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「ところで鈴白さん」

「お代わりですか?」


 みんなの土下座を解除させて夕食を再開すると、ブルムさんに声を掛けられた。


「いえ、そうでは無くてですね」

「では、鱧がお口に合いませんでしたか?」


 ブルムさんはこっちの世界の日本食には慣れているという認識だが、全ての食材が大丈夫という訳では無いのかもしれないので、食材のセレクト前に好みを聞いておくべきだったかもしれない。


「いえいえ。それも違いまして……源平碁と自演我(ジェンガ)の製作を依頼した職人に言われたのですが」

「何か問題でもありましたか?」


(特に加工が難しいような構造では無いはずだけど……携帯用の源平碁の、折り畳み機構か?)


 携帯用源平碁の折り畳み部分の金具くらいの金属加工ならば、こっちの世界の日本の技術なら楽にクリア出来ると考えていたが、そうでは無かったという事だろうか。


「それも違います。その、少し言い難いのですが……源平碁も自演我(ジェンガ)も、見栄えという点が少し乏しいので、富裕層向けにもう少し何か案が無いかと」

「ああ、そういう事ですか……」


 源平碁は平たい盤と駒だし、ジェンガは立体的に積み上げるが、こちらも立方体でしか無い。


「ちなみにですが、それぞれの素材を高級な木にするとか、自演我(ジェンガ)の木片に色を着けるとかの提案は、話し合いの中で出ました」

「要するに、立体的な感じでの見栄えという事ですね?」

「ええ」


 元の世界でも良い木材を使用したオセロの高級バージョンや、カラーバリエーションのあるジェンガは存在する。


(確かに、将棋や囲碁の脚付きの盤なんかは、和室に置くと重厚な感じで映えるんだよな……片や源平碁とジェンガでは、これ以上の変化をつけるのは無理があるよなぁ)


 源平碁の特注版で、駒に家紋を入れるとかは出来るだろうと思うが、さすがに需要が限定的過ぎるだろう。


「そんなの、文句言ってくるなら売るのやめちゃえばいいじゃん」

「黒ちゃん……」

「そう出来るといいのだが、既に始まっている話なので、そうも行かないのですよ」


 黒ちゃんのシンプル過ぎる考え方からの意見に、ブルムさんが苦笑しながら対応してくれた。


「それに、源平碁も自演我(ジェンガ)も決して売れない訳では無いので、出来ればもう少し、という事なんですよ」

「ふーん……お代わり!」

「黒ちゃん……はいはい」


 苦笑するブルムさんの言っている事がわかっているのかどうか、黒ちゃんは興味無さそうに空になった茶碗を差し出してきた。


(でも、見栄えか……)


 ブルムさんに言われて真っ先に頭の中で思い浮かべたのは、立体的な駒を使うチェスだった。


(チェスの駒の凝ったのは、本当にファンタジーのミニチュアレベルだからなぁ)


 実用というよりはインテリアに向いていると思われる、本当に馬に乗った騎士(ナイト)が精緻に彫り込まれた駒などがあるチェスのセットは、ブルムさんの言う見栄えという点なら合格だろう。


(しかしなぁ……)


 将棋のルールはある程度は人々の間にも行き渡っているようだが、似てはいるが別のゲームであるチェスは、おそらくはまだこの国では在留外国人だけの遊びで、しかも出身地によっては知られていなかったりするだろう。


(ルールブックを付けての販売は……紙がまだ高級品だし、印刷技術も低いだろうから無理か)


 ルールブック付きで売るというのも考えたが、もしかしたら普及品の場合にはチェスのセットより高くなる可能性があるので、現時点では却下だろう。


(でも、チェスも全くダメって訳じゃ無いから、覚えてはおこう)


 鎌倉の頼永様や江戸の家宗さまなど、武人を束ねている人で将棋好きならば、作りの凝った駒を使うチェスは気に入られる可能性が高い。


 しかも身分の高い人ならば、ルールブック付きでも購入出来るだけの余裕があるだろうし、部下の人達とプレイする間に、少しずつ広まる……というのは少し、希望的観測過ぎるかもしれないが、決して可能性は低くないだろうと思う。


「……あ、あれなら、多少は装飾を入れても大丈夫かな?」


 口頭で説明出来る程度の、つまりは説明書一枚くらいで収まる程度のルールで、見栄えをするような装飾を施せるゲームを思い出した。


「何か案がおありですかな?」


 俺の表情を見て、ブルムさんが身を乗り出してきた。


「多分ですけど……食後に入浴してから、試作品を作って説明しますので、それでいいですか?」


 幸いな事に、試作品を作るのにも、手持ちの材料程度しか必要としない。


「そんなにお気軽な物で、見栄えが? いや……鈴白さんのお考えになる事だし、信じておりますよ」

「なんか責任重大ですね……」


 そもそも、蜘蛛の糸の製品を卸してブルムさんに売って貰うくりしか考えていなかったのに、いつの間にか源平碁とジェンガが商品のラインナップに入っているのだ。


 その想定外の商品のフォローの為のアイディアを出すというのが、想定外なのだが……しかし、ブルムさんにはお世話になっているし、売上が里の子供達の生活費になるのだから、本当に売れるのかはともかく、提案するのはいいだろう。


