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水無月

「要するに、竈で使う火、と言うか温度の管理が出来ればいいんですよね?」

「そうだねぇ。で、具体的にどうするんだい?」

「良一みたいな、ある程度俺の能力を使える奴を、厨房に常駐せようかと思います」

「な、成る程?」


 わかったようなわからないような、というのを表情で現しながら、おりょうさんが首を傾げている。


「えっと、良一みたいな奴を厨房に置いておけば、簡単な命令で俺の能力と(エーテル)を利用出来るんです」

「それって、良太に負担は無いのかい?」


 当然の疑問を、おりょうさんがぶつけてきた。


「細かい作業になると難しいですけど、竈の火加減程度なら問題無いですよ」


 分体に調理をさせるのはリソースの関係で難しいと思うのだが、例えばお糸ちゃんが湯を沸かしてくれとか、揚げ油を中温を保ってくれとか指示を出せば、その通りに熱量と持続時間に相当する(エーテル)を供給するだけで済む。


 もしかしたら遠隔(リモート)だと余計な消費があるかもしれないのだが、調理に使用する(エーテル)の量は把握しているので、多少増えたとしても問題にならないというのは十分に承知している。


「そういう事なら、次に里からこっちに出てくる前に、何とかして貰おうかねぇ」

「お安い御用ですよ」


 良一という成功例があるので、特に問題は無いだろう。


 それどころか、里にも良一と同じ分体を設置しておけば、笹蟹(ささがに)屋で勉強している以外の子供達にも、教本を出力して渡す事が可能になるのだ。


(鍛冶仕事用にも作っておこうかな? ちょっと過保護すぎる気もするけど……)


 厨房以外に、鍛冶の作業にも温度と、場合によっては(エーテル)の管理が必要になるし、熱くした鋼材を槌で叩いたりと危険も伴うので、俺の目が届くように分体を仕込んだ物を置いておくのは有効かもしれない。



「主人ー! オーディンって神様は世界を見通せるのに、カラスを偵察に出してたんですか?」


 昼食後に早速、読んだ本の疑問点をお結ちゃんが訊いてきた。


「う、うーん……用心の為、なのかな?」


 オーディンが座す高御座(たかみくら)、フリズスキャルヴは世界を見通せると言われているのだが、お結ちゃんが言うように、何故かフギンとムニンという二羽のカラスを偵察に出しているのだった。


(情報の精度を高める為だったのかな?)


 情報の精度を上げて多角的に捉えるために、複数の収集の仕方をするというのは有り得る話なのだが、神の道具であるフリズスキャルヴの性能が低い訳が無いので、単にオーディン自身と配下の能力を知らしめる為のそうしていたのではないかと疑ってしまう。


「主人! オーディンとトールって凄く強そうですけど、なんで他にテュールって軍神までいるんですか?」

「数は力って言うから、かな?」


 実際に北欧では戦の際には、名を呼んだりルーンを刻んだりしてテュールに戦勝を祈願したらしいのだが、勇気を証明するためにフェンリルの口に腕を突っ込んで食い千切られたり、最終戦争(ラグナロク)ではガルムと相打ちになったりと、あまり戦争で活躍したというエピソードの無い不思議な軍神だったりする。


(テュールに限らず、北欧神話は神様の能力やポジションも、被ってる場合が多いんだよなぁ)


 投げれば手元に戻る槍であるグングニルは、ガンガン鳴るという意味の雷の具現化と言われているが、雷神であるトールが存在している。


 そのトールには農耕神としての側面もあるのだが、こっちはフレイヤ様の兄である豊穣神のフレイと被っている。


 この辺は時代によって人気の神様が移り変わったり、幾つかの神話が混じり合って収斂していったのではないかと思われるが、詳しいところは不明だ。


「主人! オーディンの元に集められている死せる勇士って強いんですか?」

戦乙女(ワルキューレ)が選別して死者の館に集めてるくらいだから、強いんだと思うよ」


 戦場を駆け巡る戦乙女(ワルキューレ)によってヴァルハラと呼ばれる死者の館に集められた、死せる勇士アインヘリヤルは朝から戦闘訓練を行い、その際に死んでしまっても日没と共に蘇ると言われている。


 日没と共に甦ったアインヘリヤルは夜になると宴会を開き、彼らを集めた戦乙女(ワルキューレ)が酌をして回っているという。


(……そういえば俺って、もしかしたらアインヘリヤルになってたのかもしれないんだっけ?)

