表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
177/402

シャワートイレ

 おりょうさんも頼華ちゃんも女性だけあって、ファッションへの興味は尽きないようで、次々とショップのサイトを切り替えては、あれがいいこれがいいとはしゃいでいる。


「こうやってネットで探して商品を買う事も出来るんですけど、売り切れや寸法(サイズ)が合わない事もあるので、最初は店まで行って現物を見て合わせて買った方が、無難だと思います」


「そうだねぇ」

「ネットで調べた物が、店頭で売っていないなんて事もあるんですけどね」


 こう言っておかないと、お目当ての物がサイトにも店頭にも無かったり、あってもサイズが合わないとガッカリされてしまうかも思ったので、予防線を張っておいた。


「それは……仕方が無いねぇ」

「でも、現物を見て選ぶ方が楽しそうです!」

「そうやって探したら、もっちいい物が見つかるかもしれないしね」

「はい!」


 こっちの世界に来る際の情報の入力というのはかなり高性能、高精度だったようで、おりょうさんも頼華ちゃんも俺の説明を完全に理解してくれている。


「それじゃ今日はこの辺にしておいて、風呂に入って寝ましょうか」


 大体の買い物の方針が決まったし、二人も納得した感じなので、ネットでの衣類の物色は終了にした。


 風呂の準備は水量調整まで自動なので、いつでも入れる状態になっている。


「それじゃ良太、一緒に……」

「兄上、御一緒に……」

「残念ながら無理です」


 当たり前のように一緒に入ろうと言い出した二人の言葉を、無情に思われるかもしれないが俺は遮った。


「「ええー……」」

「いや、こっちでは混浴は……それに、物理的に無理なんですよ」


 不満そうな表情を隠そうともしない二人に、俺は言い聞かせる。


「物理的に、かい?」

「ええ。この部屋と同様に風呂も広くないし、湯船も一人で入る程度の大きさなんですよ」


 風呂釜では無く給湯方式なので、少し脚を伸ばせる程度の広さはあるが、小さい子でも無ければ二人以上の入浴をするのは厳しい大きさの湯船なのだ。


「だったら、あたしと頼華ちゃんが一日置きに交代で……」

「……だ、駄目です」


 あまりにも魅力的な申し出だったので、思わずおりょうさんにオッケーと言ってしまいそうになったが、なんとか踏み留まった。


「そういう事なら、今日は良太が先にお入りよ。あたしはもうちょっと、服とか調べたいから」

「余も姉上と御一緒しますので、兄上はお先にどうぞ!」

「そうですか? なら、お言葉に甘えようかな」


 礼儀としてお客様が先と思っていたのだが、まだ色々と調べたいという二人の気持ちもわかるので、お先に入浴する事にした。


「後で電源の切り方を教えますから、見終わってもそのままにしておいて下さいね」


 そういう知識も入力されているのかもしれないのだが、物理的にパソコンの電源を切られるとえらい事になるので、念の為に言っておいた。


「わかったよ。良太は安心して風呂に入ってきな」

「兄上、また後程!」


 画面から目を離さずにいる二人の言葉に送られて、俺は着替えを持って風呂に向かった。



「ふぅ……」


 風呂から出てリビング方向へ階段を下り、俺の部屋に向かって階段を折り返して上がる。


 入浴ついでに、おりょうさんと頼華ちゃん用に買ってきたシャンプーにリンス、ボディーソープなんかを風呂場に用意しておいた。


 母親の物を使ってもいいかとも思ったのだが、髪の毛の長い二人が三週間使用すると結構な消費量になるので、女性用のそういう物に詳しくない俺は、テレビのCMなんかで良く流れている中で比較的高級そうな物を選んで、激安の殿堂から買ってきた。


「……ん?」


 部屋の中から、何やら妙な雰囲気が漂ってくるのを肌で感じた。


(向こうで(エーテル)が鍛えられた分、こっちの身体に戻ってもフィードバックはあるみたいだな)


 風呂に入る際に、いつもの習慣で眼鏡を外そうとしたのだが、突っ伏していた机から起き上がる時に鬱陶しいと感じ、そのまま反射的に外していた事を、入浴時まで気が付かなかったのだ。


 それ程は強くない近視なので、家の中で動き回るくらいなら眼鏡無しでも大丈夫なのだが、買い物に行く際に気が付かなかったので、強化された(エーテル)が視力を回復させてくれているのは間違い無い。


 おりょうさんと頼華ちゃんは俺が眼鏡を掛けていない顔の方が見慣れているので、何も言わなかったのは当然だ。


 そして恐らくだが視力だけでは無く、強化されている(エーテル)が気配の察知などや身体能力も底上げしているだろう。


(それにしても、この緊張感はいったい……)