「入浴を手早く済ませますので、申し訳ないですが後片付けはお願いしてもいいですか?」

「それくらいはお任せ下さい」

「あたしも手伝います!」

「あたしも!」

「俺も!」


 さっき少し駄々を捏ねたのを反省したのか、ブルムさんと一緒に入浴をした、お朝ちゃんと雪華(ゆきか)ちゃんと大地くんが手伝いを申し出ながら手を挙げた。


「うんうん。みんな感心だね。じゃあ頼んだよ」

「「「はーい!」」」


(ちょっと心配だけど、まあ大丈夫かな?)


 子供達の小さな手で、洗い物を任せるのは少し心配だが、だからと言って経験する機会を奪い、過保護にし過ぎるのも問題だ。


 ここはブルムさんが監督してくれる事だし、任せてみるのが良いだろう。


「御主人! あたいも一緒に風呂入っていい?」

「ん? それは勿論、構わないけど」


(そういえば黒ちゃんは、夕食までダウンしてたんだったっけ)


 放心状態でダウンしていたので、黒ちゃんは入浴どころか部屋から一歩も出ていなかったはずだ。


「やったー! じゃあ早く行こ!」

「ちゃんと御馳走様して、食器を運んでからね?」

「うっ! ご、御免なさい!」


 黒ちゃんと白ちゃんが人間形態で行動して一緒に食事をするようになってから、食前と食後の挨拶は徹底しているので、それをすっ飛ばそうとしていた事に気がつくと、素直に非を認めた。


 そこまで肩肘張らずにとは自分でも少し思うのだが、子供達の教育に良く無い。


「ははは。それでは、御馳走様でした」

「「「御馳走様でした」」」


 黒ちゃんの様子を見て微笑むブルムさんの号令で、夕食を終えた。



「ねえねえ御主人!」

「ん?」


 お結ちゃんと一緒に湯船に浸かっている黒ちゃんが、(こう)くんを洗っている俺に話し掛けてきた。


「さっきブルムのおっちゃんと話してた試作品って、あたい達にも遊べる?」

「ああ、その事か」

「「「……」」」


 黒ちゃんと、黒ちゃんに抱きつくようにして湯船に浸かっているお結ちゃんと、首を捻って後ろを向いている(こう)くんが、期待の込もった眼差しを向けてくる。


「そんなに難しく無いから、多分だけど大丈夫だよ。でも……」

「「「でも?」」」


 歯切れの悪い俺の言葉に、三人は怪訝な表情をした。


「慣れるまでは見落としが多いかな」

「「「見落とし?」」」


 見事にシンクロしながら、三人の疑問の声が重なった。


「まあ、後はやってみてのお楽しみだよ」

「わかったー! 楽しみ♪」

「きゃー♪」


 はしゃぐ黒ちゃんに抱き上げられて、お結ちゃんが嬉しそうな声を上げた。



「これなんですけど」

「これは……失礼ですが、見栄えがいいとは言えないような」


 入浴を終えて、ほんの僅かな時間で俺が用意した新しいゲームを見て、ブルムさんが眉間に皺を寄せた。


(まあ、無理もないか……)


 ブルムさんの言う通り、俺が用意したのは四×四の十六個の丸が描かれた、蜘蛛の糸で織り上げた布の盤と、木地のままの物と、黒い布を被せて色分けされた四角と丸の柱状の、飾り気の無い駒だったからだ。


