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開店準備

「お待たせ。それと、お客さんです」

「りょうた兄上、お待ちしてました!」

「おや、嘉兵衛さんかい。こんばんわ」

「お、お待ちしておりました……」


 俺が障子を開けると、頼華ちゃんの元気な声、嘉兵衛さんに気が付いて挨拶をするおりょうさん、ぱぁぁっと、期待に表情を輝かせる胡蝶さんに迎えられた。


「なんですか良さん、こんなに綺麗どころを集めて。お大尽遊びでもなさるんで?」

「違いますよ……芸妓さんとかに見えますか?」

「おりょう姐さんと、そっちのお姐さんは、髪を結い上げたらバッチリですぜ。そっちのお嬢ちゃんは、ちょっと早そうだけど、とんでもなく美人さんじゃねえっすか」

「すいません。例えが悪かったですね……」


 うん。おりょうさんと胡蝶さんは、ドレスアップすれば大概の職業のプロには見えそうだよな。


「えーっと、こちらの二人は旅先で知り合った方のお嬢さんの、お華ちゃんと、お付きのお蝶さんです」

「お華です!」

「お蝶と申します。宜しくお願い致します」

「ど、どうも……」


 元気いっぱいに挨拶をする頼華ちゃんと、丁寧に頭を下げる胡蝶さんに、嘉兵衛さんは面食らっているようだ。


「話を始める前に、どうぞ。嘉兵衛さんにも」


 全員の前にプリンの入った湯呑みと匙を置いた。


「やった! 頂きます!」

「「頂きます」」


 頼華ちゃんに続いて、おりょうさんと、かなり努力して平静を装っているように見える胡蝶さんも、プリンを食べ始めた。


「良さん、こいつは?」

「卵と砂糖と豆乳で作ったお菓子です。口に合えばいいですけど」

「ほほぅ。それじゃ、頂きます……こいつは、茶碗蒸しに似てますね」

 

 やっぱり、食べた人は共通して、そういう感想になるみたいだな。


「でも、そこらの菓子みたいに、甘さが尾を引かないから、後味がいいですね。この底の方の苦いのは、酒飲みのあっしでもイケますぜ」

「気に入ってくれたなら、良かったです。それでは本題ですね。ついでにこれも」


 ホッと一息したところで、さらしの布に包まれた鰻裂きを、嘉兵衛さんの前に置いた。


「拝見します。ふむふむ……こりゃあいい出来だが、いつもの正恒のとは、少し作りが違うような……」


 見る角度を変えたり、片目を瞑って刃を確かめたりしながら、嘉兵衛さんがポツリと言った。やっぱり、見る人が見ればわかるものなんだな。

 

