表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
現代魔法使いの捕蝶記  作者: 天野 洋
1章 ガレイスト王立学園編
19/19

マッスル・パーフェクト・ドリンク 6

 グレイの言う通り1時間ほど歩くと木々が密集していて光があまり差し込まない様になってきていた。

 しかもなんか空気が湿っていて蒸し暑い。

 こういうじめじめした所にはキノコが生えているのだろう。

 よくしらないけど、多分 maybe perhaps!

 まあ、詳しいことはグレイに任しているから聞いてみればいいか

 俺は周辺の地面を丹念に見ているグレイに話しかける。


「グレイ、なんだっけなんとかキノコが生えている場所はここでいいのか?」


「ああ、ここで合っているはずだ、それとさっきの月光草の様にやらかさないように注意事項を先に言っておくな」


「ああ、お願いする、またあんなことになりたくないからな」


「ここで採取するマッスル茸だが決して花粉を吸わないことが重要だ、乱暴に引っこ抜いて花粉を吸ってしまうと……マッスルマッスルになってしまう」


 キノコは花粉じゃなくね? という突っ込みはスルーしよう

 この世界の人にそんなこと言っても仕方ないじゃん

 まあ、とにかくキノコ採る時は乱暴に採らず静かに引っこ抜いて袋の中に入れておけばいいわけだな

 グレイが言うマッスルマッスルはなんとなくだが分かる

 アレだ筋肉革命だぁぁぁぁぁ!って感じになるんだな

 リトルバ○ターズに出てくる アレとか

 真剣で私に恋○しなさい!のアレとか

 さくら、咲きましたに出てくるアレとか

 大体あんな風だろう?


 ………………


 何?そんなエロゲばっかじゃわかんないって?

 大丈夫だ

 リト○スもマジ○イもアニメ化してるからセーフだ、セーフ

 一般人も分かるって!


 さてさてみなさんも納得してくれたところでキノコを採集しますか。

 グレイが図鑑に載っていたマッスル茸の移し絵を参考に探すと何の問題もなく簡単に群生地を見つけることができ、採集もまた何の問題も起こらずにできた。

 グレイがミスってマッスルマッスルなるかと思っていたのだが杞憂だったようだ。

 さて最後に残ったのはオーガキングの心臓か

 最後だけレベルというか難易度が違うな

 オーガというモンスターはノスタルジアオンラインの中でも初心者が受ける討伐系の中でも初心者殺しと恐れられるほどの強さを持つ。

 特に全身を鋼鉄の鎧で固めたオーガ戦士はノスタルジアオンラインの初期では最高の敵として恐れられていた頃もあるほどだ。

 それで手に入れなきゃいけないものがオーガキングの心臓ということはこいつらとも戦闘しなければならないだろう。

 これにグレイを連れて行くのは少々厳しいものがある。

 ここら辺で待っていてもらうというのも一つの手だが……周辺のモンスターがここではグレイにとって手が余る存在ばかりだ、置いていくのは得策ではない。

 仕方ないかグレイを連れて安全な方法でオーガキングを倒すとしよう。

 俺は方針を決めグレイの方を振り向く。


「それじゃ最後の素材を集めに行きますか」




 そしてグレイの案内に着いていくこと2時間で目的のオーガの砦に到着した。

 オーガの砦は思った以上にでかくて立派なものだった。

 これはおそらくかなりの数のオーガが居るんじゃないだろうか。

 一応偵察のために式神を侵入させておく。

 十分ほどして式神で内部を偵察した結果

 ざっと百体以上のオーガがいるみたいだ。

 なんでここまで大量にオーガがいるのだろうか?