(うっ……)


 俺が内心で独り言ちると、どこからか苦しげな女性の唸るような声が聞こえた気がした。



「それじゃみんな、忘れ物は無いかな?」

「「「はーい!」」」


 午後の勉強は早めに切り上げて、早めに里に出発する事にした。


 子供達の歩幅に合わせると里まで徒歩で二時間くらいは掛かるので、道中が順調でも到着する頃には夕方だ。


「それじゃブルムさん、天さん、また後で」

「ええ。お先に」

「お先に失礼致します」


 今日から週明けまで休む旨を書いた紙を木戸に貼ったブルムさんと、着物は山歩きに向かないので、急遽作った子供用の作務衣を着た糸目の女の子と手を繋いだ天に、一時の別れを告げた。


「良太お兄さん、また後で」

「うん。志乃ちゃんも、道中気をつけてね」

「はい」


 こちらも女の子と手を繋いだ志乃ちゃんに別れを告げた。


 里の子供達もそれぞれがはぐれないように、誰かしらと手を繋いでいる。


「それじゃ俺達も行きましょうか」

「そうだねぇ」

「はいっ!」


 東洞院大路(ひがしのとういんおおじ)を北上していくブルムさん達を見送ってから、俺とおりょうさんに挟まれて手を繋いでいる大地くんを伴って、京で一番賑わっている朱雀大路を目指して、九条大路を西進する。


「大地くん、疲れたら背負うか肩車するかしてあげるから言ってね」

「はい! あの……」

「ん? どうかした?」


 元気に返事をした大地くんは、何やら言い難そうにしながら俺を見てくる。


「疲れてはいないんですけど……肩車して貰っちゃ駄目ですか?」

「なんだ、そんな事? 別にいいよ」

「わぁ!」


 我儘を言ってはいけないと考えていたのか、上目遣いに訊いてきた大地くんを抱えあげて、そのまま肩車すると、嬉しそうな歓声が上がった。


「おやいいねぇ。遠くまで良く見えるだろぉ?」

「はいっ!」


 目を細めながら言うおりょうさんに返事をしてはいるが、頭と肩に伝わってくる感じからすると、大地くんは普段とは違う目の位置の景色に関心を奪われているようだ。


「急ぐ訳じゃ無いから、おりょうさんも大地くんも、見たいお店とかがあったら遠慮無く言って下さいね?」

「わかったよ」

「はい!」


 話している間に、九条大路と朱雀大路の交差する地点まで来たので、右に折れて京の街を北上し始めた。


 大地くんを肩車したので歩くペースをおりょうさんに合わせるようになったので、必然的に歩くペースが上がった。



「しっかし広いなぁ」

「八十メートル以上あるって言うからねぇ」

「そんなにですか!?」


 元の世界の名古屋に百メートル道路というのがあるが、あれは半分は公園なので、いま目にしている朱雀大路とは似て非なる物だ。


 京の結界を破壊した夜に、百鬼夜行が出現したのがこの朱雀大路だったが、のんびり景色を楽しむ余裕なんか無かった。


(それにしても、長閑(のどか)だけどカオスな眺めだなぁ……)


 日中に改めて立ち寄った朱雀大路は呆れるような広さだが、現代のような通行区分などが無いので、通行人も荷車を引く人、牛車や馬車なども各自が好き勝手に進んでいるのだ。


(こりゃ事故なんかも多そうだなぁ……子供達にはこっちに来る時には気をつけるように言っておかないと)


