがそう心の中で思うと、ふ、と隣のヴィクトルの気配が和らぐのが分かった。

 ルーナが考えたと同じことを、きっと彼も考えていたのだろう。そう思うと嬉しさに心が浮き立って、だが同時にこれから口にすることを思って、胸がつきりと痛んだ。

 ルーナは喉が震えないよう、注意深く口を開いた。

「閣下がヴィクトルを後継とする是非はともかく、そうするにはいくつか片づけなくてはならない問題がございます。その中でも目につきやすく邪魔なのは、わたくしの存在でしょう」

「ルーナ……?」

 怪訝そうに言うヴィクトルに、ルーナはにこりと微笑んだ。

「閣下の申し出を受け入れれば、あなたは次期公爵だわ。その婚約者が男爵家の娘では、釣り合いは取れないし、都合も悪いのよ」

 ようするに、と言ってルーナは微笑んだままリクハルドに視線を向けた。

「閣下がわたくしをこの場に呼んだのは、ヴィクトルとの婚約を解消させるためなのでしょう。……違いますか?」

 リクハルドが唇を歪めて笑った。

「賢しらな女は好まぬのだが、身の程を知っている点は悪くないな。――そう、そなたが理解しているとおりだ。そなたの身分は我が息子に相応しいとは言えぬ。よってヴィクトルが後継となった暁には、そなたはおとなしく身を引くが良かろう」

「……それが閣下のご命令とあるなら、仰せのとおりにいたしましょう」

「ルーナ? 待ってくれ、きみは……きみは、俺と別れると言うのか? このくだらない妄言を信じて、身を引くだって? 頼むから冗談は止してくれ。俺は絶対に、きみを手放しはしないからな」

 きっぱり言い切ったヴィクトルに、ルーナは心からの笑みを差し向けた。

 縋るように伸ばされたヴィクトルの手を、そっと握り返して言う。

「あなたなら、そう言ってくれると信じていたわ。……でもね、ヴィクトル。わたくしたち婚約の解消を命じているのは王族なのよ。そうせよと命じられればわたくしたちは、はい、と従うしかない。――あなたの、お母さまがそうであったように」

 ヴィクトルが、はっと息を呑んだ。

 彼はルーナに指摘されて初めて、その可能性に思い及んだのだろう。この反応ひとつ見るだけで、ヴィクトルがこの件に関して冷静でなかったことが良く分かる。

 そもそもが道理に合わないことだらけなのだ。

 政略婚が一般的な貴族社会において、既婚者の浮気はごくありふれた遊びのひとつである。中には愛人の数をひけらかし、それこそが真実の愛であるとうそぶく者すらいる。だがそれは後継を儲けたから目溢しされているのであって、義務を果たさずに愛人を持つことは、倫理観の歪んだ者でさえ眉を顰める行為だった。

 伯爵家に嫁いだヴィクトルの母、レイチェルがそれを知らなかったとは考えにくい。そして相手が王族となれば、どういう状況だったかは容易に想像がついてしまう。

 レイチェルがリクハルドとの関係を秘したまま、社交界に一切顔を出さないことも、その裏付けであると思えてならなかった。ルーナの憶測と言うには穿ったそれに、リクハルドが気分を害したような顔になった。

「多少の無礼は許すと言ったが、さすがに差し出口が過ぎるのではないか? そも夫を亡くし生家に戻ったレイチェルを、そなたはさほど知らぬであろう。ましてや私との関係がどうであったのか、当時は生まれてもいないそなたに分かるはずがない。私は、私なりに彼女を愛していた。だと言うのに、全ての責を私に押し付けるそなたの言い分は、あまりに短慮で不愉快だ」

「まあ、閣下に責を押し付けるなど、とんでもないことです。ですが、わたくしの言動をそう取られたのでしたら申し開きもございません。心から謝罪いたします」

 そう心にも思っていない謝罪を口にしてから、ルーナはにこりと微笑んでみせた。

「確かに閣下のおっしゃるとおり、先々代の伯爵夫人とは数度お会いしたことがあるのみです。知るのは幼少のころの印象ばかりで、人となりは詳しく存じておりません」

 ですが、と言ってルーナはまっすぐにリクハルドに視線を当てて言った。

「ヴィクトルのことや、オルスト伯爵領のことは分かります。先々代の伯爵が敷いた悪政によって、民がどれだけ困窮し、飢えに苦しみあえいでいたのか。その彼らを救うために、ヴィクトルがなにを代償にしたのかも」

「……なにが言いたい」

 リクハルドの問いかけは、答えを求めたのではなく、ルーナの口を塞ごうとする意図を感じさせるものだった。

 おそらくこの場は謝罪して、なんでもありません、と言うのが貴族として正しい対応なのだろう。だがルーナはその常識をまるきり無視して後を続けた。

「ヴィクトルが伯爵位を継いだ当時、オルストの窮状は社交界の誰もが知る醜聞でした。ことが伯爵の名誉を損なうものだっただけに、良い話の種になったのでしょう。そのくせ、彼に近づく者はなく、手を差し伸べる者は皆無でした」