 どうやって食べ物を確保しているのか凄く疑問だ

 まあ、そんなことはどうでもいいか

 これだけの数のオーガは十分脅威だ

 俺なら大した苦労もなく殺すことが出来るがこの世界の大半の人々にとってはかなりの脅威にあたるのは想像に難くない。

 他の人のためにもオーガは全部殺しておいた方が良いだろう

 俺は皆殺しのために装備を選んでいるとグレイが声を掛けてきた。


「なあ、ゼブル」


「どうしたグレイ?」


「なんか本に書いてあったオーガの生息場所にはこんな砦があるなんて書いてなかったのだが大丈夫か?」


「まあ、普通の兵士たちにとっては無理だと思うけど、俺ら転生者にとってはそこまで大した敵じゃないよ、ただ数がたしかに多いな」


「さっき式神を送りだしていたけどどれくらいいるんだ?」


 グレイがなぜか青ざめた顔で聞いてくる。


「だいたい百匹程度いるな、オーガ戦士も30くらいいるからめんどうだなあ」


 俺が大した問題ではないという風にいったのだがグレイの顔がさらに悪化した。

「そ、そんなの無理だ、もう素材を諦めて帰った方が良いよ、ゼブル」


「そんなことないって、さすがにあの中にグレイを連れて行くわけにはいかないからここで待ってもらうことになるけどな」


「いやいやいや、俺を連れていかなければ余裕みたいに言って」


 俺は慌てるグレイを落ち着かせるために肩を叩く


「心配するな、俺はあの程度の奴らに負けるほど弱くはない、それにこいつら放っておいたらそこらへんの街を襲うに決まってる。どうせ誰かが倒さなきゃならないだろう、それがただ俺だっただけの話だ」


 俺は渋るグレイを無視してオオカミ型の人形を召喚する。


「宿る魂!」


 その人形スキルを使った瞬間、ただの人形に魂が宿る。

 人形スキルの奥義たるスキルだ

 一定時間人形に意思を持たせ勝手に動くことが出来るようにするスキルだ。

 自分が直接人形を操った方が強いのだが、人形の操作をしなくても人形が動くので何かと便利だ。


「グレイの護衛を頼む」


「リョウカイシマシタ」


 オオカミの人形が片言の言葉で返答したのを確認した後、俺は未だ俺を止めようとしているグレイを置いて砦へと走る。




「さてといきますか」

 俺はインベントリからブロードアックスを取り出し砦の門を打ち破る。

 思った以上に門は脆く、一撃で扉は吹き飛んで行った。

 そして中を覗いてみるとけっこうな数のオーガが驚いた眼でこっちを見ている。


「さあ、パーティーを始めようじゃないか」


 俺はすぐ傍にいたオーガの頭をブロードアックスで薙ぐ。

 ブゥンと勢いよく風切りの音がした後

 首を失ったオーガの巨体は大きな音を立てて沈んだ。

 それを見た瞬間オーガどもは唸り声を上げて俺へと襲いかかって来る。

 俺はギリギリまでオーガ達を引きつけスキルを発動する。


旋風波せんぷうは!」


 俺がブロードアックスを思い切り薙いだ瞬間つむじ風と共にいくつもの斬撃が飛び、近づいていたオーガ達を真っ二つになっていく。

 一瞬にして数体の仲間がやられたオーガは恐れを成して逃げるどころか馬鹿みたいに同様に突っ込んでくる。

 それを見てノスタルジアオンラインのオーガは他のゲームに比べて脳筋だったなとしょうもない設定を思い出しつつ。同様に旋風波せんぷうはを使ってオーガを両断していく。





 ◇◆◇◆◇◆◇◆





 俺は自分の目が信じられなかった。

 ゼブルは大丈夫とか言っておきながらまさかの真正面からオーガの砦に突っ込んだのだ。

 愚行としか思えない

 いくら転生者と言ってもゼブルは累積レベルがおそらく500~1000の間ぐらいだろう。

 だというのに多数の敵相手に真正面から突っ込むなんて…

 しかも相手はあのオーガだ

 累積レベル500くらいの者でも油断すれば死ぬ程の相手だと言うのに

 しかもそれを多数も相手にするなんて普通の転生者には不可能だ。

 不可能だ

不可能だと思っていたのだが

 ゼブルは軽く大きな斧でオーガの首を切り飛ばした。

 しかも一薙ぎでだ。

 有り得ない

 どれほどの膂力が有ればそんな芸当が可能だと言うのか

 少なくとも累積レベル500くらいの転生者では無理だ

 おそらくマスタークラスでなければ到底無理であろう。

 まさかゼブルは……マスタークラスなのか?