 驚かせると悪いので、俺は出来るだけ音を立てないように部屋のドアをそっと開けた。


「……あ、姉上! これは下着なのでしょうか!?」

「……こうなると下着ってよりは、紐にしか見えないねぇ」


 声を潜めながら頼華ちゃんの指差す画面を、おりょうさんが見ながら呆れたような感想を漏らした。


(なんなんだ? って、こ、これは……)


 おりょうさんと頼華ちゃんが見ていたのは『彼氏を悩殺セクシーランジェリー』という見出しの付いた、少しアダルト傾向の強いサイトだった。


 頼華ちゃんが指差す先には、背中を向けたモデルの女性のお尻がほぼ剥き出しになっている、所謂Tバックという種類の下着があった。


「あの……」

「ひゃっ!?」

「ふわぁっ!?」


 俺が恐る恐る声を掛けると、二人は変な声を発しながら文字通りに飛び上がって驚いた。


「お、おかえり良太。早かったねぇ」

「お、おかえりなさい兄上! いいお湯でしたか?」

「おりょうさん、頼華ちゃん、一体何を……」


 入力された知識の中には、パソコンの画面を一瞬で切り替えるようなニッチな物は無かったようで、二人は俺の方を向きながら、後ろ手で必死に『彼氏を悩殺セクシーランジェリー』のサイトが表示されている画面を隠そうと努力している。


「はぁ……おりょうさん、頼華ちゃんにはこういうのはまだ早いですよ」


 おりょうさんだけならいいという訳でも無いのだが、ここは年長者として思い留まって欲しかったので、敢えて苦言を呈した。


「う……その、ごめん」

「兄上! 余には早いとは心外です!」


 おりょうさんは反省の色を見せているのだが、頼華ちゃんは食って掛かってきた。


「頼華ちゃん」

「は、はい……」


 息が掛かるくらいに顔を近づけて名前を呼ぶと、頼華ちゃんは一転して大人しくなった。


「こんな下着付けなくっても、頼華ちゃんは魅力的だから。勿論、おりょうさんもですけど」

「「っ!」」


 俺の言葉に、二人ははっきりと聞こえるくらいに息を呑んだ。


「……明日は駅前の、女性用の下着を売ってるお店にも連れて行くので、そこでは好きに選ぶといいですよ。俺は外で待ってますけどね」


 当たり前だが俺は利用した事は無いが、オープン時の派手な宣伝や新聞に入っている広告チラシで、駅前のショッピングモールに、女性用の下着専門店が入っているのくらいは知っていた。


「そ、そいじゃ頼華ちゃん。下調べはこんくらいにしといて、風呂に入るかねぇ」

「そ、そうですね姉上!」


 頬を染めた二人は、仲良く立ち上がった。


「寝間着は……あるんでしたね。脱いだ衣類は洗濯しますから、風呂場の脱衣所脇にある洗濯機に入れておいて下さい」

「わかったよ」

「はい!」


 簡単な説明で、おりょうさんと頼華ちゃんは理解を示した。


「それじゃごゆっくり……いや。説明がまだあるので、俺も一緒に行きましょう」


 シャワーの温度調整とかも、一通り説明しておいた方が良さそうなので、二人と一緒に風呂場へ行く事にした。


「そうかい?」

「お願いします!」


 パソコンの画面がそのままなのは気になるが、二人を待たせるのも悪いので、一緒に部屋を出て風呂場に向かった。 



「これがおりょうさん達に用意したシャンプーとリンスと、石鹸の代わりに身体を洗うボディーソープです」

「気を遣ってくれて嬉しいけど、わざわざ用意しないでも、良太が使ってるのと同じで良かったのに」

「うーん。女性の髪や肌に合わせて調整されてるらしいですから、やっぱり俺と同じよりはいいと思いまして」


 それ程は極端な違いは無いと思うのだが、洗浄力や保湿性などの違いがあるようなので、おりょうさんと頼華ちゃんが美しさを保つ為なら、この程度は散財とも言えないだろう。


「あ、ありがと……」

「ど、どういたしまして……」


 どうやら俺の気遣いはおりょうさんに届いたようで、嬉しそうに頬を染めて呟いた。


「姉上! 風呂の前に用を足しますので、お先にどうぞ!」


 頼華ちゃんは脱衣所を出て、すぐ隣のトイレに入ってドアを締めた。


「おやそうかい? そいじゃ良太、また後で」

「はい。冷たい物でも用意しておきますよ」


 おりょうさんと挨拶を交わした俺は、階段を下ってリビングへ……と、思ったのだが。


 ぴゃあああああぁ……


「ら、頼華ちゃん!?」


 トイレのドアの向こうから、頼華ちゃんの悲鳴、と言うには些か気の抜けた様な声が尾を引くのが聞こえたので、その場で立ち止まった。


「頼華ちゃん! 頼華ちゃん! 何かあったの!?」


 幼いとは言えレディの使用中にする行為としては適当では無いが、俺は激しくドアをノックしながら中の頼華ちゃんへ呼び掛けた。


『あ、兄上っ!? あ、あの、なんでもありませんので! ちょっと驚いただけで……』

「驚いた?」


(あ、もしかして……)


