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超短編

右のメガネ君。

作者: しおん


右のメガネ君。

それが僕のあだ名だった。



きっかけは僕の隣の席の奴の一言。


「両隣がメガネだから、君は右のメガネ君ね」


チャラチャラした奴だった。

名前はよく覚えていないけれど、佐藤だか鈴木だか日本人に多い姓だったと思う。僕はそいつのせいで、右のメガネなどという不名誉なあだ名を背負う事になったというのに。


僕が右のメガネなら、必然的に左のメガネ君が誕生するわけで、その佐藤だか鈴木だかに対する不満によって僕ら右と左は友人となった。


右メガネ君と左のメガネ君。


少女漫画のタイトルとかでありそうだ。

両隣のメガネイケメンに迫られる主人公。でもまあ残念な事に、右のメガネ君も左のメガネ君もイケメンと呼ばれるような顔に生まれてはいないがな。


そうそう、僕らはその名で呼ばれたその日から立ち位置を変えていない。僕は移動でも授業中でもずっと右側。これはちょっとした意地。


変えようと思えば今すぐにでも僕は右のメガネ君から左のメガネ君になれる。でもそれじゃあ、どこか負けた気分になるのだ。誰とも勝負はしていないけれど。


ちょっとした発言で僕の生活は右側になってしまった。


とても不本意だ。


でも、そうあり続ける事が当たり前となりつつある今日この頃。あらからもう2年が過ぎている。



読んでくださりありがとうございます。

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