 俺が信じられずにゼブルを見ていると何らかのスキルを使って寄ってくるオーガ達を次々と両断していっていた。

 そしてオーガの死体がどんどん出来ていく。

 ゼブルはまったく焦ることもなく、ただ淡々と作業をしているが如く死体を積み上げていっていた。

 それを俺は呆然と見るだけしかできなかった。





◇◆◇◆◇◆◇◆





 オーガの死体を積み上げ、死体がちょっと邪魔になってきたぐらいにがしゃがしゃと金属音をさせながら何かが近づいてくるの感じた。

 おそらくはオーガ戦士か

 俺はオーガの頭を切り飛ばしつつ、周囲への警戒を強めた。

 オーガ戦士は現在ステータスを開放している俺でも複数で殴られれば命はない。

 しかもやつらはそのタフさと防御力に任せて突っ込んでくるからかなりやりにくい。

 一体ずつ確実に仕留めていけばおそらくは問題ないだろうが

そして奴は現れた

 三メートルもの巨体に全身を金属製の鎧で堅め大きな金属製のハンマーを持つ。

 オーガ戦士


「さてこれからが本番だぜ」


 俺は笑みを深めつつスキルを発動する。


縮地しゅくち!」


 俺は次の瞬間にはオーガ戦士の目の前に移動していた。

 突然の俺の登場にオーガ戦士は驚き動きを止める

 その瞬間を見逃さず俺はスキルを発動させる


「スマッシュ!」


 俺が全力で振り被ったブロードアックスがオーガ戦士の土手っ腹に突き刺さる。

 ブロードアックスは鎧を粉々に破壊しさらにオーガ戦士の内部をも破壊し貫通した。

 オーガ戦士は自分の腹に生えた物を信じられないという顔で見たまま動かなくなった。

 俺は邪魔とばかりにブロードアックスに突き刺さったオーガ戦士をぶぅんと振るって遠くへ投げ飛ばした。

 思っていた以上に弱い

 オーガ戦士といえどこの程度だったか

 俺は少し想像以上に弱かったことに落胆と安堵をしつつ、がしゃがしゃと音を立てながら続いて出てくるオーガ戦士の方へと歩いていく。

 オーガ戦士たちは自分の仲間の死体を見ても動揺してない様に見える。

 さすがは強いモンスターなだけはあるということか

 まあ、その逆でただ馬鹿なだけなのかもしれないが

 俺は一気に突っ込んできたオーガ戦士3体に対してスキルを発動させる。


震脚しんきゃく!」


 俺が脚を振り下ろすのと同時に衝撃波が円状に広がりオーガ戦士たちの動きを止める。


「全力振り(フルスイング)!」


 足の止まったオーガ戦士3体をまとめてスキルで薙ぎ払う。

 オーガ戦士たちは全て鎧ごとまとめて真っ二つとなり地面に転がった。

 俺はそれを感慨もなく見つめ、次の獲物を探しに砦の中を歩き回ることにした。




 現れるオーガとオーガ戦士を片っ端から叩き割っていっているが、なかなかオーガキングに出会えない。

 そろそろオーガ達を殲滅したのではないかと思えるほどの数は殺したと思うのだが

 やはりボスはこういうところの奥にいるか、砦の上の方にいるかのどちらかだろう。

 どっちかに行ってみるかと方針を決め、まず砦の上の方に上がってみるかと歩きだすと上から何かが降ってくる気配がする。

 すぐにその場を飛びのくとずぅんと音がして何かが潰れた。

 何が落ちてきたのか確かめるとオーガの死体だった。

 こういうパターンはあれだな

 俺は再びその場を飛びのくと俺が居た場所に大きなものが降ってきた。

