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異世界で時々ヒーローやってます  作者: アイスクリーム
序章
1/3

序章 1

「お目覚めですか渋谷さん?それでは改めて・・・天界へようこそ!」

俺、渋谷吹雪しぶたに ふぶき、がふと気が付くと、いつの間にやら周りが真っ白な空間にいた。目の前には少年とも青年とも言い難い人物が大げさに手を広げながらこちらを見ている。

「ええと・・・」

状況が呑み込めず戸惑っていると目の前の人物が再び口を開いた。

「あぁ、まだ状況が理解できていないだろからこちらから勝手に話させてもらうよ?僕は魂の番人とでも言っておこうか。名前はうーん・・・ブライとでも呼んでくれるかな?君はすでに死んで魂だけがここにいる状態、いわば死後の世界にいるような状態だね。」

「すでに死んだ・・・?」

衝撃的な発言が出てきてしまい思わず聞き返してしまうと、目の前のブライと名乗る人物は質問に答えてくれた。

「君は不幸にも交通事故で死んでしまったんだよ。運命のいたずらが無ければ本当はもっと長い人生を歩めたんだけどね。なにせ後5秒時間がずれていれば君は助かったんだから。残念だったね。」

「そんなっ!なんとかならないんですか!?」

「無理だね。まぁ、運が悪かったと思ってあきらめなよ。」

愕然とする俺。そんな・・・俺にはやり残したことが、成さなければならないことがあったというのに!

(涼しい部屋でアニメの最終回を見ながら買った新作アイスを食べるつもりだったのに・・・!!)

「未練がそんなことか・・・」

あきれた表情でこちらを見るブライ。

「あなたには分からないでしょうね!」

俺は心の底から自分の不運を呪った。

(・・・あれっ?何でこいつは俺の考えていることが分かったんだ?)

「あぁ、言ってなかったけど、僕は心の中で考えていることが分かるんだ。」

「・・・え?本当に?」

さすが魂の管理人。そんな特殊能力を持っているなんて。

「必ずしもいいことばかりじゃないけどね。あと、魂の番人だから。間違えないように。・・・さて、茶番はこれ位にしてそろそろ本題に入ろうか。」

今までとは違って真面目な表情となるブライ。俺もつられて顔が引き締まる。

「君は自分の未来を選択できる状態にいる。すなわち輪廻へ還るか転生か。輪廻に還るというのはもう一度記憶も体もリセットしてどこかの世界の別のものに生まれ変わること。大抵は選択の余地なくこうなる運命なんだけど、君は運がいい。君には転生という選択肢がある。転生とは今の記憶を持ったまま別の世界の別の人物に生まれ変わること。体は君の記憶を参考にして再構成される。まぁ、君が好きな異世界転生ものみたいな状態になることだね。確実に君はこっちを選ぶと思うよ。ここまでで何か質問は?」

(色々と聞きたいことが出てきたな・・・。とりあえず気になることを1つずづ聞いていけばいいか。)

「転生と・・・」

「輪廻に還ると選択する人は案外多いよ。特に年取ってたり、信仰の厚かったりする人はね。君の転生先は魔法や未知の領域のあるファンタジー世界。勿論モンスターとかもいるよ。そんな世界だから特別に、サービスとしてすごい能力を授けてあげよう!あぁ、衛生や食事の質については問題ないよ。その辺はかなり整備されて大丈夫な世界だから。さらに君以外に転生者もいないから安心だね。あと、これ以外に選択肢はないよ?」

こちらが質問をする前に聞きたいことを言われてしまった・・・

「だって無駄だからね。」

「ぐぬぬ・・・。」

何とも歯がゆいが、心を読まれてしまう以上仕方がない。俺はあきらめてどちらを選ぶか考えることにした。しかしすでに心は転生という選択肢へと大きく傾いていた。剣や魔法のファンタジーの世界へ行けると言われたら思わず胸の高鳴る人は多いだろう。異世界転生ものと言えば主人公が勇者となり国を救ったり、知識チートで大金を稼いだりする誰もが一度は考えそうな憧れのサクセスストーリーだ。俺はそのような話をよく読んでいたこともあり、異世界という言葉に強く惹かれていたのだ。さらに衛生等の問題は心配しなくて済む上に能力をくれるのであれば尚更であった。異世界という想像すら、いや、他人のものでいいなら見たことも聞いたこともあったか・・・。ともかく、そんな世界へ行けるのだ。俺の選択は決まった。俺はまっすぐブライを見つめ、元の世界との決別するためにも、そして未知の世界へ旅立つ気合を入れるためにも決意を込めた表情で・・・


「やっぱり異世界への転生か。それじゃあ君が欲しい能力について決めよう。」

口を開けたまま固まってしまった・・・。傍から見たら思わず笑ってしまう様子であったに違いない。

「おっと、その前に世界について説明しないと。ん?馬鹿みたいに何やってるの?」

不思議そうにこちらを見るブライ。さらに3秒程たってから俺はようやく思考停止状態から立ち直った。

「少しは待ってもらえないんですか!?雰囲気ぶち壊しですよ!」

「だって長くなりそうだし。」

あっけからんというブライに俺は脱力してしまった。せっかく重大な決断をしたというのに・・・俺は思わず天を仰いだ。

「ここが天界なんだけど?」

「分かってるよ・・・」

果たして俺は無事に転生できるのだろうか・・・。

初投稿ということもあり、至らない点がございましたら申し訳ありません。今回はなろうのシステムを確認するテスト投稿です。予告なく削除して新しく投稿し直す可能性もあります。取りあえず転生するまでは書き上げているので問題がなければ1週間以内に次話まではお届けできると思いますが、それ以降は正直一定のペースを守って投稿できるか怪しいので書き溜めてからになると思います。9月までに何とか第一章は完結させるつもりです。(あくまでも予定です。あんまり作者に期待しない方がいいかもしれません・・・)また、主人公が活躍するのは当分先です。気長にお待ちください。

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