「わかりますか? いいのかなとは思ったんですが、正恒さんに言われて、俺が少し手伝ったんです」

「良さんが? 失礼ですが、鍛冶の経験はおありだったんですか?」

「いえ。まったくの素人です」

「ほう!?」


 驚いた顔で声を上げた嘉兵衛さんは、改めて鰻裂きを観察する。


「正恒がいいと思って手伝ってもらったんですから、良さんが気に病む事はございやせん。それどころか、奴が一人で打った物よりも、出来がいいんじゃねえですかい?」

「いや、そんな……」


 お世辞なのは間違いないだろうが、嘉兵衛さんのように、実際に刃物を使う人に言われると嬉しい。


「それじゃこいつは、確かに受け取りました。柄の方はこっちで用意しますので」

「嘉兵衛さんの方で、包丁の柄は手配できるんですか?」

「ええ。商売柄、調理道具を扱ってる人間を何人か知ってますので」

「じゃあ、ついでにこれにも柄を付けて貰えないでしょうか?」


 俺は正恒さんに手ほどきを受けて、自分用に打った柳刃を取り出して嘉兵衛さんに渡した。


「こりゃあ……良く切れそうですね。なんというか、形は包丁ですけど、刀のような雰囲気を醸し出してます」


 構造的に刀と同じなので、嘉兵衛さんはそういう風に感じたのだろうか? それはさておき、いつまでも柄無しでは包丁としても使えない。


「よござんす。お預かりしましょう」

「料金はどれくらいでしょう?」

「そんな、結構ですよ」

「そういう訳には……」


 こういうところは、親しき中にも礼儀ありで、あまりハッキリさせておいた方がいい。


「そう仰らずに。こういう時には、年上の人間に恥をかかさねえもんですよ?」


 こう返されると困ってしまうな。包丁の柄の製作と取り付け代金の相場なんかわからないしな。


「わかりました、それではお言葉に甘えさせてもらいます」


 受けた恩は、必ず別の形で嘉兵衛さんにお返ししよう。


「そうです。それでいい。では本題に入りましょうか? あっしに相談というのは?」

「それなんですが……」

「ご馳走様でした!」

「良太、おいしかったよ」

「ふぁぁぁ……」


 三者三様で満足を示してくれているが、お客さんを前にして、少しマイペース過ぎなんじゃ……。


「あの、先ほど紹介した、お華ちゃんとお蝶さんなんですが、嘉兵衛さんが開く予定の店で、雇ってもらう訳にはいかないでしょうか?」

「あっしの店で、ですかい?」

「ええ……」


 厚かましいお願いだと思いながらも、嘉兵衛さんに切り出した。


「人手は探して口入れ屋なんかにも当たってましたので、嬉しい申し出なんですが……お蝶さんとやら、読み書きに勘定の計算なんかは出来ますかい?」

「はい。接客の経験もございます」

「その辺は、俺もおりょうさんも保証します」

「そうだね。かなり上等な部類だよ」

「そうですか。しかし、そっちのお嬢ちゃんは……」

「やっぱり、難しいですか?」


 嘉兵衛さんが、明らかに難色を示している。まあ、こういう反応になるよな。


「いや、まあ家の手伝いなんかをする子供とかがいる店はありますんで、丸っきりダメって事は無いんですが」

「でしたら、何が問題なんですか?」

「いや、そのお嬢ちゃん、鰻屋なんかで働くには、ちと上品過ぎませんか? 見たところ、いい家のお嬢さん、しかもお付きの方までいらっしゃる。雇うこっちの方で粗相があって、御実家の方から何か言われたりはしやせんか?」

「あー、そういう事ですか……」


 下賤な食べ物という扱いの鰻の店で、頼華ちゃんが異彩を放ちそうという嘉兵衛さんの言う事は理解出来る。それに、何かあったら実家の方から……何も無いよね? これは信じるしか無いか。


「無理にとは言いませんけど、着物を地味な物に着替えれば、それほど違和感も無くなるんじゃないかと思うんですが。あと、御実家の方からは、扱いはお任せすると言いつかってますので」

「そうですか……じゃあ接客と勘定をお蝶さんにお願いして、出来上がった料理を運ぶのと食器の片付けを、お華ちゃんにやってもらいましょうか。あとは洗い物ですかね」

「雇ってもらえますか!?」

「ええ。他ならぬ良さんからのお願いだ。ここで受けなきゃ男じゃねえですよ」

「嘉兵衛さん、ありがとうございます!」

「いっぱい働きます!」

「宜しくお願い致します」


 話を聞いていた頼華ちゃんと胡蝶さんが、それぞれ嘉兵衛さんに感謝を述べた。


「ははは。本格的に店を開けるにはもう少し掛かるけど、始まったら宜しく頼みますよ」

「開店までと、開店してから少しの間は俺も手伝います」

「あたしも、この子達が仕事を覚えるまでは、手伝わせてもらうよ」

「良さんと姐さんが手伝ってくれるんなら百人力だ! 頼りにさせてもらいますぜ!」


 感激してくれたのか、嘉兵衛さんが俺の手を握ってきた。


「存分にこき使ってやって下さい。それで嘉兵衛さん、もう一つお願いが」

「もう一つ、ですか?」

「こちらの二人に、宿を世話してもらえないでしょうか?」

「宿ですか?」


 明日の朝から、おりょうさんにも手伝ってもらって探して回る予定だったが、江戸で使える伝手が殆ど無い俺は、迷惑になるのを承知で嘉兵衛さんにも訊いてみた。最悪の場合は、当面は宿屋を使うしか無い。


 今夜は無理をせずに竹林庵に泊まってもらうつもりだが、長期滞在には手狭過ぎる。そもそも座敷は、本来は店の利用客用だから、営業時間中に客を通す場合は、俺も出ていかなくてはならないのだ。


「それじゃあ、こっからだと少し遠いですけど、あっしが開く予定の店ではどうですか?」

「開く予定の店、ですか?」

「ええ。浅草の大川の近くに見つけましてね。浅草寺の門前からも参道からも少し外れてるんで、広さの割には格安だったんですよ」

「そこに、お世話になっていいんですか?」

「あっしは自分の家から通いやすんで、雇った料理人か女中にでも住まわせようかと考えていたんですよ。今日はもう遅いから、良かったら明日にでも、直接見に行っちゃみませんか?」

「それは、助かります」


 なんかトントン拍子で色々と決まっていくな。多少なりとも関わっているおりょうさんの強運が関係しているのかと思うが、油断すると猪とか熊に遭遇しそうなのが怖い……。



「それじゃ明日の朝、迎えに来ますので」

「はい。宜しくお願いします。帰り道、お気をつけて」

「それでは」


 鰻裂きを受け取って、提灯で足元を照らしながら嘉兵衛さんは帰っていった。室内照明に魔法や神仏の加護を用いている人は多いみたいだけど、持ち歩き出来たり街路灯に使ったりするほどまでには行き渡っていないようで、夜になると街中でも、店や家の軒先辺り以外は明るくない。