「見栄えに関しては後で説明しますが、まずは遊び方を説明しますね」

「「「……」」」


 ブルムさんとは対象的に、黒ちゃんと五人の子供達は、俺の説明を聞き漏らすまいと、真剣な表情で盤と駒を見つめている。


「見ての通り、盤に描かれている十六個の丸の中に駒を置いて、縦、横、斜めで四つ揃えたら勝ちという遊びです」

「「「……」」」


 説明を始めると子供達だけでは無く、ブルムさんも真剣な表情で聞き入っている。


「四つ揃えるのは、駒の種類なんですが、まずは高さ」


 俺は全体の半分の個数の背の高い駒を取り、横並びにした。


「次に色」


 今度は黒い布の被せてある駒を選んで、横並びに配置する。


「次は『無い』」

「と言いますと?」


 『無い』の意味がわからなかったブルムさんが、俺に問い質してくる。


「この駒の上が、平らな状態の物が『無い』です」


 要するに、特に駒の上部に手を加えられていないのが、『ある』である。


「こっちの……上部に丸い穴が空いている方が『ある』になります」

「ああ、成る程」


 俺が手に取った駒の上部が丸い穴が空いているのを見て、ブルムさんが納得顔になった。


「これを、交互に置いていく訳ですか?」

「そうなんですが、ここからが面白いところなんですよ」

「?」


 只の四目並べかと思っていたブルムさんが、俺の言いたい事がわからずに首を傾げた。


「置く駒は、自分が選んで相手に渡すんです」

「なんと!?」


 それ程意外だったのだろう、ブルムさんが俺の言葉に目を丸くした。


「だから、簡単なんですけど、かなり先読みが必要になります」

「ははぁ……」


 お互いに置く駒を自分では選べないので、置く場所を考える以上に読み合いが必要になってくる。


「ちょっと、試しにやってみましょうか。先手が俺でいいですか?」

「ええ」


 ブルムさんが思案顔をしているのは、既に頭の中で戦略を練っているのだろう。


「ではこれを」


 俺は長くて穴無しの四角柱の駒をブルムさんに渡した。


「では、これで」


 手前側の右端に置いたブルムさんは、俺に短い黒の円柱の穴あきの駒を手渡してきた。


 数分後……


「では、これを……」


 慎重そのものという表情で、ブルムさんが選んだ駒を俺に渡してくる。


「本当にいいんですね?」

「えっ!?」


 既に自分の手を離れて、駒が俺の手に渡っているのだが、その時点でブルムさんは、負ける事になるとは思っていなかったようだ。


「これをここに置くと……」

「ああっ!? そ、そうか……」

「「「?」」」


 ブルムさんはわかったみたいだが、黒ちゃんと子供達は表情からすると、勝敗が決したのが理解出来ていない。


「ほら。天辺に穴が空いていないのが、四つ並んだでしょ」

「「「あっ!?」」」


 ここまで説明して黒ちゃんも子供達も、やっと理解を示してくれた。


「そっかー! 『無い』の方は見過ごしがちだね!」

「そうなんだよ。あ、それとブルムさん」

「はい?」


 問い掛けられたブルムさんが、不思議そうな顔をする。


「この四つ並んだ状態で、(クアルト)って宣言して、初めて勝利の条件を満たします」

(フィーア)? あっ! そ、それはもしかして、さっきの私のように、勝っているのに見逃しがあるからですか!?」

「お気づきになりましたね」


 ブルムさんの言う通り、色、高さ、穴のあるのは並ぶとわかり易いのだが、無しの方は意外と見過ごしがちなので、宣言が必要になるのだ。


 この辺はカードゲームでも同じ様なルールの物がある。


(それにしても……クアルトってゲーム名で言ったのに、四って変換されて、しかもブルムさんにはお国の言葉に更に変換されてたみたいだな。確かクアルトはラテン語で四って意味だったっけ? あ……もしかしてイタリア語のクアトロと同じか?)


 クアルトはスイスの数学者が考え出したゲームだが、何故かラテン語でネーミングされている。


 だがそれを言い出すと、ドイツのメーカーが生産しているのにクアトロと名の付くシステムを積んだ自動車もあるし、日本製で外国語のネーミングの物も山程あるのだから、そういう事もあるのだろう。


「とりあえず三組作ったから、みんなでやって御覧」

「「「はーい!」」」


 いま試遊していた以外に二セットを取り出すと、黒ちゃんと子供達が飛びついた。



「四!」

「えっ!? どこに!?」

「ここー!」

「あー!? 本当だ!」


 数回程度のプレイではまだ見落としが多く、宣言をしないで勝ちを逃す事が多いようだ。


 しかし、そういうところまで含めて、黒ちゃんも子供達も楽しそうに遊んでいる。


「鈴白さん」

「なんでしょう?」


 暫く子供達の遊ぶ姿を見守っていたブルムさんから、声が掛けられた。


「確かに、斬新で面白いですが、さっきお話した見栄えの方は……」


(まあ、そういう話になるよな)


 これは予想の範囲だったので、子供達のプレイを眺めている間に頭の中でまとめたプランを、ブルムさんに説明し始める。


「それなんですが、この遊びの駒って、高いか低いかと黒と白の色分けと、あとは形の違いがはっきりしていれば、後は上の部分が、あるか無しかだけなんですよ」

「……それは?」


 ブルムさんは表情で、俺に言葉の先を促してくる。


「ですから天辺に穴の空いている『あり』の方は、色と形以外はどうにも出来ませんけど、平らな『無し』の方は、穴が空いていなければ構わないので、例えばですけど彫刻した物なんかが乗っかっていても構わないんですよ」

