第三話 状況開始!
自己紹介が始まってからもう五分も経過している。
個性的なメンバーだらけだが頼りになるだろう。
「自分は鍋島陸翔、階級は陸士長です。趣味はアニメ鑑賞ですかね。」
「私の名前は澄乃美香一等陸曹です。衛生科なので怪我したら申し出てください。趣味は…いや、趣味といいますか辛い料理が好きです。」
「俺は鍋島藍翔です。陸翔の兄で階級は二等陸曹。趣味は筋トレです。宜しく。」
「僕は戸塚雅也。階級は陸士長です。趣味は格闘技観戦ですかね。」
「えっと僕は三科孝志一等陸士です。趣味は写真撮影で以前は広報志望でした。」
「俺で最後ですかね? 自分は渡邊隆之っす。階級は一等陸士です。趣味は映画鑑賞で前に一年間だけ民間企業に勤めていました。」
「ほ~民間の情報は役に立ちそうですね。」
そう戸塚が言った。
「そうなればと思います。民間から自衛隊に来ると何かから解放された気分になりましたよ。」
「民間ってそんなにやばいんですか?」
「とっても疲れますよ~。今は自衛隊が天職です。」
そんな話をしている中で時計の針は八時二十八分を指していた。
出発の〇八三〇〈八時三十分〉まであと二分である。
陸島が号令をかける。
「よし、そろそろ出発だな。全員乗車!」
「了解。」
いい返事だ。
ふと加茂の部下を思い出した。
親睦深めも大切だが隊長としてのリーダーシップも大切なんだなと同時に思った陸島なのであった。
そうこうするうちに車にエンジンがかかった。
俺と水瀬と相良は一号車兼隊長車たるパジェロに。
唐木田、鍋島、戸塚、三科、渡辺は二号車たる三トン半トラックに。
津島、見張眞、澄乃は三号車たる高機動車に乗っている。
「あ、あ、皆聞こえるか?」
俺はパジェロから無線を飛ばした。
「二号車は聞こえます。送れ。」
「同じく三号車も聞こえます。送れ。」
「よし、異常はなしだな…。」
そのわずか数十秒後に全車準備完了の報告が入った。
「よ~し、第二偵察小隊はこれより第一回偵察任務に就く。総員不屈の精神をもって臨むように。送れ。」
「了解。終り。」
こちら異世界より第三回、状況終り。