 歩行者専用道路も無いし、当たり前だが信号や横断歩道なんかも無いので、この広い通りでは行き交う人や物に気をつけなければ、たちまち事故に遭遇してしまうだろう。


 里の子供達は身体能力に優れているが、巻き込まれたりする事も考えられるので、油断しないように言い聞かせなければならない。


「良太。茶屋があるからちょいと寄っていかないかい?」

「いいですね。大地くんもいいかな?」

「はい!」


 店先に縁台を出している茶屋があったので、三人で立ち寄ることにした。



「お茶と、何かお菓子をお願いします」

「少しお待ち下さいね」


 若い女性の店員に告げると、予め用意されていたらしいお茶だけ先に出された。


「あー……そっか。京の店で頼むと、お茶はこれだったねぇ」


 湯呑を持ったおりょうさんは、少し苦笑している。


「おりょうさん、このお茶が何か?」


 多分だが、番茶だと思われる物が注がれた湯呑を、俺も持ち上げた。


「うーん。不味かぁ無いんだけど、ちょっとこのお茶は風味が独特でねぇ……」

「……成る程」


 鼻先に近づけて匂いを嗅いでいた湯呑を口に持っていくと、通常のほうじ茶よりも強く焙煎してあるらしい強めの香りが口から鼻腔に広がった。


(アメリカンと深煎りのコーヒーくらいの違いはあるな……確かに江戸の番茶に慣れてると、これをお茶として出されたら面食らうなぁ)


 質が良いとか悪いとかでは無く、慣れ親しんでいるお茶との風味の差が極端過ぎて、おりょうさんは戸惑っているのだろう。


「何かお茶以外の飲み物を頼んでもいいんじゃ無いですか。大地くんも、何か他の物も頼もうか?」


 里の子供達は、普段の食事から大人と分け隔てしていないから、当然ながら酒以外の飲み物もそうなのだが、自分が子供の頃はお茶やコーヒーでは無くジュースなんかを親にねだったのを思い出して、おりょうさんだけでは無く大地くんにも訊いてみた。


「えっと……」

「遠慮しないでもいいよ。甘酒とか、ひやしあめなんかもあるみたいだね」

「ひやしあめって、どんなのですか?」

「あたしも、聞いた事が無いねぇ」

「あー……江戸には、ひやしあめはありませんでしたっけ」


 自分も小学校の修学旅行の時に、面白半分で飲んだ事がある程度なのだが、いずれにしてもひやしあめは関東ではポピュラーでは無いのを失念していた。


「水飴をお湯で溶いて、生姜の絞り汁を入れて冷やした物ですよ」

「……なんか味の想像がつかないねぇ」

「でも、本当にそういう物なんですよ」


(おりょうさんの気持ちもわかるけど……)


 菓子なら材料的にこの説明で理解出来るのかもとは思うが、これが飲み物となると……。


「試しに一つ頼んでみて、おいしかったら追加すればいいんじゃないですか?」

「そうしようかねぇ。大地くんはそれでいいかい?」

「はい!」

「おまたせしましたー」


 意見がまとまったので、丁度お菓子を持ってきた店員さんにひやしあめと、これも冷たく冷やした甘酒を追加で注文した。


「水無月ですね」

「この菓子の名前かい?」


 手に持った皿に、楊枝を添えて盛り付けられた和菓子を見て俺が呟くと、知らなかったらしいおりょうさんが訊いてきた。


「ええ。丁度今くらいの時期に、この見た目の涼しい菓子を食べて、暑気払いをするらしいですよ」


 俺も数える程しか食べた事が無いが、外郎(ういろう)と同じように米粉と砂糖を混ぜて蒸した生地に、小豆が散りばめられているのが水無月だ。


「ふぅん……おや。餡餅とは違って、すっきりした味わいだねぇ」


 綺麗な所作で楊枝で切り取った水無月を口に運ぶおりょうさんは、そのまま絵にしてしまいたい程に様になっている。


「主人、姐さん、おいしいです!」

「うん。おいしいね」


(こりゃあ見事だな。良い腕前の職人さんみたいだ)