 灯りの道具や加護なんかは、一度手にしてしまえば半永久的に使えるのだろうけど、この辺は道具にしても信仰に対する寄進にしても、一時的には少なからずお金がかかるのだから、全部をカバーできないのは仕方がないのだろう。道具はともかく、加護を手にい入れるのに金額が左右するのかは不明だが。



 そろそろ就寝というところで一悶着が発生した。


「りょうた兄上が一人で寝るんだったら、私が同じ部屋で寝ても問題無いですよね?」

「問題は……無いのかな?」

「だから、お華ちゃんは隣の部屋で寝なって……」

「お華様、あまり我儘を言われるものでは……」


 俺が使わせてもらっている部屋の隣には、同じ造りの部屋があるので、今夜は頼華ちゃんと胡蝶さんにはそこで寝るようにとおりょうさんが言ったのだが、広さが同じなら俺の部屋で寝たいと頼華ちゃんが言い出したのだ。


「別にいいんじゃないですか?」

「そんな事言ったって、良太が変な気でも起こしたら……」

「起こしませんよ!?」


 ごく自然に、おりょうさんがとんでもない事を言い出した。


「起きないのか!? よし。では起きるまではお蝶に任せる!」

「承知しました」

「承知しないで下さい!」


 胡蝶さんの、頼華ちゃんと源家への忠誠心が高いのも問題だ。高い……んだよな?


「どうも危なっかしいねぇ……念のために、今夜はあたしも二階で寝るよ」

「信用無いなぁ……」


 理不尽な物を感じて、思わずぼやいてしまった。


「あ、こ、この場合は良太がじゃなくて、お華ちゃんとお蝶さんがだからね?」

「むぅ。さすがに無手では、立ちはだかるりょう姉上を突破するのは困難ですね……」

「冷静に戦力分析しないでね?」

「お華様、陽動はお任せを」

「……お蝶さんは、お華ちゃんのお目付け役ですよね?」

「はっ!? つ、つい、源家のお世継ぎの事を考えてしまいまして……」

「考えているんでしたら、もう少し冷静に……」


 物凄くカオスな会話をなんとか切り上げて、結局、俺は一人で。頼華ちゃんと胡蝶さんとおりょうさんが、隣の部屋で寝る事になった。おりょうさんには苦労かけちゃってるなぁ。今度、何かの形で労おう。



「りょう姉上、お代わりが欲しいです!」

「はいはい。ちょいとお待ち」


 今日も頼華ちゃんは朝から元気いっぱいで、三杯目の御飯のお代わりをしている。今朝のご飯は蕪の味噌汁が特においしくて、俺も御飯と味噌汁を一回ずつお代りした。


「良さん、おはようございます。朝飯はお済みですか?」

「嘉兵衛さん、おはようございます」


 朝食を終えて、食器を片付けてお茶を飲み始めたタイミングで、嘉兵衛さんが顔を出した。風呂敷包みと大きな桶を抱えている。


「準備が良ければ行きましょうか?」

「はい。お華ちゃん、お蝶さん、いいですか?」

「はい!」

「準備整っております」

「だそうです。嘉兵衛さん、行きましょう」

「そいじゃ、後に付いてきて下さい」

「あ、あたしも行くよ」


 行ってきますと、言おうと思ったタイミングで、おりょうさんも店の外へ出て来た。


「店はいいんですか?」


 このところ、藤沢や鎌倉に行ったりで、おりょうさんが店にいられなかったのを少し気にしていたんだが。


「大丈夫さ。さ、行くよ」

「お、おりょうさん!?」


 おりょうさんは俺の俺の左腕に自分の腕を絡ませてきた。


「りょうた兄上、私も!」


 張り合っている訳では無いのだろうけど、頼華ちゃんが反対側の手を握ってきた。


「はっはっは。良さんはモテますねぇ」

「嘉兵衛さん……」

「私も、背中に抱きついたりした方が宜しいでしょうか?」

「お蝶さんは、真面目な顔でそういう事を言わないで、普通に歩いて下さい」

「左様ですか……ちっ」


 なんか結構、露骨な感じの舌打ちが聞こえた気がするけど、何も無かった事にしておこう。



「ここです」

「……やっと着きましたか」


 片腕を美女に取られ、片手を美少女と繋いでいるのだから、人も羨むような状況に見えるのだろうけど、その視線に好奇や嫉妬が混じっていると話は別だ。ついこの間、同じくらいの距離を歩いたのに、到着までが物凄く長く感じた。