「……きみのお父上、メイヴィス男爵だけは別だった。きみの父上だということを差し引いても、尊敬に値する素晴らしい人物だ。メイヴィス男爵がいなければ、オルストの名はとうに地図から消え去っていただろう」

 ヴィクトルがもの柔らかな声音で言う。

 ルーナは彼に微笑みを投げかけてから、リクハルドに視線を戻した。

「閣下はレイチェルさまを愛していた、とおっしゃいましたけれど、でしたらなぜ、困窮するオルストを見捨てたのです。本当に、酷いありさまだったのですよ。愛する方とその息子のためを思うなら、閣下との関係を詳らかにせずとも、支援くらいはできたのではありませんか?」

 リクハルドの言う愛していた、が胡散臭く聞こえたのは、この一点が引っかかっていたからだった。

 たとえレイチェルがそれを拒んだとしても、真に愛していたならなにか手を打ったはずだ。それをせずに見捨てたリクハルドが、今更しゃしゃり出て来るなど厚かましいにもほどがある。

 ヴィクトルを後継とする話にもなにか裏がありそうで、とにかく信用に値しない、のひと言に尽きた。

 王族に対する不敬で罰されようとも、ヴィクトルだけは守らなければならない。そう心を決めたルーナの隣で、その当人であるヴィクトルが耐えきれないふぜいで笑いを零した。

「ヴィクトル……?」

「ああ、いや、すまない。これが俺の血縁者かと思うと情けなくてな。あまりの情無さと馬鹿馬鹿しさに、笑わずにはいられなかったんだ」

 さらりと毒を吐いたヴィクトルは、貴婦人を虜にする完璧な笑みをリクハルドに向けて言った。

「救いがたい愚かさはともかく、閣下のおかげで母に対する蟠りを解くことができました。……どうやら、俺はあなたに感謝しなければならないらしい」

 そう穏やかな声音で言って席を立つ。ヴィクトルは胸に手を当て礼を取り、それから流れるような動作でテーブルを乗り越えた。

 止める間もなかった。

 ヴィクトルはリクハルドのタイを掴むと、もう片方の手を振りかぶった。ごつ、と固いものがぶつかる音がして、リクハルドがくぐもった呻きを漏らした。

 さすがにこれはまずい。

 ルーナは飛び上がるように立ち上がり、なおも殴ろうとしているヴィクトルの腕を引いた。

「ヴィクトル、待って、お願いだから早まらないで。あなたの気持ちは分かるけれど、でも相手は王族なのよ……!」

「それなら心配は要らない。この屑の言い分が正しければ、俺も立派な王族だ。血縁関係を盾にすれば、多少痛めつけたとしても、派手な親子喧嘩で片がつくだろう。武器を持っているわけでもないしな」

 ヴィクトルは淡々と言って、ルーナの手をやんわり振りほどいた。

 止めろ、というリクハルドの悲鳴じみた叫びも無視して、ヴィクトルが再び拳を振りかぶる。一度、二度と殴りつけてから、ヴィクトルは掴んでいたタイをあっさり放して言った。

「ルーナに感謝することだ。彼女が止めに入らなければ、この程度では済まさなかっただろう」

「っ、……きさま、私に手を出してただで済むと思うのか……!? この、無礼者めが! 私がひと言命じれば、その首など容易く落とせるのだぞ!」

「ようやく本音が出たな。その言い振りだけで、俺に対して息子として思うものなどないことが良く分かる。大方、継承権や資産絡みで厄介なことが起きて、それを解消するために後継を必要としたのだろうよ。……ああ、なるほど。先王妃の遺産相続人から外されそうなのか」

 リクハルドの顔色がさっと変わる。

 ヴィクトルのそれは鎌をかけたのではなく、どうやら確証あってのものであったらしい。

 ともあれ王族のいざこざなど、弱小貴族にとって厄介ごとの極みである。関わり合いになりたくない、と思ったのはルーナだけではなかったようで、ヴィクトルはリクハルドにとても良い笑顔を向けて言った。

「つまり、ますます俺を処分できない、というわけだ。おまえが何をして窮地に立ったかは知らないが、これ以上の醜聞は嬉しくないだろう。だからせいぜい頭を働かせて、その顔に残った傷の言い訳でも考えておくんだな」

 そう丁寧に吐き捨てたヴィクトルは、笑顔のままルーナの手を取り腕に掴まらせた。

 後はリクハルドのことなど無かったかのように部屋を後にする。人払いされていたのをいいことに、ルーナとヴィクトルは悠々と帰路に就いたのだった。

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