 5メートルはある巨体に鍛えられた体、オーガ戦士が持っていた物よりも大きなハンマー

 おそらくはこいつがオーガキング

 やっぱキングが付くだけあってオーガ戦士よりも強いのだろう

 俺は先手必勝とばかりスキルを発動させる。


「スマッシュ!」


 俺のブロードアックスがオーガに振り下ろされるが、オーガキングもまたハンマーを振り被る。


 ギィィィィィン


 鋭い金属音が砦内に響き渡る。

 俺のスキルによる一撃はハンマーにより打ち消されてしまった。

 まさかスキルを使用せずに俺の一撃を打ち消せるほど強いのか

 俺はオーガキングから距離を取るため後方に跳んだ。

 そして俺が着地した瞬間、地面が揺れる。


 まさかこれは震脚か

 やべえ、動かねえ

 しかし、おかしい

 スキルを発動する時のエフェクトがこいつには現れない

 こいつがエフェクトを消すスキルを持っているって事なのか

 そんな事が出来るなんて聞いたことが無い。


「ガァァァァァァッ!」


 オーガキングが動けない俺の目の前でハンマーを振り被る。

 思い切り振り被られたハンマーはいとも簡単に俺を吹き飛ばした。

 吹き飛ばされた俺は受け身を取ることも適わず壁に叩きつけられて止まった。

 今の攻撃は受けたダメージからして確実にスキルを使っている

 だというのにスキルのエフェクトは現れない。

 こいつは確実にスキルのエフェクトを消せるスキルを持っているのだろう

 

「くくく、面白いスキルを持っているな」


 俺はさほどダメージが無かったかのように立ちあがりオーガキングに話しかける。

 オーガキングは俺が平然と立ちあがったことに驚いているようだ。

 まあ、同じレベル帯の奴なら今ので生きてはいないだろうからな。


「スイッチ!」


 俺は武器をブロードアックスから両手剣のクレイモアへと交換する。

 それじゃあ行きますかね

 アナライズを発動させ相手のスキルを解析させておく

 完全に解析したらオーガキングのスキルをコピーさせて貰おう。


「スラッシュ!」


 俺の持つクレイモアが青いエフェクトを放ちながらオーガキングに向けて振り下ろされる。

 オーガキングもまたハンマーを振り回し俺の一撃に合わせる。

 ガァンと鈍い金属音を放ちながらハンマーとクレイモアはぶつかり合う。

 互いの武器が拮抗している間にスキルを発動させる。


「2段蹴り!」


 俺の左足から放たれた2撃がオーガキングの腹に決まる。

 オーガキングは顔をしかめつつよろめいた。

 その瞬間を見逃さず続けてスキルを発動する。


狂戦士化バーサク!」


 スキル狂戦士化バーサク

 これにより俺は大幅な筋力増加と痛みも恐れぬ狂戦士と化した。

 俺は力でオーガキングを突き放す。

 オーガキングは全力で押していたのも関わらず簡単に突き放されたことに驚いているようだ。

 てかさっきからこいつ驚いてばっかだな。

 そろそろ終わりにしよう。


「3段斬り(トライエッジ)!」


 1撃目の斬撃でオーガキングのハンマーを突き上げ

 2撃目の斬撃でオーガキングのハンマーを弾き飛ばし

 3撃目の斬撃でオーガキングの左腕を斬り飛ばした。


 チッこれで終わらせようと思ったが逃げやがったな。

 俺が追撃を掛けようと近づくとオーガキングは大きく脚を振り下ろした。

 その瞬間オーガキングを中心に衝撃波が放たれる。

 スキル震脚

 