 狭いトイレの空間の中で、何か頼華ちゃんが驚くような物があったかなと考えて、一つ思い当たった。


「……変な声を出してしまいまして、お恥ずかしいです」

「何も無かったんなら良かったよ」


 顔を真赤にしながら、右手を後ろに回してお尻の辺りを抑えている頼華ちゃんに、なるべく優しい表情を作って頭を撫でた。


「も、もう慣れましたので!」

「うん。今は公共の場所でも設置してある所が多いから、慣れたなら良かったよ」 


 果たしてこっちの世界に来る時にインプットされた情報にあったのかは定かでは無いが、頼華ちゃんは初めてのシャワートイレの洗礼に会い、変な声を発してしまったのだった。


「さ、お風呂に入っておいで。っと、ついでにおりょうさんにも、トイレの事を教えてあげてくれるかな?」

「わかりました! では行って参ります!」


 おりょうさんにシャワートイレの使い方を教えるという使命を帯びたからか、すっかり調子を取り戻した頼華ちゃんは、元気に風呂場に入っていった。



「出たよぉ。いい風呂だったねぇ」

「はい! 兄上! あのシャワーというのは便利ですね!」

「ああ、シャワーね。俺もあっちで欲しいと思った事が何度かあるけど、ちょっと難しいよね」


 広範囲を流せる、特に頭を洗う際には便利なシャワーなのだが、向こうで再現するとしても給湯設備のような物が必要になるので、実際には穴を開けた桶を吊るす程度までしか出来ないだろう。


「里の常時入れる風呂だけでも、相当に贅沢な訳だしねぇ」

「むむ……言われてみればそうですね」


 おりょうさんに言われて頼華ちゃんが納得したように、俺が楽をしたいという一念であれこれ設置したので、里での風呂などの生活用の施設は、現代と比べてもそれ程劣っていないのだ。


「風呂上がりに、これをどうぞ」

 

 俺は冷凍庫から取ってきた、歯応えガリガリなソーダ味のアイスを、徳用の箱から自分の分と合わせて三本取り出して、一本ずつをおりょうさんと頼華ちゃんに手渡した。


「ありがとう。ん……不思議な甘い味だけど、風呂上がりにはいいねぇ」

「冷たくておいしいです! くっ……頭が」

「頼華ちゃん、慌てて食べるから……」


 正にガリガリとアイスを食べた頼華ちゃんは、キーンという痛みに襲われたようで、目を瞑ってこめかみの辺りを押さえている。


「冷たいお茶にしようかと思ったけど、温かいお茶にしておこうか」

「うう。申し訳ありません……」

「いいよ。ちょっと待っててね」


 謝りながらも、残りのアイスを口に運ぶのを止めない頼華ちゃんに苦笑しながら、なんのお茶にしようかと考えながらキッチンに向かった。



「うわぁ。空にはこんな都市が……」


 寝る前なのでノンカフェインの凍頂烏龍茶をセレクトして、リビングに落ち着いたところで、頼華ちゃんはもう何度目になるかわからないくらいテレビ放映されている、天空の都市の大作アニメに心を奪われている。