 大川、今で言う隅田川に面した通り沿いの、駒形橋ではなく駒形の渡しの近くに、嘉兵衛さんが鰻屋を開く予定の物件はあった。今の時期は川沿いに植えられた桜が綺麗だが、確か江戸時代にも花火大会はあったはずなので、この場所は見物するのに絶好の場所なんじゃないかと思う。


「本当に、大きいですね……」


 店構えから推察するだけでも、竹林庵の倍くらいの敷地ではないだろうか? 築年数はそれなりにあるようだが、特に古びた感じは無いし、二階建ての立派な造りだ。


「そうでしょう? さあ、中へどうぞ」


 中に入ると、右手に小上がりの座敷がある。中央に通路があり、左手には厨房。厨房と通路の間は格子で仕切られていて、料理受け渡すための小さな窓が開いている。


「嘉兵衛さん、店の造りはこのままで営業を開始するんですか?」

「座敷の畳はもう入れ替えましたんで、掃除して、調度と食器類を揃えれば開けられますよ。何か気になりますか?」

「うーん……ちょっと、店で出す物の相談をしながら話しましょうか」

「わかりました。でもその前に、ちょいと昼には早いですが、せっかくですから鰻はどうですか?」

「ああ、それはいいですね。お華ちゃん達は初めてですし。俺も手伝いましょう」

「それじゃあたし達は、出来るまで掃除でもしようかね」

「そりゃ助かります。とりあえずは、これから使う厨房以外をお願いできますか?」

「そんなら、二階の座敷の方をやっておこうか」


 さすがと言うか、おりょうさんはこういうところに気がつくなぁ。


「そいじゃお華ちゃん、お蝶さん、良太と嘉兵衛さんがおいしいお昼を作ってくれるから、それまで他を片付けるよ」

「はい!」

「畏まりました」

「……試食程度に考えていたんですけど、ちょっと責任重大になっちゃいましたね」


 そんなに気を抜いた物を作るつもりは無かったけど、厨房と鰻裂きの使い勝手を確かめる程度にしか思ってなかったんだけどな。


「ははは。正恒と良さんが作ってくれたこいつがあれば、この間よりも悪い物は出来ませんよ」


 ちゃんと柄の付いた鰻裂きを持ちながら、嘉兵衛さんが自信満々に言い放った。


「もう。嘉兵衛さんまで……」

「ははは。それじゃ良さん、始めましょうか」

「はい」


 笑顔の嘉兵衛さんにつられて、俺も笑いながら厨房へと歩いた。



「良さんの言ってた目打ちの代わりに、これを用意してきました」


 七輪で炭を熾しながら、嘉兵衛さんが俺に手渡したのは千枚通しだった。


「これなら十分、代用品になりますね。それどころか、そのまま使い続けてもいいかも」

「でもまあ、正恒に発注したんでしたら、ぼちぼち届くでしょう」


 炭火の管理は嘉兵衛さんに任せて、俺は桶から活きている鰻を掴み出し、千枚通しでまな板に頭を固定すると、鰻裂きを一気に走らせて背開きにした。中骨と内蔵も取り去る。うん。普通の包丁と比べると、格段に裂きやすい。


「さすがは良さんだ。この間も見事でしたが、鰻裂きを使ったら格段に綺麗に裂けている」

「やめて下さいよ、道具がいいんですってば」


 お世辞にしても嬉しいが、ちょっと照れる。


「嘉兵衛さん、これはどう調理します?」

「蒲焼きですかね。生憎と、まだ蒸し器はこっちの店には用意してねえんですが」

「御飯はありますか?」

「飯は無いですが、必要でしたら近くの飯屋から買ってきますよ」

「なら、嘉兵衛さんの味見も兼ねて、鰻丼にしましょうか」


 捌いた鰻を切り分けてから脇に除けて、人数を考えてもう一匹捌いてから串を打った。今回は頭付きで長いまま焼く事にした。


 だから、串は持ちやすいように中心に向かって角度をつけて打ってある。長い金串が欲しいところだが、無い物ねだりをしても仕方がないので竹串を使用する。


「良さんと姐さんが帰ってくるまでの間だけですが、タレの方は多目に仕込んでおきました」


 嘉兵衛さんが風呂敷包みの中から、蓋付きの(かめ)を取り出した。蓋を開けると、瓶の縁ギリギリまでタレで満たされている。これならたっぷり使って焼けるし、鰻丼の御飯にもタレを掛けられる。


「それじゃお手数ですが、御飯と、ついでに味噌汁と漬物もお願い出来ますか」


 串を打った鰻を七輪に載せた。凄い煙が上がる。


「承知しやした」


 鰻の焼き加減を見ていたので、失礼ではあるが、嘉兵衛さんが出て行く声を背中で受ける事になった。せめてものお詫びに、鰻はきっちり面倒を見よう。不動明王の権能を使って、炭火の調整をする。


「それにしても……」


 かなりいい具合に焼けた鰻を裏返し、火を気にしつつも、改めて厨房の中を見回すと、かなり奥行きが深いのがわかる。店の裏に出るための木戸の前の辺りには何も置かれていなくて、広々としている。


 その木戸の前辺りの三メートほどの床は、漆喰で舗装までされている。なんか決まった用途でもあってこういう造りになっているんだろうか?