「あっ!」


 俺の言いたい事が伝わったのか、ブルムさんが声を上げた。


「呼んだ?」

「ああ、いや、違うよ」


 会話の中に黒と白という単語が出てきたので、自分の名を呼ばれたのかと、黒ちゃんがこっちを向いた。


「成る程……駒自体に貴石を用いたりする以外に、『無し』の方には、色々と趣向を凝らせますね!」

「そうなの、かな……?」


(貴石の駒って、いくらになるんだろう……)


 賓客へのお土産用とか献上品という事ならあるのかもしれないが、そういう物を作って買い手がつくのかどうか……そこまでは、俺の考える事では無いのだろうけど。


「まあ、色や材質を考えるだけでも、部屋の調度(インテリア)にはなるんじゃないかと思いますから」


 クアルトの駒は半分が穴の空いている『あり』なので、もう半分の『無し』の方には高さと低さを調整すれば、基本的には二色、二種類の形状であれば問題は無いと言える。


「ううむ……これはいけそうですね! ただ……」

「何か問題点にお気づきですか?」

「問題点と、言えるのかどうか……」

「?」


 表情を輝かせていたブルムさんだったが、腕を組んで難しい表情になってしまった。


「この遊びは、慣れてくると勝ち負けがつかずに終わるようになってしまうのでは?」

「ああ、そこに気が付きましたか」


(さすがはブルムさん。気がつくのが早いな)


 クアルトは経験を重ねてくると、勝てないまでも相手に負けないように調整して駒を渡せるようになってくるので、勝敗がつかなくなってくる事がある。


「その場合は上級者向けの方法がありまして」

「ほうっ?」


 難しい表情をしていたブルムさんが、俺の言葉で片眉を跳ね上げた。


「縦、横、斜め以外に、二×二の四つを揃えても勝ちになります」


 ラインを形成する以外にも勝利条件が出来るので、勝ち易くなる反面、更なる先読みが要求されるようになってくる。


「むむむ。それを相手に揃えられないようにしながら、自分が先に揃える……」

「ぶ、ブルムさん?」


 頭の中で盤面の状況をシミュレートしているのか、ブルムさんがさっき以上に難しい表情で腕組みをして唸っている。


「鈴白さん、これはいけますよ!」

「そ、そうですか?」


 クアルトは元の世界でもベストセラーのボードゲームの一つであり、ルールが簡単な点と面白さには自信もあったのだが、ブルムさんの反応がファーストインプレッションの時とは段違いだ。


「先ほど話していた彫刻なんかは、この国には優れた職人さんが多いので、かなり良い物が出来ると思います」

「そうですね。金属細工や根付の職人さんとか、依頼したらやって下さるでしょうかね?」


 根付というのは、現代で言うストラップのような物で、お金を掛けて凝った装飾を施されている物も多い。


「相応の料金を提示すれば、問題は無いでしょう。職人にしても、常時需要がある訳でも無いでしょうから」

「それもそうですね」


 こっちの世界では工業製品は無いので、当然だが全ての細工物は手作りだ。


 技術が蓄積されて向上していく世界なので、当然のように製作スピードも上がっていくのだが、それでも一つ作るのにはそれなりに時間が掛かるので、値段も決して安くない。


 ただ、よほど裕福な人間でも無ければ、それ程多くの装飾品などを買い込んだりはしないと思うので、職人が作れば売れるという事も無いだろう。


「普及版は作りが簡単なので、極端な言い方をすれば、明日にでも商品化出来るでしょう」

「まあ、そうですね」


 手や足で回す方式の原始的な旋盤は、木の器を作ったりするのに用いている物が既にあるだろうから、駒のサイズさえ決めてしまえば、後は四角く削ったり色分けしたりすればいいだけなので、装飾に凝ったりしなければ、一セットを作るのにそれ程の時間は必要としないだろう。


「高級版の方は……今日来た者と相談しまして、先ずは木造りで一揃え作ってみます」

「またなん箇所かへ試作品を持って行こうと考えてますので、出来れば五組くらいを発注して頂ければと」


 鎌倉の頼永様、江戸の家宗様、伊勢の朔夜様や椿屋さんなど、存在を知ったら欲しがってくれそうな人は多い。


 俺が作った物を持っていっても構わないとは思うのだが、最初から製品版を持って行けるのなら、それに越した事は無いだろう。


「普及品の方も、その時に一緒に持っていければと思いますが」


 源平碁やジェンガもそうだが、クアルトも普及版は源屋敷や椿屋で働いている人達にも需要があるのではないかと思うので、今度行く際に持参するのがいいだろ。


 江戸にも伊勢にも界渡りがあるので移動時間は大幅に短縮出来るのだが、現地に到着してとんぼ返りという訳にも行かないので、一度の訪問で可能な限りの数の用事を済ませたい。


「それは問題無いでしょう」

「そうですか」


 実際には職人さん達の都合ではあるのだが、ブルムさんが請け負ってくれたので、とりあえずはホッとした。 

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