「……成る程。生がえし、半生がえし、本がえしねぇ」


 一方のおりょうさんは、俺がスマートフォンの契約の際に実質ゼロ円で入手したタブレット端末で、電子書籍の日本蕎麦の職人の漫画を興味深そうに読んでいる。


「おりょうさんの店の竹林庵では、どのかえしを使ってたんですか?」


 かえしというのは砂糖と醤油を混ぜ合わせて寝かせた、出汁と並んで蕎麦つゆの基本構成に欠かせない物だ。


「竹林庵では、そういう風な呼称はしてなかったんだけど、生返しになるのかねぇ」

「醤油の濃い味を感じましたから、やっぱりそうですか」


 生返しというのは砂糖を湯で溶かして、火を通していない醤油に混ぜて寝かせて作る。


 醤油を煮立てないという製法から、風味が飛ばない辛めのつゆになるので、挽きぐるみの粉を用いた藪系の色も味も強めの蕎麦に負けなくなる。


 本がえしというのは、砂糖を入れた醤油を弱火で沸騰寸前まで煮立てて溶かした物で、両者の味が調和して柔らかく感じる事から、淡い味わいの更科系の蕎麦に良く合う。


 半生返しは少量の醤油で砂糖を煮溶かして、残りは火を通さない醤油に加えるので、生がえしと本がえしの中間くらいを狙った味になる。


「でも竹林庵じゃ、高くてこんなに砂糖を入れてなかったし、おまけに白いもんじゃ無かったねぇ」

「それは仕方が無いと思いますけど」


 現代の安価な白い砂糖は、主に工業化による恩恵で出来ているので、人力と水車や風車しか使えないあっちの世界では、高価で精白の度合いが低いのは仕方が無い話だ。


「あ、その砂糖なんですけど」

「なんだい?」


 タブレットから顔を上げて、おりょうさんが俺に向き直った。


「それで商売をしようとかは考えて無いんですけど、なるべく大量に買い込んで向こうに持って帰ろうかと思ってるんですよ」

「なんでまた、砂糖をそんなに?」

「単純に言えば、向こうじゃ高いのに、みんなが甘味に飢えてるから、ですね」

「あー……」


 こっちの世界でも、砂糖を使った食べ物が高価だった時代を生きてきた人の中には、旨い物は甘い物という認識になっている場合があるのだが、向こうの世界では流通量の問題もあって、特に白い砂糖を用いた食品は完全に贅沢品になっているのだ。


「摂り過ぎはまた別の問題が出ますけど、砂糖なんかの糖分って、子供の成長には必要なんですよね」

「そうなのかい?」


 子供は身体だけでは無く脳も成長するので、その際にエネルギーになる糖質も多く消費するからだ。


 与え過ぎると肥満などの問題も出てくるが、里の子供達は勤勉な上に運動量も多いが、その割には一日の食事量は普通の子供と変わりがない程度なので、多少の間食は問題が無いだろう。


 尤も、一般的な子供の範疇に、里の子供達を入れていいのかは不明だが……。


「でも、向こうでも砂糖は売ってるだろう?」

「そうなんですが、おりょうさんと頼華ちゃんの滞在費の残った分だけでも買っていくと、向こうでの支出をかなり抑えられるんですよね」

「こっちじゃ砂糖は高くない、って事だね?」

「そうなんですよ」


 向こうの世界の精白されていない砂糖も、味は決して悪くないしミネラル分などが豊富なのだが、逆に言えば十分な甘さを得ようと思ったら量が必要になるのである。


 実際には高価なので量を使う事が出来ないから、甘味を菓子では無く、果物や甘酒のような物に求める事になるのだった。


「ちなみにだけど、幾らくらいなんだい?」

「砂糖の値段ですか? えっと、ちょっとそれを貸して下さい」

「うん」


 おりょうさんの持っていたタブレット端末を受け取り、検索エンジンで業務用の砂糖の価格比較をしているサイトを開いた。


「さ、三十キロでこんな値段なのかい!?」


 タブレットの画面で業務用三十キロの値段を確認したおりょうさんは、信じられない物を見たという表情で、俺に問い質してくる。


「さっき説明した意味を、わかって貰えましたか?」

「うん。こりゃあ、買って帰った方が良さそうだねぇ」


 おりょうさんは同意を示してくれながら、うんうんと頷いている。


「でもこういう業務用となると重いから、買うなら通販かなぁ……」


 こっちの世界に戻って肉体的なスペックは落ちているのだが、(エーテル)の量が増しているので、手で重量物を運ぶのがそれ程苦になるとは思っていない。


 しかし、二十キロとか三十キロの砂糖の袋を幾つも担いでいるのを見られたら、一般人から見れば異常な光景に映るだろうし、かと言ってドラウプニールを使っているところを見られる訳にもいかない。


 最終的にどれくらい買えるだけの金額が余るかは今の時点では不明だが、最悪の場合は自腹で支払う事になっても、何袋かは購入して帰るつもりだ。


(まあ一週間くらいしか外泊はしないんだから、それ程の金額が出ていくとは……頼華ちゃん次第だな)


 俺の自宅に滞在中には光熱費はいらないし、ある程度の消耗品も考えないで大丈夫だ。


 問題になるとしたら頼華ちゃんの食欲なのだが……量はともかく、お姫様の割にはこれまでそんなに贅沢な料理を御所望された事も無いので、ここは信じるしか無いだろう。


(とは言え、余程の事が無い限りは、頼華ちゃんの希望には沿ってあげたいな)


 今日の激安の殿堂での菓子のようなのは例外として、出先での食事やメニューのセレクトに関しては、好きにさせてあげたいと思う。


 無論、これは頼華ちゃんだけの話では無く、おりょうさんにも言える事なのだが。


「良太。お酒も安い店ってあるのかい?」

「……ありますよ」


(しまった。酒の事も忘れないようにしないと……)


 こっちの世界で我慢する代わりに、向こうに酒を持って帰ると言っていたのを忘れるところだった。


 おりょうさんを悲しませる訳にはいかないので、酒と店のリサーチをするのを忘れないようにと、心のメモ帳に記した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