「ふむ……おっと、次に行くか」


 一匹目に程よく火が通ったので一旦置いておく。タレを付けての本焼きに移る前に、もう一匹の方を焼き始める。出来れば皆で一緒に食べ始めたいしね。


 じっくり二匹目に火を通したところで、タレを付けて本焼きする。焼ける煙に鰻独特の風味とタレの焦げる匂いが混ざって、なんとも食欲を刺激する。


「はぁぁ……この匂い、たまんないね」

「兄上! お腹が空きました!」

「凄い煙ですね」


 気がつくと、掃除を終えたのか、それとも匂いに釣られたのか、おりょうさん達が俺を取り巻くようにして、鰻を焼く作業を見ていた。


「良さん、お待ち遠様です」


 一匹目が焼きあがった素晴らしいタイミングで、嘉兵衛さんが帰ってきた。


「それじゃ三人分を用意しますから、おりょうさん達は先に食べてて下さい」

「そうかい? 良太達が後になっちまって悪いねぇ」


 そう言いながらも、おりょうさんは期待に笑顔になっている。俺は鰻を切り分けて、嘉兵衛さんが買ってきてくれた御飯に盛り付け、仕上げに少しタレを掛けた。


「どうぞ。鰻丼です」

「そいじゃ早速、頂きます」

「頂きます!」

「匂いはいいですけど、なんか見た目は結構凄いですね……頂きます」


 待ちきれないという感じのおりょうさんと頼華ちゃんと、確かに見慣れない感じの食べ物なので、少し躊躇していた胡蝶さんが鰻丼を食べ始めた。あまり待たせては悪いので、嘉兵衛さんと俺の分もなるべく早く仕上げよう。


「姉上! 食べ進めたら、中からも鰻が出てきました!」


 お姫様らしからぬ、物凄い勢いで御飯と鰻を掻き込んでいた頼華ちゃんがは驚いて手を止めたが、それも一瞬の事で、再び掻き込むのを再開した。


「良太ったら、あの時あたしが言ったのを覚えててくれたんだね……」


 正恒さんの家で出した中入れの鰻丼をおりょうさんが羨ましがっていたので、リクエストに応えた。気が付いてくれたみたいだし、どうやら喜んでくれたみたいだ。


「鰻って、おいしい物だったんですねぇ……凄い脂ですけど、甘辛いタレと混じってなんとも……」


 一見すると上品に食べている胡蝶さんだが、箸が丼と口を往復する速度は常に一定で、全く止まる気配がない。


「嘉兵衛さん、出来ましたのでどうぞ」

「おお、待ってました! それでは、頂きます」

「頂きます」


 俺も、自分の分を食べ始めた。うん。即席で作ったのとは違って、短い期間でも馴染んで漁が多いタレで、かなり元の世界の鰻の味に近づいているな。もしかすると、俺が食べる機会が無かったので、天然鰻を使った蒲焼きは、元々こういう味なのかもしれないけど。


「うん! 鰻が二層に入っているのは、なんとも嬉しい仕掛けですね!」

「気に入ってもらえて良かったです。それで、俺からの提案なんですが、この間、色々と料理を説明しましたけど、昼はこの丼だけにしたらいいんじゃないかと思うんです」


 一度鰻を食べる手を止め、丼を置いて味噌汁の椀を口に運ぶ。うん。鰻だけでも十分食べ切れるけど、口直しの漬物と味噌汁の効果は偉大だ。


「丼だけですか?」

「ええ。それも、三種類くらいに」

「ちょ、ちょいとお待ち下さい。落ち着いて聞きたいんで、食っちまいます……」

「あ、そんなに慌てないでも……」


 嘉兵衛さんに説明しなければならないので、俺も少し食べるペースを上げなければならなかった。



「それで良さん、昼は丼だけというのは、なんでまた?」

「一つは、鰻がまだ下魚でおいしくないという先入観で、客の入りが読めないという点です」

「それはまあ、そうかもしれませんね。俺だって、良さんから調理法を教わるまでは、うまいもんだとは思ってませんでしたから」


 俺の説明に、嘉兵衛さんは納得してくれているようだ。


「もう一つは、店を始めてから色々と問題点が出てくると思うんですけど、これは品数を絞ればある程度回避できるのと、嘉兵衛さんにもわかっているんじゃないかと思うんですが、鰻はどうしてもお客さんに出すまで時間が掛かりますよね?」