 笑顔で食べている大地くんに続いて俺も水無月を口に運ぶと、土台部分の外郎(ういろう)と散りばめられている小豆が、それぞれの甘さを主張しながらも引き立てあっている、絶妙の加減を味わった。


(うーん……優しい味わいの水無月には、このお茶は焙煎が強すぎるなぁ……)


 エスプレッソコーヒーが、チョコレートのような濃厚な菓子に合うように、京番茶はたっぷりの小豆餡を使ったような菓子には良さそうだが、甘さ控えめの水無月とは調和していない。


「お待たせしました。ひやしあめと冷やした甘酒になります」

「ありがとうございます。大地くん、試して御覧」

「はい!」


 店員の女性が注文した物を運んできたので、先ずはひやしあめの器を大地くんに差し出した。


「……なんか変な辛さがありますね」

「変な辛さ? 大地くん、ちょっといいかな?」


 ひやしあめを一口味わった大地くんは、可愛らしい顔を(しか)めている。


「……ああ、確かにこの味は」


 大地くんの言う、明らかにわかる生姜とは違う辛さ、というか風味の正体がわかった。


「そうなのかい? 良太、あたしにも頂戴」

「どうぞ」

「ん……こいつは、肉桂(ニッキ)だね」


 味の記憶を呼び覚ましたらしいおりょうさんは、俺と同じ結論に達した。


「和漢薬の材料にも使われてるけど、たまに飴とかでこういう味の物があるねぇ」

「そうなんですか?」

「あんまり食った事は無いんだけどねぇ」


 食べた事はあるけどあまり好きな訳では無さそうだというのが、おりょうさんが小さく舌を出して苦笑しているのからわかる。


「それじゃこれは俺が引き受けますから、大地くんは甘酒をどうぞ。おりょうさんの分も追加で注文しますか?」


 冷たい甘酒の器を大地くんに渡しながら、おりょうさんに尋ねた。


「そ、そうだねぇ……」

「遠慮無くどうぞ。すいませーん冷たい甘酒を一つ」

「はーい!」


 なんとなく頼み難そうにしているおりょうさんに代わって、店員さんに呼びかけて甘酒を注文した。



「はぁ……夏の甘酒もいいもんだねぇ」

「ん? 甘酒って俳句なんかでは夏の季語ですよね?」


 口ぶりからすると、おりょうさんはあまり夏場に飲んだ事が無さそうだ。


「甘酒は滋養があるから、夏に負けないように飲むって事で季語になってるらしいけど、あたしに言わせれば作り方からして、やっぱり冬場に飲んで温まる為のもんだねぇ」

「まあ、そうですよね」


 麹から作る甘酒は、沸かさないように気をつけながらもある程度の高温を保って発酵させるし、酒粕から作るタイプは湯で溶かすので、一般家庭では冬場に作る事が多くなる。


 おりょうさんの場合は出身が東北方面らしいので、甘酒は尚更に冬場に暖を取るための飲み物という認識も強いだろう。


「里でも作るようにした方がいいですかね?」


 里は盆地の縁にあるので風の通りが良いし、京と比べると標高もあるので涼しく、すぐに飛び込める渓流まであるので、盛夏でもそれ程は暑さを気にしないでも良さそうではある。


 しかし飲食物による滋養強壮は悪い事では無いし、何よりも子供達は甘味に飢えているだろう。


(麹があれば水飴も作れるし、甘酒をかき氷とか、アイスキャンディーにしてあげてもいいな)