 しかし残念ながらそれを見るのは2度目だ

 それにアナライズでオーガキングのスキルエフェクトが見えなくなるスキル、イレイズエフェクトは解析完了しているので俺には奴のエフェクトは見えている。

 俺は空中に跳び震脚をかわし、オーガキングにトドメを差すべくスキルを発動する。


降下攻撃ダウンアタック!」


 空中から急降下した俺はその勢いに任せてオーガキングを袈裟斬りする。

 オーガキングはなすすべもなく肩から斜めに斬られる


「ギャァァァァァァァ!」


 オーガキングは叫び声を上げながら傷口を押さえながら蹲る。

 もはやこの傷では戦うこともできないだろう。

 まあ、この傷口を押さえながら蹲って要るのが演技の可能性も無きにしも非ずだがな

 俺は躊躇せずにオーガキングにトドメを差す。


「貫通突き(ペネトレイトラッシュ)!」


 勢いに乗ったクレイモアによる突きは簡単にオーガキングの頭を抵抗なく破壊した。

 本当は心臓を一突きするスキルなのだが今回は心臓が必要なので自重して頭部破壊にしておいた。

 さてと後はこいつの心臓を抉りだしてグレイに渡せば終わりか。

 これが一番嫌なんだよなといやいやながら俺はオーガキングの死体を解体していく。


 さて解体も終わり、すでに砦内にはオーガがいないことはアナライズで確かめているのでグレイを迎えに行こう。

 ダンジョンと違ってここは外なので残念ながら倒した後にドロップアイテムだけが残る仕様ではないので解体が非常にめんどくさかった。

 これだから外での依頼とかは好きじゃないんだよな

 俺はオーガの死体をひょいひょい避けながら砦を出ていく。

 オーガの死体を飛び越え砦の外に出るとグレイがなぜか凄い勢いでこっちに走ってきた。

 ついでにちょこちょこ歩いてグレイに付いてくる護衛用の人形のオオカミが可愛い


「ゼブル大丈夫だったのか?」


「ああ、この程度の敵なら大したことないからな」


 俺が余裕だぜと親指を立ててグッとサムズアップする。

 すると俺の方をなぜか白けたような目でグレイが見てくる

 心外な!

 ちゃんと行く前に余裕だって言っておいただろうに


「それなら良かったのかな? ちゃんとオーガキングの心臓は取れたのかい?」


「ああ、ちゃんとオーガキングの心臓はゲットしてインベントリの中に入れているから後は調合スキルで……あー、なんだっけ?」


「マッスルパーフェクトドリンクだ!」


「そうそう、そのマッスルエクササイズド、じゃなくてマッスルパーフェクトドリンクを作るだけだ」


「そうか……ついに俺の筋肉が暴走する時が来るんだな!」


「それと疲れたからこの場で作らずに寮に帰ってからでいいか?」


「ああ、勿論だ!」


「それじゃとっとと帰ることにしますか」


 俺達は目的を果たしたのですぐに帰ることにした。

 え? 転移で帰らないのかだって?

 さすがにそれはねえ

 オーガ相手に無双したので強いとバレているからって転移までできること知られたらまずいじゃん

 もうすでにマスタークラスだってのは確実にバレていると思うからちょっと諦め入ってるけど、それ以上の強さ持ってるってことまでは知られたくないし、色々迷惑掛けたくないじゃん。

 そういうことで俺は一応グレイに口止めだしておいて街に着くとすぐに解散してエロゲして寝た。



 ドンドンドンドンドンドンドン


 何か物音がするような気がする


 ドンドンドンドンドンドンドン


 昨日結局早く寝ようと思ってたけどついついNGな恋のゲームをして明るくなり始めた頃に寝たから超眠いんだけど


 ドンドンドンドンドンドンドン


「ああ、もう分かりましたから、起きますからどんどん叩くの止めてください」


 ああ、めっちゃ眠いのに誰だよ

 まだ寝てからほとんど時間経ってないだろうに

 俺はとりあえず眠いのを我慢してさっさとパジャマを着替える。

 

 ドンドンドンドンドン


 「はいはい、分かってますって」


 俺は着替え終わると急いで部屋のドアの鍵を開けて扉を開いた。

 扉を開けるとそこには昨日一緒に素材集めを手伝わされたグレイが居た

 まあ、別にグレイが来るのは別にいいんだがこんな朝早くに来るのは止めてくれよ

 近所に迷惑だとかいうのはどうでもいいけど俺の睡眠時間を削るのだけは遠慮してくれないか

 多分グレイのことだからマッスルなんとかドリンクを早く作ってくれって事だと思うけどな


「あ~、ゼブル実はな非常に申し訳ないことが分かったんだ」


 なぜかグレイが言葉の通り非常に申し訳なさそうにこちらを窺っている。

 正直男にそれも筋肉ムキムキの男にやられても嬉しくないんだが


「実はな……」


 グレイが何かを言いかけて押し黙る。

 本当にどうしたのだろうかグレイにしては行動がおかしすぎる。

 俺が混乱しているとグレイは勢いよくなぜか土下座を敢行した。


「すまなかった、ほんとうにすまなかったゼブル」


「…………」


 意味不明である

 なぜグレイに土下座されたのか全く分からない

 昨日何かやらかしたか?

