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現代魔法使いの捕蝶記  作者: 天野 洋
1章 ガレイスト王立学園編
6/19

初授業

「ふんふんふ~ん」


 今日の俺はかなり上機嫌だった、なぜなら今日は陰陽術の初授業だからである。

 陰陽術の構成はアナライズでだいたい理解はしているが詳しい定義とか作られた過程とかその他もろもろの中二心をくすぐる物はちゃんと聞いてみないと分からないからである。実演の時は符と式神しか見なかったけどちゃんとマントラとか印を切る真言密教系要素はどうなってるのかなと思いを馳せ俺はにこにこしながら陰陽術の授業が行われる教室に向かって歩いていた。

 ここの学園はかなり広く教室もかなりあるので地図は貰っていた

 それを見ると陰陽術の教室はかなり奥の方にあるようだった。

 実習とかする時とかご飯食べる時とかは不便そうである。

 そして、5分ほど歩き俺は陰陽術の教室に着いた。

 俺は期待を膨らませながら教室のドアを開く。


 教室は普通の教室で黒板と机と椅子があるだけの至って普通だった

 どうやら魔法科と言っても普通らしい

 まあ、座学とかするだけならこれだけでいいしな。

 そして、俺は教室に居た女子二人に目を向ける。

 1人は長髪で黒目黒髪でなぜか刀を帯刀している女の子、もう一人は刀を帯刀しておらず同じく黒目黒髪の女の子。刀を持っている女の子は凛々しい感じだなというかこっちを何か睨んできているんだが、もう一人の女の子は大人しそうでどこかのお嬢様って感じがする。

 さて、このまま見ているのは失礼だから挨拶でもしよう、同じ陰陽術を習うクラスメイトだろうからな。俺は教室のドアを閉め彼女たちの近くに行く。


「初めまして、ここは陰陽術の教室で合ってるかな?」


「ああ、ここは陰陽術の教室で合っている」


 刀を持っている女の子がぶっきら棒に答えてくれた。

 そんな、警戒?しなくても良いのに…

 教室に入って彼女たちを少しじっと見ていたのがいけなかったのだろうか。


「俺の名はゼブル・ウィルだ、これから4年間よろしくな」


 ここガレイスト王立学園は4年制である、卒業するためには学園の近くにあるダンジョンに潜り規定の階層、確か10層まで行きそこのモンスターのドロップアイテムを拾ってくることだったと思う。死ぬことがなければこの2人とは4年間の付き合いになるだろうから仲良くしておくことに越したことはない。俺は笑顔で握手をしようと手を差し出すが…


「えっと、わ」

「私の名は千崎 知和、こちらの方は賀茂 綾香様だ」


 刀を持った方の千崎さんが握手に応じようとしていた賀茂さんを制し、挨拶も済ませてしまった。

 …こういう場合どうすればいいんだ

 仕方なく俺は差しだしていた手を下げ、どうにか話を続けようと言葉を探そうとしていたところで、教室のドアが開き陰陽術の講師のじいさんが入ってきた。

 タイムオーバーだな、まあ、親交を深める機会は次回に期待するとしよう、俺はとりあえず一番前の席に座り、彼女たちも隣の席を1つを開けて一番前の席に座る。     

 しかし少ないな生徒は3人だけなのか?まあ、転生前提というのはハードルが意外にも高いらしいのだろう。


「全員揃っているようなので始めよう、私の名は木戸新、陰陽術の講師をしている、説明の時にも言ったがわたしの教えている陰陽術ははっきり言って転生を前提に考えている魔法であり、必要スキルポイント数も多く、レベル上げも厳しいことになることは確実だ、それでも習得したいという者のみ受講するように今ならまだ流派の変更はできるから甘い気持ちで選択した人は手を上げるように」