 麹の発酵を利用して、糖の元になる粥状にした米を混ぜて保温し、煮詰めれば水飴が出来る。


 こっちの世界では砂糖は高価なので、麹と安価な米から作る水飴を砂糖の代替にするというのは経済的だ。


「そうだねぇ……って、良太は少しは楽をしなきゃ駄目だよ?」

「はい……」


 いろいろやり過ぎだと言われたばかりなのに、また新しい事をやろうと言い出したので、おりょうさんに釘を刺されてしまった。


「……」


(焙煎の濃い京番茶に、ひやしあめの組み合わせは悪くないな)


 おりょうさんも大地くんもギブアップみたいなので、引き受けたひやしあめを飲みながら合間に京番茶を口に運ぶと、甘さと肉桂(ニッキ)の味が深い焙煎の風味に意外にマッチした。


(でも、次回以降に敢えて頼むかって言われると……)


 小さく苦笑しながら、ひやしあめの残りを飲み干した。



「なんか久しぶりだなぁ」

「良太は五日ぶりだから、本当にそうだろうねぇ」


 ちょっと遠慮気味の大地くんを再び肩車して、途中で麹を買い求める以外はノンストップで里の入り口までを歩き通した。


 もしかしたらと思ったが、途中でブルムさん一行に追いつくような事は無かった。


「この霧も懐かしい感じがするな……」


 自分達三人を迎えるように、里を取り巻く結界の霧に包まれた。


「主人! ここからは自分で歩きます!」

「そう? もう着くからこのままでも……」

「いえ! このまま帰るとみんなに呪われます!」

「呪われるって……」


(羨ましがっても、呪うって事は無いんじゃないかなぁ……無いよね?)


 里の子供達に慕われている自覚はあるので、肩車したまま帰れば大地くんを羨むだろうけど、それが呪いにまで発展するとは……子供達よりも黒ちゃんとかの方が想いが強そうなの気がするので、言われた通りに大地くんをそっと地面に下ろした。


「本当に久しぶりだな……って、うわっ!?」


 薄れる霧の向こうに見えてきた里の景色の中に、拳くらいのサイズの飛行物体が見えて、それが大きな蜜蜂であるのに気がついて声が出てしまった。


「……気がついたかい? 刺してきたりはしないんだけど、ちょいと怖いよねぇ」

「そうですね……」


 ブンブンと音を立てて飛び回っていつ巨大な蜜蜂は、歓迎の意なのか俺達の周囲を旋回している。


「蜜蜂がこうなってるって事は……やっぱりか」

「そうなんだよねぇ……」


 畑の方を見ると、一晩で種や切れっ端の根っこから芽吹いていた野菜類が、京に行っている間に急成長していて、丈高く伸びたり葉を茂らせたりしている。


 俺の視線の先にある物を察して、おりょうさんが溜め息混じりに同意してくれた。


「実はねぇ、あたしや頼華ちゃんを始めとして、畑の手入れをしながら(エーテル)の訓練の一環として、子供達にも送り込むように言っておいたら……」

「あー……」


 只でさえ、天照坐皇大御神(あまてらしますすめおおみかみ)様に絶対の豊作を約束されている里で、生命エネルギーである(エーテル)を過剰に送り込まれたので、野菜類があっという間に成長したのだった。


 その野菜から芽吹いた花の蜜を集めたからなのか、それとも里に移動した日にストレス解消に送り込んだ(エーテル)が原因なのかは不明だが、蜜蜂までもが異様な大きさになっているのだ。


「あの、もしかして果樹とかも?」

「ああ。桃なんかは収穫出来そうだよ」

「そうですか……せっかくですから採って食べましょうね」


 桃は種類にもよるが、早い物は晩春に収穫出来るので、実が十分に大きくなっているのなら、そのままにしておかずに食べてしまった方がいい。


 里の植物には(エーテル)はたっぷり与えてあるが、過剰に肥料などを使ったりはしていないので、変に果実が大きくなったり、水っぽくなったりはしていないだろう。

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