 全く身に覚えが無いんだが



「すまなかった、俺も寮に帰って寝る直前まで全く気付かなかったんだ許してくれ」


「すまない、残念だが俺がグレイに謝られる覚えが無いのだが」


「本当に済まない、ほんんとうなら気付いた時点で謝りに行くべきだと思ったのだが、さすがに夜中だったから迷惑になると思い行こうにも行けなかったんだが、朝まで待とうと思ったのだがさすがに俺の良心が耐えられなくてついこんな時間に押しかけてしまった、ほんとうに済まない」


 正直困る

 身に覚えのないことでそんなに謝られてもどうしろと

 とりあえずグレイを落ち着けるのがいいだろう

 このまま謝り倒されていては会話も成り立たない。

 とりあえず俺はグレイの鳩尾みぞおちに向けて拳を振るった。




「いや、マジでごめん、グレイ、おっさんと一緒だった時は気を静めるときは殴ることが当たり前と化していたからつい殴ってしまったわ、まさかあれで気絶してしまうとは思っていなかったから」


 俺があははやっちまったよと後悔しながらグレイに謝っている

 グレイの方はというとけっこうダメージがあったのか気を取り戻しても鳩尾みぞおちを押さえている。


 たくおっさんと一緒だった頃はこんなの日常茶飯事だったからな

 ついやっちまった

 例えばあれは護衛依頼を受けて馬車で移動中に

 某水着H限定のエロゲの評価を意見していた時のことだ

 白スクール水着は至高だと思う俺派と

 競泳用水着こそが至高だというおっさん派の意見が対立し

 依頼中だったのにも関わらず激しい論争を繰り広げ死闘の末

 紺スクール水着もいいんじゃないかと意見をひるがえすことを言い始めたおっさんの鳩尾を殴った

 ドキ☆ドキ☆水着Hはどれがいい事件とかな


「いや、いいんだゼブル、俺のしたことは人として最低のことなんだから」


 なぜかまたグレイが暗黒面に落ち始めているので慌てて事情を聞いてみることにする。


「そ、それはいいからグレイは何をしたんだ?」


「えっとな、そ、それは」


「それは?」


「経験値泥棒をしてしまったんだ」


「経験値泥棒?」


 よく意味が分からない

 経験値泥棒ってそんなスキルあったけ?

 俺が思い当たる節が無く考え込んでいると


「その様子だとゼブルは覚えていないのかもしれないが街を出てすぐの時に出会うモンスターは俺でもなんとか倒せるほどのモンスターだったから、ゼブルがおとりとなって俺が倒すようなスタンスで戦っていた時、俺がPTを組んでいないと倒した俺にしか経験値がいかないのは不公平だと言ってPTを組んだだろう」


 あー

 そう言われてみればそんな気もするな

 俺基本PTとか組まないからそういうのは無頓着だからな

 なるほど話は読めた


「それでそのままPTを解除せずに素材を採集して最後にオーガ達を皆殺ししただろ、そのせいでPTの性質上何もしてない俺にも均等にオーガ達を倒した経験値が得られてしまったんだ」


 まあ、別にあの程度の経験値大したことないから気にしてないと言えばいいんだろうがグレイが納得するかと言われればしないだろうな

 この世界の人たちにとってレベルというのは絶対であり

 経験値配分というのもかなり重要視されているらしい

 PTはいくつかルールがあってそれを変更することにより得られる経験値が変わる。

 例えば貰える経験値を均一にしたり、モンスターを倒した者だけ多めに貰える設定や倒した者が全経験値を貰えるようなものや、特定の人物だけ経験値が貰える設定などができる。