 じいさんが最終忠告のようなものを行い俺たちを見てくる。無論俺は手を上げるつもりもないし、彼女たちも手を上げるつもりはないようだ。


「では陰陽術の大まかな概要について話す前にそれぞれ自己紹介をしてもらおう、いちおこれから4年間の付き合いになるからな、そちらの男子から順にするように」


 残念がらトップバッターに選ばれたようだ、ここに来て3年が経つが引き籠ってばかりだったので常識があるとは言えないのでここはエロゲネタは避けて無難に行くべきだな。俺は立ち上がり自己紹介を始める。


 「俺の名はゼブル・ウィルだ、この陰陽術を専攻したのは他の流派に比べて実用性が高いと判断したためだ、俺自身の戦闘スタイルは主に格闘術を軸に置いたものを好んでよく使うな、その他も状況により使うことがあるが、累積レベル、スキル構成は秘密だ、これから4年間よろしく頼む」


 俺は完璧に仕事を終えた職人の様に爽やかに自己紹介を終え着席したのだが…

 なぜか刀少女がこちらの方を凄い形相で睨んでいた

 俺何かまずいことを言ったか?

 無難な自己紹介だったはずなんだが、わけがわからないと困惑していると刀少女が自己紹介を始めた。


「私の名は千崎 知和、私が陰陽術を専攻したのは元々陰陽術を習っていて高名な木戸先生に式神の使い方を教えてもらうためです、私の戦闘スタイルは刀をメインに、補助に式神を使うスタイルです、累積レベルは24、出身は桜花王国、これからよろしくお願いします」


 彼女は自己紹介を終え静かに着席した。彼女の話を聞くにこの先生はどうやら高名らしい…生徒3人しかいないけど

 というか累積レベルって言うものなの?

 出身は完全に忘れていたが…

 やはりトップバッターでやるのは駄目だったなと思いつつ最後の一人の自己紹介を聞く。


「私の名前は賀茂 綾香と言います、私が陰陽術を専攻したのも知和ちゃんと同じく、元々陰陽術を習っていて高名な木戸先生に教えてもらうためです、私の主な戦闘スタイルは符術です、それと少しだけですが神楽舞が使えます、累積レベルは20で出身は知和ちゃんと同じく桜花王国です、知和ちゃんとは幼馴染なので知和ちゃんが何か仕出かした時は私に相談して「こら、綾香!」くださいね、これから4年間よろしくお願いします」


 うむ、所作も綺麗だし、良いとこのお嬢さんっぽいけど刀少女をいじるという小悪魔っぽいところも好感触だな、やはり大和撫子は良いね! 時代は黒髪長髪の大和撫子だな

 え?ロリが良いって3話前で言ってなかったかだって?

 可愛ければ何でもOK 

 これがエロゲユーザーです 

 「穴さえあれば男でも女でもかまわない」って回収騒ぎになったエロゲも言ってたじゃないですか


 ちなみに刀少女が賀茂さんの発言に不満が有ったようだがスルーだ、この刀少女にいちいち反応していたら話が進まないし、こういうのはめんどくさいからな


「では紹介も終わったので早速だが陰陽術の概要について説明しよう」


 どうやら紹介が終わったらすぐに陰陽術の説明をしてくれるらしい、木戸先生がチョークを取って黒板に文字を書き始めた。


「陰陽術はいや陰陽術師は大きく分けて3つのスタイルが存在する、1つは符術使い、予め作成した符を使い魔法を使うタイプだ、2つ目は式神使い、式神を行使し戦う、3つ目は真言密教系、真言マントラを唱え、印を切ることにより発動する魔法で戦うタイプだ、千崎と賀茂はそれぞれ式神と符術と決まっているがウィルお前はどうする?」


 その問いかけは愚問だろう…俺の答えは陰陽術を初めて見たときから決めていた。


「全部だ」


「え?」


 賀茂さんが驚きの余り声を上げていた、刀少女も同様に驚いているというより怒っているようだ。


「符術、式神、真言密教、全部習得する」


 俺は堂々とそれを言い放った。


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