「その点はあっしも考えてやした。気の短い江戸っ子の中には、出すまで我慢出来ない者がいそうだなと」


 蒸しを入れる関東風のやり方だと、裂いて串を打って焼いて蒸して、タレを付けて更に焼いてという行程なので、客に出すのにどれだけ手際良くやっても三十分ぐらいは掛かってしまう。


「だから昼は、同じ行程しかない丼だけを出して鰻を知ってもらって、夜になったら様々な料理と一緒にお酒も出して、最後に鰻丼も食べたい人には、呑んでいる最中に早めに注文してもらうって方式ではどうかと」


 これは元の世界の標準的な鰻屋さんの営業の仕方だと思うけど、丼だけに絞る予定の昼の時間帯だって、もしかしたら手が回らない事態も考えられるのだ。危ない橋は、可能ならば渡らないに越したことはない。


「嘉兵衛さん、これと同じ物か、似たような物を持っていたりしませんか?」


 俺は福袋を手に持って嘉兵衛さんに見せた。


「福袋でござんすよね? いえ、持っちゃいませんねぇ」

「そうですか……これがあれば、中では生モノが劣化しないので、例えば割いた段階とか、白焼きまでした段階で保存して、お客さんに出す前に仕上げ、みたいな事が出来るんですけどね」


 串焼きの方はわからないが、鰻屋では基本的には裂きから仕上げまでを一気に行うみたいなので、この方法は邪道なのかもしれないけど、手段としてはかなり有効なんじゃないかと思う。


「俺が手伝う間は、この手持ちの福袋で、ある程度下拵えをした鰻を保存という手段も使った方がいいんじゃないかと思うんですが」

「ううむ……確かに、昼も夜もある程度、客の傾向が掴めるまでは、そうした方が無難でしょうなぁ」

「理解してもらえましたか?」

「ええ。気の短い客が、待ちきれなくて出ていっちまうところまで想像して、ゾッとしやしたよ」


 嘉兵衛さんが苦笑する。なんとか俺の危惧していた事は伝わったようだ。


「それじゃあ、実はここからが本題なんですが、店を少し改装しませんか?」

「ほぅ? それはまた、どのように?」


 嘉兵衛さんが、興味深そうに、俺の方に少し身を乗り出してきた。


「ちょいとお二人さん、話が長くなりそうなら、あたし達は掃除を再開しようかと思うけど?」

「あ、そうですね。お願いできますか?」

「ああ。さっさと片付けちまうよ。それじゃお華ちゃん、お蝶さん、行こうかね」

「はい! 兄上、鰻丼おいしかったです!」

「大変おいしかったです。御馳走様でした」


 おりょうさん達三人は立ち上がると、二階へ上がっていった。


「では話を戻しまして。あの厨房との仕切りのところに、横に長い席を設けたらどうかと思うんです」

「となると、座敷に背を向けた形で、椅子を並べるんですね?」

「ええ。座敷や座卓の席よりお客さんを多く受け入れられるし、一人客でも気軽に座れます。何よりも、椅子席のお客さんは、直接注文を入れて、料理や酒を受け取れるので、接客の方は座敷だけを気にすれば良くなりますよね?」

「ああ、成る程」

「勿論、お互いに助け合うんですけどね」


 ここまでは頭の中でシミュレートしてみたけど、あとは実戦してみないと問題点の洗い出しは出来ないだろう。


「椅子席の方は、仕切りの格子を取っ払って、板を据え付ければいいだけなので、うまい具合に手の空いている大工を捕まえられたら、それほど時間は掛からないでしょう。椅子の方は、いい物が見つからなければ、適当な木樽に座布団を置くだけでも」


 樽に座布団というと、時代劇なんかで良く見たやつだな。あれはあれで、趣があるように思える。


「俺が気が付いたところですと、鰻丼用の丼、出来れば蓋付きの物ですね。あ、話は戻りますが、昼に出す品書きですが、丼、少し鰻の大きい丼に味噌汁と漬物、さっき食べてもらった中入丼に、味噌汁と漬物、という感じではどうかなと思いますが」

「ふむ……値段の方はどれくらいを考えてます?」

「丼を銅貨五枚。漬物と味噌汁付きを銅貨七枚。中入を銅貨十枚ではどうでしょう?」


 中入れ丼でも、竹林庵のかき揚げ蕎麦よりも安いが、大量に油を使う天ぷらよりは安いんじゃないかと考えた。


「仕入れを考えりゃ、手間は掛かるがそれでも十分に儲けは出ますね」


 最初に嘉兵衛さんと出会った時に、辻売りの店で売ってもらった巨大な天然鰻が一匹で銅貨三枚だったからな。仕入れ値ならもっと安いのかもしれないし、それでいて一匹で一番安い鰻丼なら四杯分以上になる。


 炭なんかの燃料代や、その他の材料費を考えても、売れば売るだけ儲けになるだろう。あれ、小さい切り身の串焼きなら、もしかしなくてもボロ儲けか?