 今回は均一に貰えるように設定したからオーガを倒してないグレイにも経験値が渡ってしまったのだろう

 気付かない俺も俺だが

 まあ、それはいいとしてあれらを倒した経験値でどれだけグレイは経験値を得たのか……

 じっと俺がグレイの方を見つめるとグレイは非常に言いずらそうに


「レベルが19から64に上がっていたんだ」


 ここがゲーム内なら大量の草が生えていたぞ

 19から64とか……

 普通にまずいな

 やらかしてしまったようだ

 どう考えてもこればれたら一騒動起こる

 というかどうしてPTに気付かなかったんだ俺!


「はぁ」


 ため息を吐きつつもやってしまったものはしょうがない

 レベルは上がるものであって下がることはないからな(転生以外で)

 適当にステータスを偽装するためのアイテムをグレイ用に作っておこう

 バレた時は……

 うん

 バレないことを祈っておこう


「まあ、いいやステータスを偽装するためのアイテムは俺が作っておくからそれがバレないようにな、それと促成栽培なんだからレベルの高い敵にいきなり行かないこと、んじゃ解散で」


 俺はそう言うとインベントリの中からスターテス偽装用のアイテムを作る為の素材を探し始める。


「ま、待ってくれ、俺は人としてやってはいけないことをしたんだぞ!」


 どうやらこの世界の人にとって経験値と言うものはそれほど重いのか

 グレイの表情を見ているだけでそれが痛いほど分かる

 残念ながら元々強かった俺らには到底分らないものだろうがな

 このままじゃグレイも引っ込みが着かないだろう

 けじめをつけるべきだろう

 ほんとうは経験値なんて別にどうでもいいんだけどね


「分かった分かった、それじゃあ取引といこう、俺は遺跡の情報を探している、それと大きな精霊石も探しているこの情報が入ったら俺まで探してほしい、グレイは学園を卒業したら騎士になるんだろう、偉くなってそういう情報が入ってくる立場になったらそれらの情報を流してくれるだけで良いから」


「本当にどれだけでいいのか?」


「ああ、てかそれだっけってか情報を流すのってかなりアレだと思うのだが」


「まあ、遺跡に大きな精霊石の情報くらいなら別に良いだろう」


 おいおい、こんなやつ騎士にしていいのかよ

 大丈夫かよガレイスト王国

 まあ、まだ騎士候補生くらいだから大丈夫なのかもしれないが


「それでほんとうにそれだけでいいんだ」


「ああ、情報を流してくれるだけで良い」


「そうか、それとマッスルパーフェクトドリンクについての件だがやはりドーピングは許せないと俺の筋肉が言うんだ!」


「はっ?」


 ナンダッテ?


「昨日寝るのが遅くなっていたのは本当にドーピングで得た筋肉でいいのかとずっと自問自答していたからなんだ、レベルが上がったからそんなことが言える、聞こえのいいことを言っていると自分でも理解しているがどうしてもドーピングで筋肉を得ることは俺の筋肉が許してくれそうにないんだ!」


「まあ、別に俺は気にしてないからグレイがそれで良いと思うのならそれでいいんじゃないのかな」


「ほんとうか?」


「ああ、ほんとうだ」


「ほんとのほんとのほんとうにいいのか?」


「ああ、別にいいぜ」


「そうか、そう言ってくれるとありがたい、ほんとうにありがとうなゼブル、マッスルパーフェクトドリンクはゼブルにあげるよ、では筋肉を鍛えに行ってくる」


 そう言うと否やグレイはあっという間に走り去って行った。

 たく、グレイらしいと言えばグレイらしいか

 まったく、薬に頼るなんてグレイらしくないと思ったらこんな落ちだよ

 ま、楽しかったからいいか

 そうして俺はグレイのためのステータス偽装アイテムを作り終えた後二度寝をすることにした。


すみません非常に難産でした、エロゲもなかなか終わらないからry


ご意見、ご感想などお願いします

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