「わかりやした。良さんの考えた通りで行きやしょう。他に、何か気になったところはありやすか?」

「んー。これは、嘉兵衛さんが使い難いんじゃなければ、構わないとは思うんですけど……」


 試食用の鰻を焼いている時に、通常の七輪では無く、元の世界の焼き鳥屋なんかにある、横長の焼台があるといいなと思ったのだ。特に今回は蒸しを入れない長焼きだったので、その思いが強い。


「横長でしたら、幾つもの蒲焼きや串焼きも、一度に焼けますね……こいつはなんとかした方が良さそうですね」

「そういった専用の道具が無くても、例えば板組に、薄い鉄板を貼っただけでも使えるとは思うんですけど」

「いや、そこは、もしもの延焼が怖いですから……七輪みたいに焼き物にするには時間が掛かりやすが、漆喰を塗ればなんとか……」


 嘉兵衛さんが色々と思案し始めた。こういうのは、辻売りで魚介を焼いていた人なので、何か心当たりがあるのかもしれない。


「あ、嘉兵衛さん、鰻の店とは関係ないんですが、ちょっと店の中で気になったところがあるんですけど」

「この店の中ですか?」


 俺は嘉兵衛さんに付いてきてもらって、厨房の奥の通用口の方へ歩く。


「あの、この辺りって、なんかか変に広く空間を取ってありませんか?」

「ああ、その事ですか。なんでもここは、以前は猪鍋を出していた店だったらしくて……」


 嘉兵衛さんは話しながら通用口を開けた。竹垣で囲まれた、そこそこ広い空間には井戸があり、地面には小石が敷き詰められている。左手には簡素な門があって細い路地に面していて、入口のある表の通りへ抜けられるようになっている。


「この裏手と店の中で、猪を処理していたみたいなんですよ。良く見ると、中の扉に近い辺りは、少し傾斜しているでしょう?」

「ええ」


 嘉兵衛さんに言われて良く観察すると、扉の下に細い開口部があり、傾斜した床から裏へ抜けている。


「処理の時に出た血なんかを、洗い流して裏に出しちまってたみたいですね。裏も少し傾斜してて、石敷きに撒かれた水は排水溝へ流れ込むようになってます」

「へぇー」


 なんというか、かなり機能的な造りになっているな。


「そうそう。変わった造りと言えば、良さん、ちょっとこっちへ」

「はい?」


 中へ入っていった嘉兵衛さんの後を追い、二階への階段のところまでやって来た。階段の奥、突き当りにはトイレ、厠がある。さっき見た店の裏に出っ張るような構造だが、臭いや処理業者の事を考えると、これもまた機能的だ。


「ここなんですがね」

「?」


 嘉兵衛さんが、階段の一番下の部分の、壁との境目の辺りを手で掴むと、床板が持ち上がった。


「これは……隠し扉?」

「そうなんですよ」


 跳ね上げられた床板の先に顔を出した、下りの階段を降りていく。地下の空間は畳で言えば八畳くらいあり、床から天井までは二メートル以上ある。


「中は意外と明るいんですね」

「ええ。ここの天井は一階の床よりは少しだけ高い位置になっていて、雨水が流れ込まないようにしながら、敷き詰められた石で、灯り取りと換気用の窓を隠してます」

「なんかこう、秘密の隠れ家みたいですね?」


 時代劇の、影の忍者軍団の隠れ家を思い出してしまう。


「実際は猪肉の貯蔵庫だったみたいなんですが、ここを世話してくれた奴からは何も聞いてません。見つけたのは偶然です」


 嘉兵衛さんが言うには、二階へ上がる時に足で踏んだ床の感触と足音がおかしく感じて、少し調べたら隠し扉を発見したらしい。


「嘉兵衛さん、この部屋って、どうするつもりですか?」

「どうって、良さんの進言に従って、漬物と味噌汁を出しますんで、米とかとも合わせて貯蔵庫にしようかと思ってましたが、何か?」

「それでも、この部屋の全部は使いませんよね?」

「そりゃそうですね。上げ下ろしも大変ですから大量に運び込んで貯蔵したりはしませんし、せいぜいが片隅を使う程度でしょう」

「だったら、残りの部分は俺に貸してもらえませんか?」

「良さんに?」

「ええ」


 ここを見た瞬間に、俺はすっかり気に入ってしまっていた。男のロマン、秘密基地だ!


「家賃は払いますので、是非お願いします」

「良さんには世話になってますから、家賃なんざいりやせんよ」

「そういう訳には……」

「鰻屋の手伝いと新しい料理、それに鰻裂きの手配と、こっちはちっとも恩を返しきれていやせんぜ。これくらいはさせて下さい」

「そう仰るなら、お言葉に甘えます。それと、ついでもう一つ。こっちは、俺がお金を出しますから」

「なんですか?」


 俺は裏口の前のスペースを活かすアイディアを、嘉兵衛さんに説明した。


「そいつぁ、中々いい考えですが、結構な手間が掛かるんじゃ?」

「板囲いだけ作ってもらえれば、それ程問題は無いと思います」


 なんかすっかり、嘉兵衛さんの店を改造する気満々になってしまっているが、これはあれば役に立つ物なので、特に反対意見は出なかった。


「じゃあ厨房の仕切りと、この部分の改装は手配しておきやす。他の食器類なんかも。あと、地下に物の整理用に棚を置こうかと思いますが、大丈夫ですか?」

「ああ、その方が使い勝手が良くなりますね」


 その棚を置いて、裏側に俺のパーソナルスペースを構築すれば、二段階で秘密基地っぽくなるな! 夢が膨らむ。


「それじゃ、今日はこれくらいで切り上げましょうか」


 現代の時刻で言えば、十五時くらいになった。まだ早い時間ではあるが、ここから品川宿までは徒歩でそれなりに掛かる。


「そうですね。うまい具合に色んな物が手配できれば、三、四日もあれば開店できそうですね」

「なら、明日は蒲焼き以外の料理の試作をしましょうか」

「ああ、そいつはいいですね。器具なんかは、わかる範囲で用意しておきます」

「お願いします」


 必然的に明日の昼食も鰻になるが、一日一食くらいなら飽きも来ないし、蒲焼き以外のメニューも作る予定だ。


「おりょうさん、お華ちゃん、今日はもう終わりにしましょう」

「おやそうかい? そいじゃ帰ろうかね」


 おりょうさんは掃除をしていた手を止め、前掛けを取った。俺が見た感じでは、飾り気がないだけで綺麗に


なった座敷は、すぐにでも利用出来そうだ。


「お華ちゃん、お蝶さんも行きましょう」

「今日からここに住むのではないのですか?」

「私も、そのつもりでしたが」


 引っ越しの予定で、頼華ちゃんと胡蝶さんは荷物を運んできていた。


「まだ少し厨房を造り替えるから、ここで料理を作るのは難しいんですよ」

「ああ、そういうことかい」

「ええ。ですからおりょうさん、もう暫くの間、竹林庵に泊めてあげるか、宿を世話してあげてもらえませんか?」

「それなら、竹林庵にいればいいさね」

「今夜もりょう姉上のお店で御飯ですか!?」

「そういう事になったみたいだねぇ。さ、帰ろうか」

「はい!」


 おりょうさんと頼華ちゃんが連れ立って階下へ降りていき、俺と胡蝶さんも後に続いた。


「それじゃあ嘉兵衛さん、帰ります」

「良さん、皆さん、また明日もお願いしやす」

「明日も宜しくお願いします! 鰻、とってもおいしかったです!」

「ははは。明日も良さんと試作するので、お楽しみに」

「はい!」

「それでは、失礼致します」


 元気いっぱいの頼華ちゃんに続いて、胡蝶さんが丁寧な挨拶をしてから、俺達は嘉兵衛さんの店を後にした。



「明日は今日よりも早く上がらせてもらって、生活するのに必要そうな物を買いに行きませんか?」


 行きと同じく、俺と腕を組んで歩くおりょうさんに話しかけた。反対側の手は頼華ちゃんと繋いでいる。


「ああ、そうだねぇ。少し地味目な着物なんかもいるんだったかい?」

「買っておいた方がいいでしょうね」


 着物で頼華ちゃんの持ち前の上品さを隠しきれるかどうかは怪しいが、女性は衣類と髪型と化粧で化けるからなぁ。


「俺は店とか知らないので、おりょうさんが頼りです。なんか頼りっぱなしで申し訳ないですけど」

「そんな事は、気にしてんじゃないよ。お華ちゃんは、あたしにとっても妹みたいなもんなんだからさ。ね?」

「はい!」


 おりょうさんの言葉に、頼華ちゃんが嬉しそうに微笑む。


「胡蝶さんは、必要そうな物を考えておいて下さいね」

「畏まりました」


 俺の方でも、少し考えておこう。でも、女性の事は良くわからないので、結局はおりょうさんが頼りだな。

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